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第5話、要塞道路

要塞道路は都市間をつなぐ唯一の交通手段だ。


名前の通り外壁を分厚い走行で覆い、要所を防衛軍が監視している。


ただし絶対安全というわけではない。


装甲車や装甲バスでしか侵入を許されていないうえ、探索者の護衛が必須となっているのだ。



そんなわけで俺は要塞道路のインターチェンジに来ていた。


到着したころにはすっかり昼になっていた。



ゲートを抜けるとコンテナが積まれた倉庫のようになっていた。


車を停車すると防衛軍の軍人が近寄ってきた。


デカい筋肉によく焼けた肌、そしてスキンヘッドとまさに軍人といったたたずまいの男は、


見た目に反してとても丁寧に聞き取りを始めた。


「お疲れ様です、どちらまで行かれますか?」


「復興都市東京までです」


「なるほど、では探索者ライセンスの提出をお願いします」


「了解です」


探索者ライセンスを確認していると軍人さん顔が急に変わった。


「要塞道路は初めてのご利用ですね」


「はい、、」


大男が真剣な表情見つめてくるのでたじろいでしまう。


「では今から少々お話をさせていただきます。

 

 要塞道路はけっして安全ではありません。


 危険区域を通っていますのでまれにモンスターが侵入しますし、

 防衛軍が到着するのにも時間がかかります。


 ですから走行中は装備を身に着け、ハイウェイラジオをつけておいてください。


 そしてモンスターが侵入した警告がありましたら、


 なるべく近くのパーキングエリアか、インターチェンジまで逃げ込んでください。


 いいですね!!」


「わっ、かりました」


とあまりの迫力に気圧されてしまった。


それを見ると、


「それならばいいです、確認も済みました。良い旅を」


と初めの温和な雰囲気に戻って言った。


装備を着けて座席に座るとどうも違和感を覚えるが仕方ない。


忠告を胸に刻みつつインターチェンジから車を出す。


外に出ると両端を高い壁で囲んだ道路が広がっていた。



***



要塞道路には永延と無機質な外壁が広がっていた。


日光が壁に遮られて妙に薄暗い。


(景色見たかったなー)


と少し残念な気持ちになる。


ハイウェイラジオをつけると、おしゃれな曲がかかっていた。


(ポロン ポロン)


景色とは全く合わないジャズの音色に、ドライブの雰囲気は最悪だ。


「はぁぁ~」


ため息をつきながら車を走らせた。



***



道路が吊り橋に差し掛かる。


重量の問題なのか外壁が無いので、景色が見える。


「すげえぇぇ~」


と思わず声が出る。


そこには水没した街が広がっていた。風化してボロボロのビルが見える。


危険区域に指定され、人間の管理から離れた町の姿は圧巻そのものだ。



急にジャズの音楽が止まった。


<ピィィーーー!!>


とけたたましい音が鳴り、アナウンサーの声が響いく。


「25ブロックの吊り橋付近にモンスターが侵入しました」


「付近にいる車両は大至急、避難してください」


(まじかっ)


最悪だ。まれに侵入するとは聞いていたがよりにもよって今かよ。


車をわきに寄せ要塞道路のサイトを確認する。


「侵入場所はどこかな?」


スマホの画面とにらめっこしながら探す。


25ブロックは大阪東京間に存在していた。


嫌な予感がした。


冷汗がほほをつたう。


(近いっ!!)


近づいてくる気配を感じた。俺の<強化感覚>が危険をだと言ってくる。


「もう逃げれないかな~」


まったく俺の旅は前途多難だな。嫌になる。


生き残れたらお祓いにでもいこう。



そう覚悟を決め装甲車の外へ出た


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