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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
変化の先の日常
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寄り道をしよう

それでもやはりかき氷と言えば日本の夏の定番とも言える。こちらもまた捨てがたい選択肢だ


「あー、確かにかき氷も良いなぁ。桃は提案者だしやっぱジェラート推し?」


「かき氷はあのキーンって言うのが来やすいイメージがあって……。あ、でも嫌いって訳じゃな無いのでかき氷でも全然良いですよ」


この提案にうんうんと唸る絵梨に、桃は冷たいものを食べるとよくなるあのキーンと頭が痛くなるあれが、かき氷だと起きやすい印象があるらしく少々苦手な様子


しかし、だからと言って嫌いなわけではないと本人はかぶりを振っている


「甲乙つけがたいところだが、ここは提案者の意見に乗るのが良いんじゃないか?冷たいものを食べたいってのは変わらないしな」


「さんせー!!」


「ジェラート、思えば初めて食べるかも」


そういうことならと郁斗が助け舟を出して、一同はジェラートを食べる方向で話を進めることにする


悠に至ってはよく思い出してみるとジェラート自体が初体験らしく、何となく知ってはいるもののどういう感じなのかと思案している


「簡単に行っちゃえば果汁で作ったちょっとリッチなシャーベット、って感じだと、私は勝手に思ってますけど、実際どうなんでしょう?」


「んー、言われてみれば確かによく知らないなぁ。間は何か知ってる?」


「いや、俺もその手のことは……」


決してジェラートが初めてではない桃が、自分の思っているジェラート像を伝えてみるが、よくよく考えてみると、そもそもジェラートの定義というのをよく分かっていないことに気が付く


ジェラートにはシャーベットを始め、ソルベなどの似たような印象を持つ氷菓子がたくさんある

意外とこういった言葉の雰囲気だけで、詳しい意味を実は知らずに使っていることはよくあることだが、四人はそう言えばと首をひねるのだった


「あ、調べたら出たよ。ジェラートが、イタリア生まれで乳脂肪分が大体8%以下、材料も果汁、果肉、コーヒー牛乳ってたくさんあるんだって。それで、シャーベットは起源がよく分かってないけど、基本的には果汁を凍らせて作る氷菓子の総称って書いてある」


こういう時、やくに立つのは文明の利器たるスマホである


ブラウザアプリを立ち上げて、【シャーベット ジェラート 違い】と検索すれば、あっという間に知りたい情報が出て来るのだから世の中便利なものである


「じゃあ、私が思ってたジェラートはシャーベットが正しいんですね」


「結構明確な違いがあるんだな」


「ねぇねぇ他に何か無い?」


「あるよ。ソルベとの違いとか――」


こうやって、四人は悠のスマホを覗き込みながら、電車が来るまでの間に世界の氷菓子についての無駄知識を深めて行くのであった





そうして一同は仙台駅へと戻り、桃おススメのジェラート専門店へと向かう


こちらも夏季限定の出店らしく、駅の地下一階。所謂デパ地下的な、スイーツを中心に味に自身のある店が軒を連ねている場所にあるようだった


「私、デパ地下行くのも初めてかも……!!」


「いや、どんだけの箱入り娘よホント」


「コイツ、ホントに遊ばないで道場籠り切りだったからな。家も道場が忙しいから中々遠出しないし、買い物は大体母親が近場で一人で済まさせてたみたいだから」


(ユウ)のとこもそうだぜ、と言うとその事を知らない二人が道場ってそんなに忙しいのかと舌を巻く


実際、高嶺家の道場はほとんど毎日門下の生徒が足を運んでいるため、中々家族で出かける、という用事は無いのだ


自営業ともあり、経理会計や門下生への大会や交流試合への連絡などなども悠の両親の豪や桜が一手に引き受けている

いつものんびりとしてそうだが、実はその裏では目まぐるしいほどに忙しく仕事を熟しているのだ


勿論、悠もこれらの仕事は将来継ぐことも考えて出来るだけ手伝うようにしている



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