緊急特別寄稿!! 石破総理退陣!!!
令和七年九月七日、石破総理は退陣を表明した。
政権発足直後の衆院選に引き続いて本年七月に行われた参議院議員選挙でも議席を減らし、民意を得られなかった以上、第一話(石破ざまぁ!? 自民敗れたり)にも記したとおり退陣するのが憲政の常道ではある。
とはいうもののやはり無念を禁じ得ない。
政権発足以降、石破総理の足を終始引っ張り続けたのは旧安倍派の議員だった。巷間語られているとおり、自民党が支持を失った要因に、反日カルトとのつながりや裏金問題、アベノミクスによる極端な円安誘導、それに伴う物価上昇と国民の生活苦があったことは否定できず、これらはすべて旧安倍派に起因する問題であった。いまは亡きその領袖は選挙にめっぽう強く、派閥議員からは文字どおり神のごとくあがめられていた。自分たちの職、ひいては生活に安定をもたらしてくれる存在だったわけだから当然である。
今回の倒閣運動は、旧安倍派の議員が、自分たちに利益をもたらすことができなかったリーダーにノーを突きつけた構図だ。どこまで行っても自分たちのためだけの倒閣運動だったわけである。
家臣団の利益を実現できなかった殿様に反旗を翻した謀反人が、そんな時だけ突然思い出したように民百姓の塗炭を語り出すのと同じで、選挙結果で示された「民意」は、結局石破政権打倒のダシに使われただけだった。石破おろしに利用された国民こそいい面の皮であった。
思えば岸田前総理も、旧安倍派の裏金問題発覚で支持率が急落し、来るべき衆院選での勝ち筋が見とおせなくなったことから総裁選出馬を見送っている。旧安倍派がらみで内閣が交代するのは岸田政権に引き続き連続二例目となる。
なにかにつけ分断があおられがちな世上、聞き手を信頼し対話を重視し、立場を異にする者との溝を埋めるべく努力した石破総理が、こんなつまらない問題のために退陣するのはまことに、まことに惜しい。
参院選での敗北後、党内から退陣論が公然と噴出するなか、「石破やめるな」デモが発生した。
「やめろ」はしょっちゅう耳にするが、「やめるな」はついぞ聞いたことがない。聞けばこれらデモ隊のなかには、左派政党の支持者が多く含まれていたとされる。
石破氏の対話姿勢が、自民党とは立場を異にする層からも信頼され、溝を埋めつつあったなによりの証拠であろう。




