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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
気付き始めた心と身体
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修行、邂逅、三度


後日、改めていつもの修練場に集まった5人は今回の件についての反省会と、分かった点、改善点などなどについてのブリーフィングを行った


主に上がったのは反省点、改善点は以下の通り


悠の武器携行方法

連絡手段の常時携行

より率先した情報収集

戦闘フィールド展開用の術式の簡略化と発動時間の短縮


特に、悠の武器になる木刀、或いはそれ変わる武器の携行方法と、香による戦闘用フィールドに関する事柄は急務として、早期に何らかの形で改善する方向で話が纏まった


とは言え、武器の携行に関しては現状では良案は出ず。香達に頭を捻ってもらうことになる

【霊衣】に組み込めないか、という郁斗の意見もあったが、あれは魔力や妖力で着用している衣服を変化させ、強化している物との事で、防具はともかく武器に関してはキャパシティ的にも、原理的にも難しいとの事だった


戦闘フィールドに関しては、香がしばらく掛かりっきりになって改善すると言う。どのくらい掛かるかは香の努力次第ではあるが、こちらはまだ見通しが有りそうなだけ良い方だ



今回の戦闘で分かった点、或いは浮かび上がった疑問点としては郁斗が挙げた、死霊術師がそもそもに何を目的として活動をしているのかが、今のところ全くの不明瞭で要領を得ないのではないか、という指摘だった


確かに、かの死霊術師は当初はそれこそ物珍しさに、絵梨の読心能力を欲して接触を試みたのだろうが、考えて見ればこれに固執する必要は無いのである


『審判』の目的は世界の破壊である。別にその世界で珍しい能力を集めることではない

確かに、審判としても、死霊術師としても、絵梨の読心能力は喉から手が出る程に欲しい能力ではある


ただし、そのガードに香と照が回ったのである


彼女達は既に幾つかの世界で審判の撃退と討伐に成功している。その戦闘能力の高さは、死霊術師も知っている様子であったし、実績がある以上は相手にとっては天敵のような存在である


それを相手取ってまで、わざわざ読心能力に固執するかと言われると、とてもじゃないがハイリスクローリターンと言わざるを得ないのではないか


そう指摘する郁斗に、過去に審判を撃退したことのある二人が確かに、と頷いた


過去に対峙した審判の連中は、どれも驚異的な武力等で世界を蹂躙し、世界に有るはずだったモノが一切合切を無に帰してしまう事で、世界を破壊、滅ぼそうとしていた


それが、この世界は平和そのものだ。戦争は確かに紛争地域等で絶え間なく起こっているが、それが世界を蹂躙するほどの大事件に発展するとは、今のところ思えない


仮に裏でこそこそやるつもりなら、悠達に接触し過ぎている


まるで、こちらを引っかき回すのを楽しんでいるかのようだ。あの、見た目にそぐわない笑い声も含めて



また、例の男に関しても、今回の件で敵と見るのか、味方と見るのか、更に分からなくなった

敵対していると判断するには、あまりにも攻撃性や敵対性が見られない


味方と判断するには、悠の件もある上に目的を頑なに語らないので信用が出来ない


「めんどくさいわね。とっとと出て来てぶん殴らせてくれないかしら」


「お主がそこで匙を投げると全部が取っ散らかるから止めるのじゃぞ」


ブリーフィングが終わりかけた頃、頭が痛そうに目頭を揉む香を照が窘めると言う、普段とは逆の光景を目にし、悠達は苦笑いだ


「ぶん殴って終わり、じゃないよなぁ。絶対」


「私もそう思う」


「そんな簡単な話じゃ、ないもんね」


山積する問題と疑問、止める訳にも行かない修行と、絵梨の心身のサポートなどなど、考えることもやることも大量にある中、驚天動地の大事件が連発した夏休みが終わろうとしていた


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