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街 短編

作者: 竜堂 酔仙

 ふと目が覚める。

 薄明るい部屋の中。見慣れた天井。

 枕元の時計は、5時半を示していた。

 目を閉じれば寝ることはできる気がするが、どうもそんな気分じゃない。

 しょうがないから、起きることにした。



 シャワーを浴びてから、ジーパンを穿き、Tシャツに袖を通す。

 なにも考えず、足の向くまま、外に出た。

 まだ太陽が低い。

 白っぽい朝日に照らされて、街がふわりと浮かび上がっている。

 いつもと違う時間帯だと、街も違う表情を見せる。

 まるで街が寝ぼけているかのようで、少し可笑しかった。

 そんな感覚も、街の真ん中に近づくと、薄れていってしまう。

 それは時間が経ったせいか、はたまた街そのものが持つ特徴なのか。

 もの寂しい感は拭えない。



 道を急ぐスーツ姿。朝までカラオケで歌っていた大学生。朝練に急ぐ中高生。

 よくよく見ていると、いろんな人が通る。


 これこそが、この時間のこの街のこの場所の顔か。


 そう考えたら、街も生きているんだなぁと思えた。

 いつでもどんなときでも、結局街は、人は生きてるんだなぁ、と。

 目の前のコトをさばき、先から流れ来るモノを待つしか、僕らができることはないんだ。

 そんなことを考えて、うちに帰った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おしつけがましい妄想的作品が多い中、淡々と日常を書いている姿勢になんだかホッとしました。
2016/07/29 16:57 退会済み
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