白雪姫
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血
骨を砕くような鈍い音。血飛沫の色。シャンプーの香り。鉄の香り。君の香り。
コンクリートに敷き積もった柔らかい雪は、鮮紅色に染め上がっていく。
「あぁ……アァ…阿々……うわaaa『アッキー!アッキー!』
「アッキー!起きてー!もう日が暮れちゃうよ?」
押し迫るパイオツ。2つの豊潤な果実の誘惑で、僕は我に還る。
なんだか長い夢を見ていた気がする――
「おはよう。おっぱ……いや、茜」
「……」
あれー?おかしいなぁー。返事がない。
僕は、先ほどまで何をしていたかというと、茜と勉強をしていた。それを、サボって寝ていたのだから怒っているのか。しかも、起きて早々おっぱいばかり見ているのだから激おこぷんぷん丸だろう。
そんなことを推測しながら、弁解の言葉を必死に絞り出そうとする。
「茜といるから安心して寝ちゃってたよー……ごめん」
「なんで、泣いているの?」
なんとなんと、そこで返ってきたのは、予想外の言葉だった。もう僕の寝起きの頭は、オーバーヒート寸前だ。
僕は、まだ覚めない隻眼の瞳を拭う。
確かにそこには、鼻血ではない何かが流れていた――