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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
色んな意味での先輩とダチになりまして。
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色んな意味での先輩とダチになりまして。

メモには観光協会の会長さん紹介の郁斗が示した地域に明るい不動産屋の場所と簡単な地図が示されていた。ご丁寧に最寄りのバス停まで記載されている


「ひったくり犯が早く捕まって欲しいのは会長も同じみたいでね。警察じゃなくても協力できるなら協力する―って張り切ってたわ。連絡もしておくって言ってたからそこに突然言っても話は通じてると思うよ」


「うわぁ、なにからなにまでありがとうございます。あ、最後に一つなんですけど」


話まで通してくれたという会長さんの行動力に感嘆しながらお礼を言ってこれで此処での情報は流石にもう出ないだろう


郁斗が勘づいたこともあるし、次は紹介された不動産屋で郁斗の聞きたいことを聞くだけ


「温泉饅頭二つ、良いですか?」


「まいど~」


勿論、捜査協力してくれたおばさんに品物の購入と言う形でお礼をするのを郁己は忘れなかった








「さてと、じゃあ郁斗君の推理を聞こうじゃないか」


「推理と言って良いのか分からないですけどね」


不動産屋にも行き、仕事の邪魔にもなってはいけないので手短に必要な情報を郁己に聞き出してもらった二人は先程まで勇と悠も伴って来ていたお土産屋の二階にあるカフェに来ていた


早速二枚の地図を広げる。一枚は最初に買った地域マップ。もう一枚は不動産屋から貰った郁斗が指摘した辺りの建物の場所を記した地図だ


「で、なんで逃げた方向を聞いたのか、でしたね」


「そうそう。さっきの話だとわざわざ逃げた方向を聞く理由が分からなくてさ」


そう言って二人はその逃げた方向などが記された地図の方を見る。その地図を見る限りでは逃げた方向に法則性は無いように見えた


「方角的には確かにバラバラです。でもやっぱり引っ掛かったんですよ、なんで真っ直ぐ逃げなかったのか。他のひったくりではどうだったのかまでは知らないですけど、もし必ずUターンしてるならその意味があるし、してないなら、あの時だけちょっとした例外だったって考えられます」


まず見てくださいと郁斗は地図を示す

その指先は日時を追って、動いていき、逃げた方向も書き示しされている


だが、やはり方向はバラバラの様に見えた。そう、方角で言うならば


「先輩、道は必ず京都の道みたいに格子状に組まれている訳じゃないです。緩く90度曲がる道もあれば180度転回する道だってあります。それを考慮して犯人の逃げた方向に道に沿って矢印を伸ばしてみますね」


そう言って、郁斗は手に持ったサインペンで次々と矢印を伸ばしていく。一つ、二つと伸ばしていく内に郁己もおや?と何かに気付いた様にずいっと顔を寄せて地図を覗き込む


やがて、矢印を伸ばし終えた頃には郁斗の言いたいことが分かってきた


「なーる程、確かにこれなら逃げた方向が重要なのも頷けるね。そして悠ちゃんの事件で何でUターンしたのかも」


出来上がった地図の矢印は最終的には閑静な別荘地の中。特にまだ森林が多く残っている未開拓地が多く残っているとある一部の場所に集中して向かっていたのだ


「悠の時は本当は逃げているか、次の獲物を探している最中だったのでしょう。それが偶然道中、良いカモを見つけた」


「さっきも言ったように欲の出た犯人は咄嗟に悠ちゃんからひったくった、と。それでこの先は犯人たちの根城にしている場所に行くには相当な遠回りになるから運転していた奴がその場でUターンする機転を利かせたら勇に襲撃された、と」


悠たちがいた道路の先は完全な峠道で郁斗の推理通りならその場所に戻るまでは相当な遠回りするかUターンするしかない。犯人たちはここでUターンを選択したのだろう、郁斗はそう推理していた


「で?肝心のアジトは何処か目星は付いているのかな?」


「後は簡単です。この地域で怪しそうな建物を見つけるだけ。幸い、このあたりの別荘は殆どが道路に直接面していて外から丸見えか、奥まっていても所有者がちゃんといる別荘が殆どでした」


そうして、今度は不動産屋から貰った建物の地図に聞いた情報をもとにバツ印をつけて行く

この場合、バツの付いた場所はキチンと所有者がいるか、道路に面していて犯罪者が隠れるには適さないモノだ


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