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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
プロローグ
8/206

どうしてこうなったのか

「すみません、この子の採寸お願いしたいんですけれど」


「はい、かしこまりました。あちらの試着室でお待ちください」


手ごろな場所で仕事を熟していた店員に悠の採寸を頼むと店員に試着室に案内される

採寸のための道具を取ってくるとの事で店員が一旦その場を離れると桜が試着室のカーテンの隙間から顔を出し、不安そうにしている悠への助言を始める


「採寸は服を脱いでやるからね。あ、下着は脱がないわよ?ブラの試着はちゃんと今付けてるブラを外してからね?サイズ合わなくなるからね」


「わ、わかったから、よく分かんなかったら呼ぶから」


ペラペラと喋り出した桜に妙な気恥ずかしさを感じ、悠は試着室から追い出す

入れ替わりで入ってきた店員に指示されるまま採寸を始める


既に悠の顔は真っ赤だ


「お客様はこういったお店は初めてなんですか?」


「えっと、あんまりお洒落とかに興味無くて……」


実際、今日の悠の恰好はジャージに適当なTシャツで女子になったばかりなのだからお洒落にも興味は全くない


男子の時も年頃の割には適当でお世辞にもお洒落とは言えなかったため別に嘘ではない


店員さんも今の悠の服装を見て納得したようで成る程、いった感じで頷いている


「でもお客様すごく可愛いのに勿体無いですよ。髪もサラサラで、お肌もプニプニもちもち何かしてるんです?」


「特別何も……」


「あー、若いってズルいですねー。私なんてちゃんとケアしないとあっという間にボロボロですよ。外にいるのはお母さんですか?美人親子羨ましいです、ホント」


「あははは……」


店員さんのトークに悠は苦笑いで返すしか出来ない。ただでさえ慣れない身体な上に知らない人に素肌を晒し、ランジェリーショップと言う男子からすれば完全な異郷にいる背徳感、女性に触られている状態などなど、悠の頭は既にいっぱいいっぱいでおしゃべりしている余裕は全くないのだ


「はい、測定終わりました。アンダー70のトップ88、Dカップですね。お母さんと選びますか?」


「あ、ハイ」


ではこのサイズを基準に選んでみてくださいと言って渡されたのはD70と表記されたメモ用紙

これがブラのサイズになるのだろう。単純にカップ数だけでサイズが分かれているものだとばかり思っていた悠はここでようやくサイズがかなり細分化されていることに気づき、成る程、こりゃ全く分からん世界だと桜に連れて来られたことを内心感謝するのであった


「お待たせ」


「うん、サイズは覚えてる?」


「メモある」


ジャージを着直し、試着室から出ると待ち構えていた桜にサイズを伝える

迷うことなくその該当のサイズがある場所まで連れて来られると様々な幾つか手に取り始め、ああでもないこうでもないと始まった


「あんまり派手なのとか、高いのとかはいいんだけど……」


「何言ってるの、下着はちゃとしたの買いなさい。安いと長持ちしないし、サイズは合わないこともあるし、カブレたりすることだってあるのよ?それにいざとなったら見られても良いようなものにしといた方が良いんだから」


「見られてもって、そういうことは無いと思うんだけど……」


この場合、桜が言っているのはパンチラとかそういうのではなくて恐らく異性と致す時のことを話しているのだろう


が、悠はついこの間まで男である。当然男子と付き合う気は毛頭無いし、可能なら元の姿に戻りたいのだ

今はまだ状況に流されているだけだが、何かしらの問題に行き当たることは想像に難くないだろう


「とりあえず、悠ちゃんの好みで選んで見て。お母さんもちょっと別な場所見てみるから」


「はーい」


悠の下着なので、悠の好みで選んだ方が良いとの事で桜はその場を離れて悠に任せる

とりあえずこの棚の商品から選べば問題はないだろうし、サイズの表記もあるだろうからと悠は何点かセットの物を手に取って見ることにする


「んー、違和感しかない」


羞恥心と戦いつつ、手に取った水色の下着にこれからこれらを自分で使うのかと思うと壮絶な違和感と背徳感を感じ、悠はただ辟易し


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