表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

匂やかな少女たちの喜戯

作者: hdnprg

Tシャツの裾を掴み、まくりあげる。白い、つややかな背中が現れる。

「きれいね」

私は、背中に指を当て、そっとなで上げる。

「ははは、くすぐったいからやめてよ、もう」

ころっと丸く、小さな頭。ゆるやかに巻いた、鮮やかな銅色のヘアがくるんでいる。

「うん、やめたげる」

指を背中から浮かせて、すっと上へ。銅色の髪に差し込む。そのまま後頭部にあてがう。

「ねえ」

「なに?」

私の呼びかけに答えて、小さな頭が回る。銅髪の下から、ルビー色の瞳がこちらを見つめる。

私が黙っていると、この子はすっと息を吸い込み、頬を膨らませる。


ここだ。

後頭部に当てた指。

力を込める。

押し込む。

柔らかい感触。

そして、硬いもの。

カチリ。


ルビー色の瞳が、わずかに揺れる。

私は、私の顔を、ほんの少しだけずらす。

ルビー色の瞳は私を追わずに、ピントがずれたまま、きらりと光った。


この子の、ほんの少し開いた唇。その間から、ふーっと息が漏れて、私の顔に当たる。

私はたまらずに、この子の唇を、私の口で塞ぐ。漏れる息を吸い込むと、とろりと甘かった。


思っていたより、遙かに甘くて、美味しい。離れられない。私は、眼を閉じて味わった。

この子が吸いこんだ息を、私がどんどん吸い取っていく。私の胸越しに、息で膨らんだこの子の胸が、しぼんでいくのを感じた。


まだ、まだ行ける。

と、突然息が止まる。びっくりして、眼を開けると、ルビー色の瞳と目が合う。

びっくりして見開いた、私のエメラルドグリーンの瞳と、とても楽しそうに細められるルビーの眼。


後頭部が押し込まれる感覚。

コチリ、と音が響き

なにも感じなくなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ