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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
気付き始めた心と身体
129/206

のろい


「そういえば、引っ越しの方は手伝わなくて大丈夫なのか?」


変わらずクッションを枕に床に寝そべる郁斗は今回の引っ越しの当事者である絵梨が引っ越し作業を手伝っていないことを聞く


異世界から来たという香と照は恐らく身一つで来ているため荷物という荷物はないだろうし、彼女達の扱う魔法に収納魔法的な便利魔法がありそうなものだが、絵梨はあくまで異能力をもった一般人でしかない


「その辺は魔法のプロフェッショナルの香さんがちょちょいのちょいでどうにかしてくれるってさ。どっちかと言うとこの二日間は新しく住むところに色々仕掛けておくための準備だって言ってた」


ではどうするのかと思ったら引っ越しに必要な時間とそのものがフェイクであり、実際は新しく住む貸家に結界等の様々な術や仕掛けを施すための準備期間らしい


絵梨は詳しい事を聞いてもチンプンカンプンであるし、悠や郁斗が聞いても専門用語が飛び交う難しい話になるのは目に見えているのでその件についてはなるほどな、と黙って納得することにした


「と言うかさ、今日から仙台七夕まつりだけど二人はどうする?」


「あれ、もうそんな時期だっけ?最近色々あり過ぎて頭の中からすっぽ抜けてたよ」


「そもそもに時間が取れなさそうだと思ってたからな。香さん達が言ってた訓練も引っ越しが終わったら始まるだろ?」


8月の6日7日8日は全国的にも有名な仙台の七夕祭りがおこなわれる3日間


以前悠達も足を運んだ仙台駅前の商店街、クリスロードなどのアーケード街に大きな七夕飾りが華々しく飾り付けられ、多くの地元民と観光客で賑わう夏祭りだ


屋台などが道の両脇を連ねるような典型的な夏祭りではないが、とにかく大きな七夕飾りが所狭しと並ぶさまは仙台の夏の風物詩と呼んで差支えのない


そんな仙台七夕まつりに気軽に足を運べる圏内にいる悠たちは最近の出来事のインパクトが強すぎてすっかりその事が頭から抜けてしまっていた


「えー、じゃあ行かないの?折角のお祭りなのにさー」


「とは言ってもだな、お前のこともあるだろ?そんな簡単に人混みの中に連れてくのも香さん達がオーケーを出してくれるとは……」


駄々をこねる絵梨に悠も郁斗も困ったように笑うしかない。彼女の安全を考えればそう簡単に人の多い祭りに連れて行くのは危険な行為だと思えた上に、あくまで彼女の保護監督者は香たちだ


自分達で決める訳にはいかないよなぁ、と二人が頭を悩ませていると


「悠ちゃーん、絵梨ちゃーん、郁斗くーん。香さんが来てるわよー」


階下から3人を呼ぶ桜の間延びした声が聞こえてくる

しかもやって来たのは香だと言う


各々のクエスチョンマークを頭に浮かべながら、のそのそと呼ばれるがままに部屋を出てみると


「遊びに行くぞ!!」


玄関には浴衣をしっかり着込んだ香と照が3人分の浴衣を軽々と手に掲げて、それはもうハイテンションで3人を遊びに誘っていた


「「「えぇ……」」」


思わず口を揃えて漏れてしまった落胆の様な、なんだかよく分からない感情のままそれぞれ肩を落としたり、項垂れたり、天を仰いだりしていた


「大きな夏祭りがやってるのじゃろう?折角じゃ、地元の者に案内してもらおうと思ってな」


「浴衣とか着るの久々だし、3人の分も買って来たからほら早く早く」


「あらあらよろしいんですか?こんな良さそうな物を……」


「代わりに娘さん達をお借りするという事で是非是非」


3人が危惧していた危険性など何処へやら、全くそんな気負いを見せない大人たちにそれで良いのかと問いたいがきっと彼女達が言うのだから大丈夫なのだろう


そう言い聞かせて階段を下りて行くと、話を聞いていた桜が香の持っている浴衣がわざわざ買って来たものだと聞いて良いのかと心配そうに聞くが、香はその辺りは全く意に介してない様子


後でお礼を差し上げますねと桜が浴衣を受け取ると悠と絵梨の二人を手招きして呼び寄せる


「折角良い浴衣を頂いたんだし、行ってらっしゃい。着付けなら私がやってあげるから。郁斗君は豪さんにお願いしてね。ほらこっちにいらっしゃい」


あれよこれよ話が進むと3人は浴衣の着付けの為に部屋に通されるのだった



パソコンが壊れちゃったので明後日から投稿が数日滞ります……


読んでくださってる読者の方、申し訳ないです……


頑張って修理します……(多分電源周りが逝きました

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