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ウエポンマスター 異世界編  作者: K
拾伍章
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拾伍章─フラグ・破壊者と拾得者─

何なんだ、コイツは。

いや、正確には、何だったんだ、と言っておこう。

いきなり目の前に現れた奴は、物を言う前に前々から仕掛けてあった俺のパワーボム最後の一発と共にいなくなった。

最後の爆弾・・と思って、愛でておこうと思ったのに。

まぁでも、この爆弾学科のエースと呼ばれたこの黒瀬くろせ ひとしの最後の爆弾だ、部屋に危害を与えない上に地雷の上に乗った者だけに効果がある『狙撃弾スナイプボム』は、拡散する筈の爆炎や爆風を一点に集中させる分、威力も高い。人間など一瞬の内に蒸発する。故に今の奴が生きてるか死んでるかも分からないのだが。

準は、中学生の頃からキモヲタと呼ばれ馬鹿にされ、いじめられてきた。ヲタクと言っても別に、エロい事に興味があるわけでもなく、暇に任せてゲームに勤しんでいたら勝手にそう言われるようになっただけだ。

卑屈になった彼は、興味もないネット小説やらネトゲやらをかじり、まぁまぁ知識をつけたものの、何やってんだろと思い気力をなくしていた。

そんな彼に舞い込んできた広告、それが『パワーウエポン科 生徒募集』の広告だった。中学の時進学先を決める参考資料を見ていたらたまたま載っていただけなのだが、これなら自分を変えてくれるかもと思い、工学系であるため比較的楽そうな爆弾学科に入ったのはいいが、頭はいいもののその知識0だった彼には難しく、やっとの思いで先輩達を抜いた頃には他(主にナイフ学科)の生徒達が神襲を終わらせてしまい、もう自分には何もないため最初で最期に作った爆弾を部屋で愛でておこうと思ったのだが、そんな暇さえなくいきなり部屋に入ってきた奴がそれさえも奪い去っていった。

ペアだった後援科の友達は神襲終了と同時に田舎へ帰ってしまった。そのため、今の彼には友達の一人さえいない。

その上に彼は今まさに自分に降ってこようとしていたキモヲタ用に準備された今流行りのフラグを自分自身の手で叩き割ってしまったのである。知らない内に。

準「はぁ…暇だなぁ…フラグでも降ってこないかなぁ…その…『あっ!空から美少女が降ってきた!』的な。」

もう言動はキモヲタに染まっていた。


─代わって、リア充のくせに自動的にフラグを拾得してしまった非リアの敵、健。

健「ってて…」

少年「ここが異世界、『レッドガレスタ王国』だ。楽しみたまえ。」

健「おい、ちょ─」

少年は消えた。

が、何故か声だけはまだ、聞こえる。

少年「やることはまぁ、ネトゲみたいなもんだから、分かるでしょ。最終目的は、王国殲滅。まぁ、王宮の中の奴等を37564ってだけ。」

健「ネトゲって何だ?」

─なんか転けるような音が聞こえた気がする。

少年「まぁいいさ。それは妄想爆発でネトゲにはまりまくってしまった君の友達─」

聡「さーくーらーさーん!!!」

少年「そらきた。んじゃね。」

健「って、お、おい!」

プツン、と何かが切れるような音がして、

聡「なんだぁ、桜さん一緒じゃないのか。」

桜がいないからこそましなものの、めちゃくちゃ鬱陶しい野郎を残して、少年の声は聞こえなくなった。

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