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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
変化の先の日常
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仙台レジャーランド

それぞれのペアが休憩と流れるプールを満喫し合流した後は再び四人、ないし三人でやいのやいのと騒ぎながら仙台レジャーランドのプール施設を楽しんだ


浮き輪に乗ってのスライダーや、大きなビート版状の板に乗って坂道を滑るアトラクションなど、思っているよりもあまり他所ではないような物もあり、四人は想像よりもはしゃいであちらこちらをウロウロと動き回る


「きゃああああああああああ」


「うおおおおおおおお、意外とはやっ?!」


特に盛り上がったのはやはりこういったプール施設の目玉、ウォータースライダーだろう


定番のパイプ状の水路に寝そべって一気に下り降りるスリル満点なこのアトラクションは一人で滑るよりも二人で滑った方が、自重の関係で結構早くなる


悠と郁斗も二人で密着して滑ってみたのだが、悠は悲鳴を上げながらも笑顔で楽しんでおり、郁斗の方は若干ビビリの入った表情で中々にスピードの乗った状態を楽しんでいた


「っぷはぁ。これ楽しー!!郁斗、もっかい行こう!!」


「ハイハイ分かったから引っ張るなよ」


これがスライダー初体験だった悠はこのスリルが面白かったのか大はしゃぎして郁斗をプールから引っ張り上げる


そんなに急がなくても、残念ながらここは閉園間近の寂れたレジャー施設。夏休みと言う稼ぎ時だと言うのに人はだいぶ少ないのでスライダーにも人はまばらだ


「お姫様がお気に召したようで良かったじゃん、間」


「何ニヤニヤしてんだよ気持ち悪い。お前らはもう滑らないのか?」


「滑っても良いんですけどもうお昼も過ぎてますから、休憩所に移動しませんか?」


そういわれて園内の時計を見上げると、確かにもう13時でかれこれ2時間以上は遊び倒している事になる


それに気が付くと急に空腹が襲ってくるのだから人間と言うのは不思議なものである


「あれ、もうお昼か。じゃあ休憩所って言うかフードコート?に行こうか」


「フードコートと言うよりは食堂って感じみたいだけどね」


悠も昼時だという事に気が付き、引っ張っていた郁斗の腕を離すと自分の荷物に駆け寄って、バッグからパーカーを取り出してそれを羽織る


他の面々も各自パーカーやTシャツを羽織り、室内に入る準備を済ませると食堂があると言う一角に足を向ける


「あぁ、確かにこれは食堂だな」


「うーん、フードコートでは無いね」


たどり着いた建物の中に入ると広がっていたのは畳が敷き詰められた座敷と、プール客様に用意されたプラスチック製のテーブルセット


そしてお土産コーナーと高速道路にあるような食券制の食事処であった


長いステンレス製の板で覆われたカウンターと食器の返却口、セルフの箸とコップと給水機、そのカウンターの奥には厨房スタッフだろうおばさま達がのんびりとしている


まさしく食堂という風貌のそれは少なくともフード―コ―トという横文字が似合う場所ではなかった


「メニューはカレー、ラーメン、カツカレー、カレーうどん、きつねうどん、かつ揚げ定食……」


「メニューも食堂のそれだったかー」


一抹の希望を込めてせめてメニューはレジャーランドにふさわしいものであれと思ったが、残念ながらメニューもTHE食堂と主張する王道の食堂メニューばかりである


せめてフライドポテトなどがあればまだ良かったのだろうが、それすらない辺り、この仙台レジャーランドが閉園に至ってしまったのかがそれとなく把握できてしまう


「四の五の言わずに頼むか。幸い料金はそれなりにお手ごろだ」


「これで値段だけレジャーランド価格だったら流石に抗議するわ……」


それでも、わざわざ園の外に出てコンビニや他のお店を探すのも手間である


値段は500円からなのでレジャーランド内の食堂やレストランという事を考えればかなりリーズナブな価格設定だろう


各自、食券販売機でメニューとにらめっこしながら昼食を決めるとカウンターの向こうにいるおばちゃん達に注文をお願いするのだった



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