拾伍章─空き巣は有名人?─
登校中、電気屋の前を通り掛かっていた。
篝「変な話ですよねー。」
菫「何が?」
篝「だって、何の連絡もなしに、まーだ帰ってこないんですよ?」
一「もし本当にバカンスだったとしても、変な話だよなぁ。」
菫「そういえば、朝のニュースでも─」
アナウンサー「次のニュースです。
ここ数日、世界を救ったパワーウエポン科の生徒たちが、行方不明になっているそうで─」
教室に着くと、ナイフ戦闘科の親衛隊達が、テレビのニュースを見ながら泣き叫んでいた。
女生徒「健様ァっ!何処へ行かれたのですかぁっ!」
─いつの時代だよ。
アナウンサー「では、ナイフ戦闘科・津田健君が、最後にインタビューに答えたときの映像を、ご覧いただきましょう。」
健「いやぁ、こういうのは苦手で─」
準「…!?」
純「どうしたの、怖い顔しちゃってぇ。
あっ、もしかして、妬いてんのかなぁ?彼、モッテモテだからぁ。」
準「…こ、こいつだよ。」
純「何がぁ?」
準「電話に出たの、こいつだ!」
アレシア「─そして、その場所を出て北進するとここに戻ってくる。以上が、今回の旅路だ。
し執事「では出発予定時刻までまだ間がありますし、ご自分の部屋で準備をされてください。整いましたら、皆さんで武器の調達を。」
お開きになった。
健は自分の部屋へと戻り、支度を始めた。
─っと、また電話がかかってきた。
昔の電話は、番号が出てこないのが不便だ。
健「はい、もしもし?」
「うわぁ、本物だぁ。」
純「ホントに出たよ、津田健が!」
準「だろ?だから言ったろ、こいつだって。」
純「でも変ねぇ、彼は昨日、家に帰ったときには既に行方を眩ませていたはずよ。」
健「あのぉ、ドチラサマデショウカ」
純「…随分と片言ね。」
健「いやぁちょっと、俺こういうの苦手で…」
準がスピーカーボタンを押す。
準「人ん家に勝手に上がり込んで、自分の電番残しといて『どちら様ですか?』とは、なかなかいい度胸だな。」
健「っ、その声は、間違い電話野郎ッ!」
準「だが間違いではなかった。こうしてまた、君が電話に出たのだから。」
健「俺が自分の部屋の電話に出て、何が悪い!」
準「自分の部屋?何を言ってるんだ?」
健「何もおかしなことは言ってねぇけど。」
準「─え?」
健「だから、間違い電話だって言ってんだろ?」
コンコン
優「おーい健、武器買いに行くぞー。」
健「分かった。」
「何独り言─」
健「独り言じゃねぇ。返事しただけだ。んじゃ、俺忙しいから、この電話にはもう当分、出ないと思うぜ。んじゃな!」
健は電話を切り、荷物を持ってドアを閉めた。




