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公的資金注入!! 今から手をうてば人口増も夢じゃないッ!??

 昭和一六年(一九四一)一月、来るべき対米英戦争に備えて企画院が人口予測を立てている。昭和一二年(一九三七)時点の出生率を起点として、昭和一〇〇年(二〇二五)までの人口態動を予測したのである。

 これによると日本の人口は、昭和四〇年(一九六五)に一億人を突破、昭和七五年(二〇〇〇)に一億二二七四万人でピークに達したあと減少に転じ、昭和一〇〇年(二〇二五)時点では少子高齢化に苦しんでいると予測されている。


 現実には一億人突破は昭和四二年(一九六七)、ピークは平成二〇年(二〇〇八)で一億二八〇八万人だから、ほとんどピタリ賞といっていい確度であった。

 

 このように人口予測は精度が高く、大きく外れることがない。


 厚労省ホームページによれば、日本の人口は二一〇〇年に五〇〇〇万人を下回るとされており、予測精度からすれば、この数字から大きく外れるということはないだろう。

 人口減少は「定まれる運命」なのである。


 日中戦争、太平洋戦争全期間八年間における三〇〇万人超の大量死を経てもなお、予測と実際の人口態動との間に差はほとんど生じなかった。逆に言えば、仮に今後八年間でプラス三〇〇万人を達成できたとしたも、その程度では人口減の傾向に変化は生じないということだ。人口増などどだい不可能だということがよく分かる。

 

 少子化対策とは、折れ線グラフの下がり幅をいかに緩やかにするかという作業なのである。


 それをあたかも右肩上がりの折れ線を描くことができるかのように騙る政治家の、無知に基づく妄想もしくは票集めのための甘言にミスリードされて、貴重なリソースを少子化対策に注ぎ込んでいるヒマも余力も、もう日本にはさほど残されてはいない。

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