表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「君に会えるのなら、全ての色を消そう」

恋をした。





女の子のように綺麗な男の子。

初めて「美少年」という言葉を覚えた日。



遠い国に住んでいる。

私と違う言葉を話す。

彼が見る景色を私が見ることがないように、

彼もまた私が見ている景色を見ることはない。



こうして私が小学校への長い道を歩いている時、

あの男の子は何をしているのだろう。

両親がいて、先生がいて、友達がいて、

それから、好きな女の子もいるのかな。



お小遣いを小さなお財布に入れて、

あの日、あの男の子と出会った映画館に向かった。

もう一度、あの男の子に会いたい。



チケット売り場。

あの男の子に会えるのは今日までなのに、

持ってきたお金ではチケットの値段には届かなかった。



大きな映画のポスター。

私はそれを少し離れたところから見つめていた。

もう会えない、もう会えない。

悲しくて、淋しくて、一歩も動けずに閉館の時間まで立ち尽くした。



男の子の顔が段々ぼやけていく。

さっきまで、くっきり思い描くことが出来たのに、どんどん消えていく。

新しい記憶が書き込まれて、どんどん消えていく。

消えないで、目を閉じて何も見なければ、また会えるよね?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ