そもそも私という女の子は
拙い文章ですがよろしくお願いします。
そもそも私は女子高生、もうすぐ大人だ。
もう結婚できる年齢であるし、化粧だってお手の物だ。だから怖いなんて他の人に言えない。それがたとえ両親だとしてもだ。ただしイケメンには弱いところを見せてか弱い女アピールする。
まあ、それこそネットで呟けば頭の中がお花畑の男か、頭の上焼け野原の男が食いついてくるかもしれないが、そんなことしても相手をするのに疲れるだけだ。
そんなことしてる暇は女子高生には……少なくとも私にはない! それよりも私は女の敵を作らないようにコミュニケーションを取らなければならない。彼氏なんてできたら良い的だ。もしも彼氏を作るなら絶対イケメンに限る。……それも優しく目薬をさしてくれるような人。
イケメンにだったら『目薬怖くてさせないんですぅ〜〜』と上目づかいで誘惑するまである。
そうだ、妄想だ。
そういえば私のクラスの下位カーストにオタ女のグループがいる。何度か話を盗み聞きしたことがあったけど、なんか『妄想は次元を超えるっ』とかなんとか言っていた。……あれ? 私って性格悪い? そういえばお兄ちゃんに言わせれば私は『隠れサディスティック』でなかなか表に出ない分、タチが悪いらしい。私はまあ……少しは自覚している。
ちなみに〝お兄ちゃん〟というのは、そう呼んでほしいと頼まれたからだ。
キモッとは思ったが毎月千円くれるので仕方なくそう呼ぶ。
前にそのことをネットで呟いたら見知らぬ男の人から『兄グッジョブ』という返信が返ってきたことがあった。キモッ。
などと知らず知らずのうちにか弱い私の心が目薬から話を逸らそうとしていた。
紆余曲折はしたが、ここで二つの選択肢が生まれた。
一 諦める
二 妄想
人に頼むのは論外、学校では姉的な地位にいる私の沽券にかかわる。
諦めるを選んだ場合、目薬代の千円が無駄になり、目つきも悪く、目を癒す手段が無くなる。
妄想を選んだ場合…………妄想ってなにを? いやいや、結構あるでしょ……えーと、目薬がイケメンとか……それだと目薬にさされるってなんか卑猥な感じになっちゃうし、冷静に考えたらイケメンにさしてもらうにしても怖いものは怖いし……
結局自力でさす、という急遽できた三になった。
三という選択肢を選んで一時間。
ようやく私は目薬のキャップを開けることに成功。
あとは目にさすだけとなった。
「いっ……いくよ……!」
自分に言い聞かせて思いっきり頭を仰け反らせる。
↓
そして目薬を天高く上へ
↓
零れ落ちる薬液
↓
思いっきり目を瞑ってる私
↓
そして変なところに落ちた薬液をティッシュで拭き取る←今ここ
そう、あと一歩。あと一歩足りないんだよね〜。どうしよっか?
うーむ、と深く考えてみる。考える間もなく勇気の問題なのだが、勇気を後押しするものがほしい。
「そうだ、電気消そう」
さっきから上向くと眩しかったんだよね。
さっそく電気を消す。すると真っ暗。もうね、何も見えないね。
かろうじて目薬を手に取り、さっきと同じように上に掲げる。
するとどうだろう。……全く目に落ちない。
鼻、頬、おでこ、しまいには口と全く目に当たらない。
「てゆうか、にがっ! 目薬にがっ!」
私は慌てて自室を出て洗面所に向かう。その時にテーブルの足に小指をぶつけてしまう。
ちょー痛い。痛いっていうか痛っ! て感じ。
もう寝るとき以外に電気は消さない。せっかくマニキュア塗ったのに先端が欠けてしまった。絶対に許さない。
お読みくださりありがとうございました。