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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
変化の先の日常
33/206

結成!!仲良し三人娘

「HET、Mr.間」


「綴り間違ってんぞ」


今日も授業を特に報告することなく終わらせて後は帰宅するだけとなった悠たちの下に巨体の不思議ちゃん絵梨が現れる


彼女は悠たちとは家の方向が逆方向な上に電車通学、駅からは自転車なので基本的に悠たちとは帰りは別行動になる


そんな彼女が珍しく帰りに話しかけて来たという事は何か要件があるのだろう

幾ら不思議ちゃんでも帰り際くらいは部活が無いのならさっさと帰りたがるものではないだろうか


因みに絵梨はその体格の大きさから様々な運動部に勧誘されたが本人は部活に入っていない

全く以て先程の下りは意味がない


「まぁ、そんな細かいことはほっといてだね。ちょーと勉強教えてほしいんだよね。いやー、英語も数学も国語も社会も苦手で」


「全部じゃねぇか」


郁斗の突っ込みを華麗(豪快)にスルーしつつ、絵梨は手を合わせて悠に頼みこむ

悠は困り顔で答えるしかない


「いや、私もそんなに勉強出来る訳じゃ無いんだよ?」


「えっ?勉強できる顔してたから出来ると思ってたのにバカだったのか?!!」


「郁斗、殴ってもいいかな」


「俺なら殴る」


割と強めの腹パンにのたうち回る絵梨は放っておいて、実際そんなに成績良好と言うわけではない悠はどのみち郁斗に勉強を教えてもらうつもりであったのだが、そんなことを此処で言ったらまた騒ぎになりそうな気がして、正直喋りたくない


「もしかして、悠ちゃん郁斗君に教えてもらう予定。だったり」


「うぐっ」


と思っていたら見事に桃に言い当てられた

何かと感の良い子で隠しごとや誤魔化したことに関しては結構グイグイ来ることの多い子だと最近分かったが別に悪い子では無いし、悪気がある訳でもない


そういうことに敏感で気になってしまう、程度の事だと悠は思っていた


「む、間。また悠を独り占めする気か」


「だから違うっての、なんでお前は悠が絡むとそうもうるさいんだ」


どうにもしつこい絵梨に頭を抱えるがどうしようもないので半分は匙を投げている

面倒な時は悠にブン投げる手もあるのでのらりくらりと躱していきたいものだ


「あー、悠。こいつうるさいから一緒にやるぞ。ついでだ、小高も来てくれ。結構頭いい方だろ?」


「えっ、あ、ハイ良いですけど何処でやります?」


仕方なく絵梨も交えた勉強会にすることにすると郁斗はついでとばかりに桃にも声を掛ける

郁斗と悠だけなら教える側が一人で良いが、絵梨が来るとなると教える側が一人では恐らく足りないし、絵梨を抑えきれる自信が無い


それなら桃も交えてやってしまった方が効率は良いだろう

問題は桃の指摘した通り場所だ


悠、郁斗、桃なら三人の内のどれかで良いだろうが、絵梨がいるとなるとそうはいかない

そもそもに悠たちの家は学校から歩いて30分の距離だ

自転車なら15分程度で着くだろうが、学校から駅まではこれまた自転車で30分の距離にある


合計して自転車で約45分。四捨五入の感覚で言えば一時間かかると言っていいだろう

その距離を移動させるのは流石に憚られた


「学校の図書室は?」


「あそこは司書さんが戸締りしてるから放課後は16時には閉まっちゃうんだ。全然勉強できないと思うよ」


現在時刻は15時過ぎ。50分程度では期末テストの勉強には心もとない時間だ

それこそ自宅で数時間自室にこもっていた方が効率は良いだろう


かと言って教室では先生方に早く帰るように促されてしまう


何とも都合のいい場所が思い浮かばないでいると


「私立図書館で良いじゃん」


「ん?」


意外なところからその答えは導き出されたのであった



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