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聖女は、捜索する。(2)

教会はもぬけの殻だった。

ミリエルが、毎日きれいに掃除していたはずの礼拝堂が、荒れている。

多分数日帰っていない。

「・・どういうことだ?」

「彼らの泊まっているところは??」

イルディンへの答えは後だ。今は時間が惜しい。

「王宮は嫌だと言われて、王都の西の屋敷に入ってもらったはずだが。」

「テレポートできる?」

「屋敷にか?」

花が頷くと、イルディンは何かを察したらしく、テレポートを発動させる。

吐き気を押さえ込み、フラフラする足で屋敷のベルを鳴らそうとしたとき、向こうからドアが開いて、セリーヌが飛び出してきた。

「セリーヌ?」

セリーヌは花を見とめるとその場に崩れおちる。

「聖女様。お許しください。こんな、ことになるなんてっ!!」

リオンは、合成獣のことを知らない。セリーヌは、ここにいる。花の考えが合っていれば、あと、動いていた可能性があるのは。

「キース様が、神官様を!」

その答えをセリーヌが言った、気がする。

「キースが!・・って、誰?」

「・・通訳の男性、じゃないか?」

イルディンの記憶力に、拍手。

通訳が、中心で動いている?

なんだか、混乱してきたが、手がかりを逃してはいけない。

「セリーヌ。キースはどこ?何が起きているの?」

「キース様は、多分、港の近くに。地下に神官様がいるのを見つけてしまって、キース様を問いただしたら、リオンが王宮に呼ばれていると聞いて、私、あわてて王都に行ったら、リオンからは追い返されて。帰ってきたら誰も!!こんなこと、なんで!!」

セリーヌも混乱しているようだった。

「セリーヌ。あなたは、私から、神官の情報を聞き出したかったのね?」

花は確認する。

「そうです。ごめんなさい。神官様を説得出来れば、聖女様をマドラスにお連れできるのではないかと考えていたのです。でも、キースが、神官様を連れていくと言い出して。」

「何のために?」

「マドラスで、新たに聖女を召還してもらうためです。」

花は、唖然とする。

その可能性を考えたことがなかったからだ。

「そんなことが、可能なの?」

「・・可能かどうか、という質問なら、可能、だな。」

イルディンが答える。

「ただし、二回目の召還は、一回目とは比にならないくらい生命力が削られるときく。血筋のもつ加護がほとんどなく、一般人が召還に挑戦するのと変わらなくなるらしい。」

そんなこと、させられない。

何より。

(私は、ミリエルのたった一人の聖女でありたい。)

花は、その感情に含まれる独占欲を自覚しながら、今は見ないふりをする。

「ミリエルを探しましょう。」

『ポチ。リリー。助けて!!』

『待っていたぞ。主。』

助けをもとめたとたん、一瞬でポチとリリーが出現する。

「こんな時だけ、急に頼ってごめん。みんなにちゃんと謝りにも行けていないのに。」

『頼れと言っているはずだ。契約の意味がないだろう?』

『われらはさいごまであるじとともに、なの!』

ポチとリリーは変わらず花に笑いかける。

状況と捜索を二人に頼み、花はイルディンに、セリーヌも共に王都近くにテレポートしてもらう。

「全く、休まらん。」

イルディンは、ぶつぶつ言いながらも、小瓶に入った琥珀色の液体をあおると、テレポートを発動した。

(ヤバいポーションが、イルディンの栄養ドリンクみたいになってるけど大丈夫なのかな。)

ポチとリリーの協力を得て、少し余裕のできた花は、テレポートの瞬間、そんなことを考える。


ミリエルが見つかったのは、テレポート先で茂みに駆け込んだセリーヌが戻り、一行が王都に入ってすぐのことだった。

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