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童話と詩作と物語

GANKOオヤジ vs ラーメンジャー!

作者: 辻堂安古市
掲載日:2026/03/11

【注】


 言うまでもなく、このお話はあくまでもフィクションです。


 が、麺の硬さなどお店に注意書きがある場合はありますので、ちゃんと読んで注文しましょう。

 スープから飲まなくても紅ショウガ残しても怒られません。…多分。


 当然マスクは取られません。

 「HAKATA」は修羅の国ですが「博多」は大丈夫です。


 個人的には1000円近くするラーメン屋より300円前後の激安ラーメン屋の方が好きです。







 とある国のとある都市、「HAKATA」。




 そこは豚骨ラーメンの聖地であり激戦地。

 昼夜を問わず「人VS店」「店VS店」の熱いバトルが繰り広げられる「修羅の国」である。


 その「HAKATA」で、歴戦のラーメン通やフーディー達から「難攻不落」「当代無双」と称される店がある。


 店構えは極めてフツー。看板もなくのれんにはただ「ラーメン」と書かれているだけ。ガタピシいう引き戸を開けて中に入れば、カウンター席と4人掛け、2人掛けの席が数席ある、特にこれといった特徴もない店だ。



 ラーメン屋で「難攻不落」などと言われてもなんのことだかサッパリわからぬが、とにかく名だたる猛者をことごとく撃破していくこの店。撃破された者も、またそうでない者も多くを語ろうとしないが故に、憶測は憶測を呼ぶ。




 その店に今、満を持して立ち向かおうとする者たちが現れた!



「ふっ……この店が噂の店か」

「ああ、そのようだな レッド!」





「あ!あれは!」


「あの5人組は!」

「名だたるラーメン屋を歩き渡り、今やアドバイザーとしても名をはせている…!」



「「「ラーメンジャーだー!」」」



「うぉぉぉぉぉぉ!」

「ついにキター!」

「いけー!ラーメンジャー!」

「拡散しとけ拡散!」




 その場にまるで似つかわしくない5色のピッチリスーツとマスクに身を包んだ5人組。彼らこそが飛ぶ鳥をも落とす勢いでラーメン界隈を席巻しているヒーロー、「ラーメンジャー」なのだ! その彼らがレビューした店は必ず繁盛するとまで言われるほどの影響力を持っている!



 ちなみに「マスクしててどうやって食べるの?」とかツッコんではいけない。










【─── FIGHT‼ ───】






 では、ここからは実況生放送でお送りしたいと思います!


 さぁー今、難攻不落・当代無双とまで呼ばれている伝説のラーメン屋にラーメンジャーが戦いを挑もうとしております!店主はどう迎え撃つのか、この店が「伝説」とまで言われている苑の理由がどこにあるのか、その戦いの行方に現地のギャラリーも注目しております!



「ごめんくださーい。5人いいですかー?」



 おおっと!フツー!きわめてフツーに入店したぁ!



「らっしゃーい!カウンターどうぞー!」



 店主の対応もフツー!フツーだぁ!

 まだこの店に隠された秘密がわからなーい!

 



「注文どうしますかー?」



 さぁ注目のオーダーです!



「じゃあラーメン『湯気通し』で!」

「オレはラーメン『粉落とし』で!」



 おおっとー!ここでレッドは『湯気通し』、ブルーは『粉落とし』を注文ー!HAKATAでは「麺がカタければカタイほど通」と言われているが、どちらも5秒にも満たない茹で時間だー!



「あぁん!?なんかきさーん!」



「え?」

「なにぃ!?」



 おっとぉ?店主の態度が一変したぁ!?



「そげなカタさの麵ば食ろうても旨さなんかわかるわけなかろーもん!腹壊すぞ!マスク置いてけい!」


「「マジかぁぁぁぁぁ!!」」

 


 なんとぉー!レッド、ブルー撃沈!通ぶったチョイスが裏目に出たかー!



「だーいたい変な情報ばっか鵜呑みにする『通ぶったヤツら』が多かバイ!そんなヤツらのマスクがこれで997枚目バイ!」



 ここで衝撃の事実が発覚ぅー!なんと店主は撃破した人たちのマスクを集めていたことが判明!てかこの店マスク被った人がそんなに来るのかぁー!?



「はい、じゃあ次の方ご注文どうぞー」



 さあ、残りのラーメンジャーはどうこの難関を潜り抜けるのかー?



「レッドとブルーの仇はオイがとる!『ハリガネ』一杯!」


「そいつもアウトだ!こーのバカチンがぁ!マスク置いてけい!」


「ぐあぁぁぁぁ!」



 あーっとイエローも撃沈ー!

 「ハリガネ」は昔ながらの人間は頼まない模様!

 残りは二人になってしまったぞー!



「あ。壁に貼ってあんじゃん。『バリカタ~ヤワまで選べます』だって。じゃあボクは『カタメン』で」


「私は『フツウ』で」


「あいよぉ!」


 なんとちゃんと麵の硬さについては注意書きが貼ってあったー!ラーメンジャー痛恨のミス発覚!アホだ!アホすぎるぞー!!



「だーいたい最近は通ぶったヤツが店に入るなり注文かましやがってイヤんなるばい。ちゃんと確認してから注文せんにゃあ……ハイお待ちい!ラーメン2丁!」


「おー。じゃあまずはこだわりの麺から!いただきまーす」


 ズルズルー。


「おい待てきさーん!」


「え?」


「まずはスープ!スープを一口飲むのが作法だろうがぁ!!このトーシロめ!」


「し、しまったぁぁぁぁ!」



 なんとここでグリーンも脱落ぅ!

 残すはピンクただ一人ー!



「美味しいですわ、御店主!」


「そうかいそうかい、嬉しい事言ってくれるねえ嬢ちゃん!」



 ピンク順調!店主もまんざらではない顔をしている!これはいったかぁー?



「じゃあ替え玉貰おっかな♡」


「あいよお!替え玉おまちぃ!」


「ふふっやっぱHAKATAと言えばコレよね♡でも紅しょうがはいらないかなー」


「···…ちょい待ちネェチャン!」


「は?」


おっと店主の湯切りの手が止まった!?


「HAKATAで替え玉っちゅうたら紅ショウガたっぷり入れてスープをピンクに染めてこそ通!紅しょうがの無いHAKATAラーメンなん、てっぺんチェリーがないクリームソーダみたいなもんばい!」


「その例えは良くわかるよーなわからないよーな?だいたい最近はチェリーがないクリームソーダも…」


「何やとぉ!そんな事も分からんのならマスク置いてけい!」


「キャーー!」



 あーーっとぉ!

 最後の最後でピンクも撃墜されたぁー!

 これでラーメンジャー全滅!マスクも丁度1000枚目だー!


 伝説のラーメン屋の牙城、崩れず!

 次のチャレンジャーは現れるのかッ!?



 ……ていうか、フツーのラーメン屋ですよね?ここ?



「そうばい?どげかしたんね?」



 い、いえ!何でもございませんっ!

 それでは中継をここで終えたいと思います。


 スタジオさーん!






◇◇◇



「それにしても、なーしてこげなカンタンな作法が守れんとヤツが多くなったかねえ?フツーに来るお客さんはみーんなフツーに食べるとに。あー、シゲさんらっしゃーい!いつものでよかね?あ?ネギ抜きで?しょんなかねえ」




 








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― 新着の感想 ―
豚骨ラーメンは、匂いが、ちょっと。(あ、店主にどやされそうだわ……)
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