拾七章─準の決意と健のレベル─
準心の声『『闇の底』…?一体どういうことなんだ…』
帰宅途中。準はずっと、先程の会話の内容を反芻していた。
準心の声『あの津田健が、轟桜をそんな危険な香りのする場所に…?何故そんなことを…』
純「まぁ~た怖い顔しちゃってぇ~。何考えてんの?Hなコト?」
準「ンなわけねーだろ!いくらヲタクヲタク言われてても、そこまで堕ちちゃいねーよ!」
純「そーぉ?でも準君、昼休みに屋上に行ってからというもの、授業中もず~っとそんな顔してたよ。まるで心、ここに非ずって感じ。」
準「だろうな。難し~いコト考えてたし?」
純「どんなコトよ。」
準「教えるかよ。」
純「義務。教える。」
準「やなこった。」
純「なんですってぇ~」
準「口が裂けても教えるか~い!」
そう言って走り出す。
純「あっコラ、待ちなさ~い!」
俺だったら、ないな。
俺は純を、危険なことには巻き込めない気がする。
奴と違って戦場を経験したことなんてないから断言はできないが、それだけは言える。
第一、俺は後援科であって戦闘科ではないから、極端な話戦えないから参加する必要性がない。
だが、同じパワーウエポン科として、俺は津田健を許すわけにはいかない。
立ち止まった。
純「何ニヤニヤしちゃってんのよ~ぉ。」
駆け寄ってきて、少々息を切らしながら、話しかけてくる。
準「うん?あぁいや、ちょっとな。」
純「あぁっ!わかったぁ!」
準「へ?」
─誤魔化さなければ。まさかここであっさり巻き込むわけには─
純「告られちゃったんでしょう!」
準「…はいぃ?」
純「だって屋上とか、体育館裏に並ぶ告白の聖地だし!」
準「んなわけねーだろ。俺は世間じゃ『キモヲタ』だぜ?誰がそんな奴に─」
純「わっかんないよぉ?もしかしたらそう思ってると見せかけて、実は陰でめっちゃ尊敬してたりして!」
準「何か、逆も嫌だが、それもそれで嫌だな。」
純「いやぁ、案外分かんないよ?もしかしたら本当にそうかもね!」
準「ハハ…」
本当に、コイツは。
俺をものの見事に、励ましてくれやがる。
準「何か、元気出た。ありがとな。」
純「へっ…」
白山の顔が、一瞬赤くなった気がして、
純「べっ別に、大したこと、ないよ。(小声)私もそう思ってる、一人だし。」
準「へ?最後の方、ちょっと聞き取りにくかっ─」
純「さぁ今日こそ、準君家に泊まるぞぉ!」
準「あぁっちょっ、待てっ、おい!」
結局、準達二人には、もう慣れた『日常』が、ただ流れていくのだった─
健「はい、20連勝!」
健達は、どんどん怪物達と戦い、調子を上げていった。
健「そういえばこの、武器に書かれてる『レベル』っての、何なんだ?」
アレシア「知らないのか?それが上がると、体力や魔力が上昇していく、言わば強さを判断する基準だ。」
健「ふーん…じゃあ、俺の強さレベルは100ってわけか。」
皆「…!?」
優「おっおい、お前、まさか鯖読んでるんじゃ…」
健「はぁ?ンじゃあ見てみろよ。ほれ。」
流「嘘!?」
聡「ホントに、レベル100だ…」
アレシア「何を驚いているんだ。私のレベルは、250だぞ?」
…うん。それはしょうがない。この世界に何年もいる奴が、ここに来て一週間経たない奴にレベルで負けてたらちょっと怖い。
アレシア「少なくともコイツは私より強いのだから、むしろ低い方…?低すぎじゃないか?」
健「あぁ、そりゃそうさ。だって俺はまだ─」
聡「ちっちゃい頃から木登りとかしてたからすばしっこいだけで、戦闘はぜんっぜんしてないからな!」
健「そりゃあ木登りはしてたけど、戦闘─」
優「戦闘のために、腕立てとかしてたから、パワーもあるし!」
健「実際に戦闘─」
宰「夢の国にある『戦島』ってところに行きたい、とかちっちゃい頃はよく言ってましたねぇ!」
健「はぁ?『戦島』は実際に─」
調「津田くんはドジで間抜けですから、実際にあると思い込んでたんですよねぇ!」
健「ンだと─」
明「そうそう!間抜けすぎて自分の部屋を武器庫とかにしちゃったもんだから、桜も呆れて一緒に住まわせてやったり─」
優「また地雷踏んでんじゃねぇ!」
アレシア「何の話をしているのだ?ほら早く行くぞ。」
?「どこへだ。」
アレシアが振り返ると、見覚えのある女が立っていた。
アレシア「どこへって、『仁─」
優「誰だ!?」
?「私は『仁技体学団』の第一班長、デミリア・グレスタフだ!」




