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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
変化の先の日常
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水着選び

それならと悠は先程よりも気合いを入れて水着を選んでいく


もっぱら悠くらいの比較的胸の大きい体形になると主流はどうしてもビキニタイプの上下が分かれた水着になり、またそちらの方が男性受けが良いだろう


勿論、ワンピースタイプやタンキニ、モノキニと言った物でも着れる物は多いが悠の引き締まった肉体とクラスメイトの女子達にも羨ましがられる豊満な胸部を存分に披露するにはやはりビキニが妥当な物だ


「は、悠ちゃんはやっぱりビキニなんですね」


黙々と水着を選んでいると一通り自分の見たいタイプの水着を見終わったのか、桃がひょっこりと顔を出して何故だか恥ずかしそうに、そして少し羨ましそうに悠が手に取っていたビキニタイプの水着を見つめている


「体形的にね。モモちゃんは、ワンピースとかバンドゥビキニ?」


「恥ずかしいからワンピースタイプにしようかなって……。可愛いのも多いし」


「デザインの豊富さはワンピースの強みだよねぇ」


あまり人に肌を晒したがらなそうな桃は悠の予想通り、肌色面積も少なく、体形もカバーしやすいワンピースタイプの水着を選んでいたようだ


最近にのは特に花柄をあしらったデザインが豊富でひと昔前のたけの短いスカートが付いている訳ではなく、膝上くらいまでの少し丈の短いワンピースくらいの長さがあるものが最近の流行りである


「絵梨ちゃんはどんなのにするのかな」


「うーん、絵梨は背が高くてスラッとしてるからタンキニとか割とスポーティな見た目のにするんじゃないかな。私とさっき会った時もその辺りの手に取ってたし」


「……私だけ子供っぽいかもしれませんね」


「え、むしろ可愛いの選べて羨ましいけどなぁ。私とか絵梨とかはどうしても可愛さってあんまり前に出せないから。桃ちゃんらしくて良いと思うよ」


「うーん、そうですか……?」


背もそれなりにあり、体形にも恵まれた悠と、小柄でそれに見合った体形の桃とではやはりどうしても選ぶ服装の系統、と言うのが変わって行ってしまう


勿論、お洒落を楽しむというならだれが何を着ても良いのだが、自分の顔や体形に似合った服装やお洒落をしたいとなると悠が多少大人びたものが似合うのに対して、桃はガーリィで可愛らしさを前に出していけるのを選べる


この差が出てしまうのばかりは誰もどうしようも出来ないことだ


そのどうしようもない不満を人はコンプレックスと呼ぶわけだが、それを飲み込めるかどうかもまた人それぞれと言えるだろう


「二人とも―、目星は付けた?」


「あ、絵梨ちゃん。うん、大体は決まったよ」


「私も、次のお店行く?」


一先ず、自分達の欲しい水着の方向性やデザインに目星をつけた三人は一旦このショップから離れ、次のショップでお気に入りになりそうなものが無いか見るために移動することにする


スマホで時間を確認してみれば既に店内に足を踏み入れてから30分以上は立っており、大体郁斗が頭の中で立てていた通りの時間が経過していた


如何に厳選して選ぶつもりでいるとは言ってもあまり待たせるのも気の毒だ。特にこの駅ビルでは男子は大層浮くことだろうから人によっては苦痛に感じるかも知れない


「ごめんごめん、ちょっとまたせ、た……?」


そういったことを考慮して少し早足で郁斗を待たせている辺りまで足を運ぶと


「ねぇねぇ、君この辺りの子?」


「暇ならお姉さん達とお茶しない?奢るからさ」


「いや、一緒に買い物に来ている子がいるんでちょっと……」


「良いじゃん良いじゃん、こんなところで待たせてるんだからちょっと連絡すればバレないって、ね?」


「こんなイケメン君誘っておいてほったらかしにする子よりもお姉さんたちとお茶してた方が楽しいよ?」


20代くらいと思われる若い女性二人に逆ナンされてしどろもどろになっている郁斗の姿がそこにはあった



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