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目薬に対するあれやこれ

拙い文章ですがよろしくお願いします。

 私はどこにでもいる高校二年生(可愛いと自分では思ってる)。

 名前は皆瀬みなせ真梨まり。性別は女。

 誕生日は八月十日の真夏。学生であれば夏休み真っ最中だ。そのせいで誕生日を家族以外に祝われたことのない女。そのことに親を呪おうかと本気で考えたことのある女。

 自分で言うのもアレだが体は健康的で胸も同年代の子と比べても大きい。身長は一六○センチちょいという男ウケの体。髪型はブラウンのセミロング、顔だって悪い方ではない。ちなみに学業は悪い方。

 そんな私には昔から疎遠で意識することもなく、だからこそ意識した瞬間に怖くなってしまったものがある。

 

 それは目薬だ。

 

 私にとって目薬は地震、雷、火事、親父といった畏怖のカテゴリーに属している。

 この世に生を受けてからの十七年間、目薬とは無縁の生活を送ってきた。

 そんな私の前に現れた一本の目薬。それはいま自室のテーブルの上に鎮座し、勤めを果たそうとしてるか、一際目立つ存在感を放っている。

 そもそも女子高生の可愛らしい部屋にあんな無機質なものが置いてあったら嫌でも目にはいる。

 ではなぜ私が目薬を畏怖しているのか、それは不安からきている。今は平然と目薬をさしている人だって最初は怖かったはずだ。私の目薬を畏怖する理由はそれだ。一回させば恐怖心は無くなるかも知れない。でもその一回という壁を乗り越えることは容易いことではない。

 元々私は目に何かが入るのは苦手だ。


 水中で目を開ける? ムリムリムリ! 

 

 砂埃が目に入る? 風を操る魔法使いになりたい。 

 

 えっ? コンタクト? 殺す気?

 

 といったような具合だ。

 そんな私がなぜ目薬をさすことになったのか、それは情報化社会と女子高生のしがらみからきている。

 昨今はインターネット、スマートフォンの普及により目の疲れ、肩こりといった現代病を起こす人が続出している。それに加え、女子高生のメール速度はスーパーコンピューターよりも速い。私もその例に漏れず現代病を患ってしまった。肩こりは決して胸のせいではない。

 最近はブルーライトをある程度カットする眼鏡が流行っているようだが、あれは眼鏡をかけたいけどかけれない人の建前だと思っている。アイウェアって言い方もカッコいいから私は重宝している。

 ……話が逸れてしまったが、要するに目が疲れたから目薬さしたい、けど怖いということ。矛盾してるのは重々承知だけどみんなわかってくれるよね。

 最初は『別に目の疲れをとるなら飲み薬でもいいじゃん』と思ったが、私的わたしてきには即効性がなくて意味がなかった。

 その点目薬ならさせばすぐに気持ちよくなるとお父さんが言っていたのでお父さんの言葉を信じることにした(※セクハラではない)。

 結果はこの通りだけどさ。

 そして結論。

 

 ――目薬は怖い。


 と、ここで終わってはいけない。

 私はまだ目的を果たしていない。そう、目薬をさしていない。わざわざドラッグストアで一番効くのを千円もはたいて買ったのだ、ささねば。

 とりあえず私は目薬に対峙し見据える。

 ……とりあえず写真撮ってネットにアップしよ。

 私はギラッギラに輝く『ちょっとやり過ぎちゃったかな』を代表するようなデコレーションスマホ(ストラップこれでもか付き)で写真を一枚撮る。……このスマホ重いんだけど。

 撮った写真が少し傾いてるのはご愛嬌。あとは絵文字顔文字をふんだんに使って文字を打ち込めば完成。これを親の前でやると『指つらないの?』とか『打つの速いね〜』と言われるがタイピングを使えば私の三分の一くらいの速さにはなると思う。


 さて、もうやることがなくなっていた。正確にいえば目薬を(﹅﹅﹅)さすことから(﹅﹅﹅﹅﹅﹅)逃げる方法(﹅﹅﹅﹅﹅)がなくなっていた。

「どうしようか……」

 そこにはまだ逃げ道を探している私がいた。

 ささなくてもいいかな? 別に今は目が疲れてない気がする……気のせいか。

 ささなくてもいいかな? 別に目の疲れくらい我慢できるし……私いま目つき超悪くない?

 今の私、自問自答してるイタイ奴じゃない? その通り! ……いやマジで。

 

お読みくださりありがとうございます。


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