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必見! おっさんが他人を誹謗中傷する理由!!

 SNS上における誹謗中傷の行為者には、比較的社会的地位が高い五十歳代の男性が多いとされる。なんとなく思い当たる節があるので記しておきたい。


 第十四話に記したとおり、現代社会に蔓延する仕事は普遍性に乏しい。普遍性のある仕事で培った、どの業界でも通用するスキルを武器に、個人事業主的にのし上がるのではなく、より多くの時間をひとつの会社組織に差し出すことがサラリーマンの出世モデルだ。


 管理職は組織内における重要ポジションであるから、何か事情があってつとめられなくなれば、誰かが代わりを果たさなければならない。皮肉なことに、重要だからこそ属人性が排され、特定個人である必要性が薄れていくのである。

 同期やライバルよりも多くの時間を差し出して昇進した結果が「別にお前じゃなくていい」。

 おそらく管理職自身も、そんな自分自身の「存在の堪えられない軽さ」を自覚しているのではないか。


 地位が地位だけに、直接的に仕事をして手柄をあげる、といった方法で敬意を集めるわけにももはやいかず、もともとの仕事に普遍性がないものだから、何十年働いたところでスキルなど育まれない。


 敬意を獲得する機会も手段も乏しいなかで、自己肯定感の低い自分と社会的評価の高い何者かとの間でバランスを取ろうと思えば(もちろんすべての五十歳代管理職男性がこのように考えているわけではないが)、取り得る手段はその者に対する誹謗中傷しかない。

「自分が尊敬されていないことは分かった。だからお前も尊敬されるべきではない」

 この理屈である。


 自分を高めるという作業には多大な労力を要する。出世したような人は仕事一筋だっただろうから、高めるといってもなにをどうすれば良いか皆目見当もつかないだろう。出世が「自分を高める」うちに入らないことは、本人がいちばんよく理解しているはずだ。

 しかしスマホひとつあれば手軽に他人を攻撃できるのだから、多大な労力を費やして自分を高めるよりは、他人を誹謗中傷して引きずり下ろすほうがはるかに手っ取り早く、合理的ということになる。

 

 かくのごとくして、比較的社会的地位が高い五十歳代男性がSNS上における攻撃者へと変貌するのである。

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