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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
変化の先の日常
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水着選び

そのままホームに出てやって来た電車に乗り込み、片道約20分程度で4人は仙台駅に到着する


「あー、やっぱおっきな駅だと冷房もしっかり効いてるよねぇ」


「代わりに常に人でごった返してるけどな。で?水着は何処で買うんだ?俺は流石に野郎だからその辺は任せるぞ」


「この時期なら駅ビルのエルパルやパスコの中に水着ショップが結構出ているんです。そこを何軒か回ろうかな、と」


「あれだったら郁斗は何処かぶらついててもいいけど……?」


どうする?という悠の視線に郁斗は気にするなと首を振ってこたえ、着いて行くことにする


「流石に二度も同じ場所で、なんてのは無いと思うし、人気のないとこに行かなければこの前みたいなこともないだろうが、万が一を考えるとな」


「うーん、分かった。こっちも出来るだけ早く終わるようにはする」


「んじゃ早速行こ―!!」


そうしてくれと郁斗が答えたところでうずうずとしていた絵梨が音頭をとって一番近場のショップへとずんどこと進んでいく


慌てて桃が追いかけるが、絵梨の身長だとこの人混みでも頭が出ているので余程遠くに行かな限りは見失うことはなさそうだった


「つまんなかったらその辺ぶらついてても良いからね?」


「気を使わなくて良いっての。何かあったら嫌なのは事実だし、まぁなんだお代は目の保養ってことで」


「アホ」


そんなこんなで二人も先を行く絵梨と桃を追いかけて駅構内から直結している駅ビルへと向かう

ショップの種類はやはり基本は女子向けのアパレルショップばかりだ


時折メンズも取り扱う店や雑貨を取り扱う店もあるが数は全体の1~2割程度だろう

駅ビルと言うのは基本的にその地域に住むお洒落な女子のメッカなのだ


そんなお洒落女子のメッカの一角に目的の一つである水着を取り扱うショップが期間限定で出店していた


「流石に俺はここまでだな。困ったことがあったら店員さんに聞けよ」


「一応下調べはしてるし、お母さんにも聞いたから多分大丈夫。じゃ、何かあったら呼ぶから」


流石の郁斗も女性水着ばかりがズラリと並ぶ店内へと足を踏み込む度胸は無いらしく、店の敷地の一歩手前で立ち止まって悠を店内へと送り出す


悠としても初めて来る女性水着のショップに若干気圧されるが既にランジェリーショップを経験済みなのでそれに比べれば水着なら平気平気と腹に決めて店内へと入って行く


「さて、どうやって暇を潰すかね」


正味30分以上は戻ってこないことを覚悟し、何で時間を潰そうかと考えた郁斗だったが生憎携帯を弄る位しか思いつくものはなく、根気がいるなと悠に悟られぬようにするのだった




悠の方も初めての水着ショップで四苦八苦しつつも、自前で仕入れた知識や情報を下に自分に合いそうな水着を手早く数着手に取っていた


「お、悠もう水着選んだの?」


「うーん、決めた訳じゃないけど待たせるのも悪いし、出来るだけパパッと選ぼうかなって」


「えー、ダメダメ。待たせてるならそれこそかんっぺきに似合う水着着て喜ばせてあげなきゃ」


「そ、そうかな?」


「そうだよ!!とりあえずで選ぶよりまずは探しに探してこれだ!!ってくるやつにしなきゃ」


待っている郁斗に配慮するならそれこそじっくり選ばないといけないと絵梨に諭された悠も言い分を聞いている内に確かに一理あるなと思い出す


こればかりは考え方の違い、と言うやつなのだろうが待たせているから速くしなきゃいけないと考える人と、待たせているからには絶対に似合う一着を選ぼうとするのは両者に確かな理由があるので一長一短と言うやつだろう


郁斗のようなタイプは待つならとびっきり着飾ってくれた方が喜ぶような気が悠はした




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