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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
変化の先の日常
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寄り道をしよう

デパ地下、まぁ仙台駅の駅地下なので正確には駅地下になるのかも知れないが、便宜上デパ地下と呼称されるそのフロアはよく見聞きするデパ地下らしく、スイーツなどを中心に総菜やお弁当、パン屋などが軒を連ねる食料品のフロアだ


「わぁ、皆おいしそー」


初めてデパ地下を訪れる悠は大好物になっている甘いスイーツが煌びやかにディスプレイされているのを見て、目をキラキラと輝かせる


甘いもの好き、美味しいもの好きには堪らない空間というのはやはり人を呼び、フロア内にはたくさんの人が思い思いのスイーツや総菜を購入している


「あんまチョロチョロすんなよ。小高、ジェラートの店って?」


「あっちの方にありますよ。ほら、悠ちゃん先にジェラートの方に行きましょう」


あっちっこっちに目移りしている悠から目を離さない様にしながら郁斗は桃に案内を任せる


桃に案内されて歩くと人通りが特に集まる通りに面したテナントスペースに期間限定オープンの垂れ幕を掲げているジェラート専門店が店先に5人ほどの列を作っていた


「おっ、あそこかぁ、期間限定ってこともあって結構人いるねぇ」


「まぁ、アイスだし回転率は悪くないだろ。俺たちも並んじまおう」


早速、四人も並んで注文の順番を待つ。遠目から見ると20以上の種類があり、最大三種類までフレーバーが選べるようだ


定番のフルーツ系やエスプレッソやグリーンティー味などのコーヒーやお茶を元にしたものから聞いたことのない名称の物も多くあり、中々に目移りしてしまう豊富さだった


「うわぁ、どれにしよっかなー」


「時間かけすぎるなよ?すみません、リモーネとイタリアンソルベで」


「かしこまりました。リモーネとイタリアンソルベですね」


悠たちの番になり、ショーケースの中を覗き込んでは目移りしている様子の悠に釘を刺しながら、郁斗は自分が好きそうなフレーバーを注文し、代金を払う


どちらも甘すぎない少し酸味の聞いたものだ。甘いものがあまり得意じゃない郁斗が好みそうなものだ


桃や絵梨もそれぞれ悩みながら注文する


「うーん、ローズ・ポワーズで」


「ローズ・ポワーズですね。一種類でよろしいですか?」


「はい、大丈夫です」


悠は悩みに悩んでローズ・ポワーズという薔薇の香りとベリー系の甘酸っぱい酸味が特徴的だと言う変わり種の味を一つ注文する


代金を払って受け取った悠の手には鮮やかな赤が印象的なジェラートが収まり、「おぉ……」と頬を緩ませた


「食べるところも無いですし、外のベンチで食べましょうか」


「そだねー、座りながら食べたいし」


全員が購入を終えると四人は落ち着いて食べる場所を求めてデパ地下から外にあるベンチまで向かう


立ったままいただいても良いのだが、あまりお行儀が良い行為とは言えないしどうせなら座って食べたいと意見が揃った


「んー、あまおう美味しいです」


「ちょっとちょうだーい、私のキャラメルバナナラテとマンゴーどっちか食べて良いよー」


「凄い組み合わせだな」


「良いじゃーん、どうせなら全然違う味を楽しまないと。桃と悠は一つずつみたいだけど」


「一つの味に集中したいなーって」


「私はイチゴに目が無くて」


それぞれ自分の選んだジェラートを楽しみながら、特に女子三人はお互いのをシェアし合い、何だかんだと4つの味を楽しんでいる


「郁斗も食べる?割とサッパリ系だよ」


「いや、俺は大丈夫だから食っちまえよ」


「そーお?」


それに混ざる訳にもいかない郁斗は自分の頼んだ味を自分で楽しんでいると悠から自分の味も食べてみるかと聞かれるが、断って自分のを食べきってしまう


別に断られたからと言って何がある訳でもないため悠も了解するとまた三人でそれぞれのを突っつき合っていた



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