始まりの4人
小説を読んで頂き、ありがとうございます!
目標として、
また一から読み直したくなるような作品
を目指して描いて参ります。
どうぞよろしくお願い致します。
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ーー!! 敵…!!!
攻……!!!
攻撃せよぉ!!!!!
「ギャァ!!」 「アァァ!!!!」「あぁァ!!」
ズガガガガガ!!!!!! 「死にたく…死にたくない」
「オわぁァァ!!?!」
た…助け…!!」 「グアァァ!!」「死ねェ!」
戦争が起きていた。
かつて存在していた世界一の大国と世界二の大国の衝突である。
この物語はそれから300年後の物語である。
幼い茶髪の少年は家の扉を開き、外へと飛び出し一目散に駆け出した。
彼の名前はアルタイル。
行き先は友人と待ち合わせた空き地だ。
俺が最後ならば、そこには3人がいるはずだ。
角を曲がり、通行人を避けて待ちきれないといった様子で彼は駆け出す。
道中、彼の事を知っている人たちがこちらに手を振り挨拶をしているのが見えた。
少年もまた同じように手を振って挨拶を返す。
あの角を曲がれば待ち合わせの空き地だ。
少年は勢いを落としながら角を曲がり友人達に手を挙げ、笑顔を向ける。
空き地には3人の仲間達がいた。
「よう。アルタイル」
「もー遅いのよ!」
「アルタさーん!!」
順にデネブ(男)
銀髪の少年で背が低い。重度のシスコン。
ベガ(女)
茶髪のロングヘアー。伸縮性のある糸の先にゴム球を括り付けた自作の遊具。
こちらで分かりやすく言えばヨーヨーのような物を常に持ち歩く。
レダ(女)
銀髪のロングヘアー。デネブの妹。最近兄がウザい。
そして俺 アルタイル(男)
茶髪の少年。父が軍人で母が騎士。
家系は凄いが、本人はそれほど才がない。
なので、今は軍を引退した父が営む農業を継ぐ為に勉強中。
俺たち四人はいわゆる幼なじみでずっと一緒に生活をしてきてどこに行くのも一緒だった。何をするのも一緒だった。
最高の親友だ。
「今日はお前が最後だな。今日は!俺の勝ちだ」
「引き分けよ。だって私が一位だから」
「なんならデネブ兄さんより私の方が早かった」
他2名からの鋭い指摘を受けたデネブは押し黙ってしまった。
こいつは昔から負けず嫌いだ。
「さ、行こうか。あれを見に!」
アルタイルが駆け出したのを合図に3人も後を追って走り出した。
俺達四人が見たがっているもの。
それは四足歩行型の移動都市 ブラフマーである。
この世界では現在、世界の3割はあの移動都市にあると言われている。
人口や土地という意味ではない。
あの移動都市はまさに世界の中心なのだ。
全世界の最先端技術がそこに集結して全世界から人々が殺到している。
と、いくら都市と言っても移動し続ける都市となると当然土地は限られているので、民間人が生活するスペースはかなり小さいという噂だが。
そして、その常に移動し続けるブラフマーが今日俺達の街の近くを通るかもしれないのだ。
その可能性が低くても高くても見に行く価値はあるだろう!
俺達4人は山を登る。
近くを通るのならば高い所からならきっと見えるはずだ。
遠目になるのも承知の上。
「待て!待てゴラ!アルタ!!」
「おぉ〜、悪い悪い」
気持ちが先走りすぎて3人を置いてきぼりにしているのに気が付いたアルタイルは後ろを振り向き、足を止めた。
しかし振り向いて二人しか付いてきていないことに気がつく。
確かにデネブ、ベガ、レダの3人が付いてきていたはずだが?
少し観察して気が付いた。レダがいない。
俺達3人より少し歳の離れたレダは体力もやや劣る。
加えて背も低く歩幅も短い為、俺達に比べれば足が遅いのだ。
「レダが遅れてるだろ。もう少し後ろを見ろ!」
大のシスコンであるデネブは妹を置いてスタコラと行ってしまった俺を責める。
「悪かった悪かった。……てか、お前もレダが遅れてるの気付いてたなら止まっててやれよ」
「可愛い子にはなんとやらだ。時には手を離すことも重要なんだよ」
ならさっきの説教はなんだったんだよ
「そんなに離れてないでしょ。ここで待ってよーよ」
ベガの予想通り、レダはすぐに姿を見せた。
遠目からでも急ぎ足で登ってきたのが目に見えて分かる。
肩で大きく呼吸をしてなんとか足を運んでいる状態だ。
なんだか足元を滑らせてこけてしまいそう。
「レダー!!置いてっちゃうよー!!駆け足駆け足ー!!」
ベガは口に手を当て、お手製のメガホンを通してレダに悪魔の声援を送る。
あそこから更に追い込むか?
「もう…マジ最ッ悪!!着いて来なかったらよかった…!!」
レダはゼェゼェと息をしながらもなんとか山道を進んで来た。
レダが追いついたあたりで休憩を挟む事にした僕達は少し地面に腰をつける事にした。
「そうだ。今度俺ん家に来いよ!美味い炭酸水置いてあるからよ!!
最近になってやっとあの味が分かってきたんだ」
「バカ。痩せ我慢してんのバレバレなのよ。まだ私達には早いの」
「デネブ兄さんはいつもの甘い水で我慢したら?」
「ガソリンでも飲め」
「うっせぇ!!!俺だけ飲めない訳じゃねぇだろ!!」
「バ!バカ!!デカい声出すな!!耳元で!」
いつものデネブいじりが始まった。俺たちの間ではデネブをおちょくるのが定番の遊びになっている。
本人は心底鬱陶しいと言うが、なんだかんだ毎度毎度ツッコミだけは欠かさないあたり、まんざらでもないのかもしれない。
「デカい声を出すんだな」
!!!!
男の声を聞き、4人は慌ててそちらを見る。
そこには年老いた老人と一回り歳の若い中年の男がいた。
しかし老人の背中には虫のような羽が生え、中年の男の額からは2本の角が生え、その手はまるでトカゲのように醜く変化していた。
どう見ても普通の人間ではない男二人は4人を一瞥して物珍しそうに口を開いた。
「お前ら【カゲロウ】だな?何故ここにいる」
「お、俺達は…その…。ブラフマーを見たくて、ここに」
答えを聞いた中年の男はスッと立ち上がり俺達4人の前に立った。
予想以上に背の高かった男に思わず後ずさってしまう。
「へぇーお前らもブラフマーを、ねぇ」
中年の男はアルタイルの前に立つ。面倒くさそうに。
「うっとうしくてしょうがないな。
いいよな親父」
「んんん?あぁ、…いいんじゃないかい?
それよりも早くこっちに来なさい。直にブラフマーが通るぞ」
「あぁ、わかった」
そう言うと男はアルタイルの腹に膝蹴りをぶち込んだ。
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この世界では大きく分けて二種類の生物がいる。
エボミー カゲロウ
この二種に分類された生物達には完全な上下関係があった。




