表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白騎士は黒い狼に恋をする  作者: ユミエリ
第1章 白騎士は黒い狼に恋をする
9/102

第4話 白騎士と親友の雑談 後編 

「口説いてねえ! ただ、普通に┄綺麗な瞳で、口からポロッとでた。それだけだ! それ以外の事などない!!」

「だいたい、女性に気安く軟派事など、男としてあってはならんのだ!」


動揺の余りの言い訳に、シリウスは間をおき、爆笑し始めて腹を抱えた


「┄┄ブッ! ハハハハハハ!!」

「なに、笑ってんだ!テメーー!!」 


急に笑いだした。シリウスを恨めがましく見て怒鳴ると、チラッとこっちを見て、また笑いだす。


なにが、そこまで? コイツのツボに嵌まるんだ? と疑問符を浮かべた。

するとシリウスは、苦しそうに咳込みつつ

手を振り、謝る


「すまんすまん、あんまクロードらしからぬ言葉が耳に入ってよ! 今どき何処の年寄りの世迷い言、かと思ってな。古い!」

「古くなどない。騎士たるものとして、当たり前だろうが!」

「いーや! そんなもの守ってたら、せっかくの出会いも無駄になり、大事だと気づいたときには、誰かしらのものになるだろうが! 俺は、意地でも、ものにするためなら力ずくでも、ものにしてやるがな!」 

「そんな出会いない奴に、言われても説得力ないが?」

「い~んだ~も~ん。俺、仕事に生きてやるんだ! はっ! 仕事も、い~や~だ! 人生をた~の~し~む~んだ!!」


また、急に机に突っ伏し、机をバタバタと叩き駄々を捏ねるシリウスは、情緒不安定かよ! っとツッコミをいれたくなった。


その時、コンコンと扉をノックする音がした。

するとシリウスは、やる気がなさそうに


「だれ~~~?」


と言っているのを聞いて、もう少しやる気出せ! とシリウスをにらんでいたら┄┄

扉が勢いよく開け放たれ、そこには驚きの人物が、苛々した表情で立っていた。


「「げっ!! ローズ宰相」」

「シリウス隊長、疲れてるでしょうが! す・こ・し! いいですか。急な要件があるのですが!!」


にっこりと微笑んでいるはずなのだが、眉間の皺が深く刻まれたローズ宰相が、酷く怒ってる事がわかり、俺とシリウスはビシッと背筋を伸ばして、互いに頷くと

シリウスは咳払いを一つして、仕事モードを発動した。


「要件とは! なんでございましょうか?」


シリウスがローズ宰相に声をかけると、近くへ歩いて来るなり10枚の紙束を机に置き


「これは、どういういとでの報告か、説明してくださいませんか?」


シリウスは紙束をもち中身を読むと、ふうーっと息を吐き捨てた後に机に再び紙束を戻すと両手を組み合わせ

ゆっくりと話し始めた。


「そのままの意味ですが、何かご不満ですか?」

「不満がなければ、来るわけがなかろう! だいたい、ここに書かれている獣が二匹とは何だ! 一匹だけであろう、城へ討伐した獣は!」

「いえ、二匹です。一匹はクロードが討伐しました。ですが、私の透視スキルでは獣がもう一匹の獣を助けようとしてましてね。私としても見過ごせなくて、付け加えただけですし。それを文句をつけるとは、何か都合が悪いのですか?」

「┄┄都合は、わ、悪く┄┄ない。ただ、あの獣は┄┄、なんでもない。もう、いい!」

「おや、そうですか?」


小さくチッと舌打ちをしたのち、帰ろうとするローズ宰相をシリウスは呼び止める。


「あ! 少々待って下さい。ちょうど宰相殿に渡しておきたい物があるのですが」

「渡して、おきたいものだと!?」


シリウスは頷くと俺が渡した物を、宰相に渡した

ローズ宰相は受けとる中で、訝しげに中を覗くと驚いた表情を浮かべていたが、すぐに俺達を見る


「これを、調べてほしいと俺に言っているのか?」

「調べて下さい。と言ってるんですがね私は!」

「┄┄┄┄わかった。」

「ありがとうございます!」


シリウスはお礼を言って頭を下げるのを宰相は見て

小さく息を吐くなり、さっさと部屋を出て行った。

多少の含みのあるシリウスの言葉に、宰相は気づいたんだろうな。

そのあと、シューーと力を抜かすシリウスは机に顔つけ癒されだした。


そんな中で、俺はふと宰相とシリウスの会話に何か、引っ掛かりを感じ、腕を組んで思い出そうとし気づいた。


「おい! シリウス!」

「うん? なに┄┄? いま何もやる気ないよ」

「ちーがーう! ついさっき、ローズ宰相との会話の中で、透視スキル使ってたとか、言わなかったか?」

「うーーん? 言ってたな」

「ってことは、お、お、俺が黒い犬をモフッてたの見たのか!?」

「い、犬?┄┄あっ! 確かに見たかも、でも━━」

「あれも!! 見られてたのか!!」


頭を押さえぐああ! とダメージを受けていて

俺はシリウスの言葉を聞いていなかった。


「あれって、魔獣だろう! って、聞いてないし。まあ、いいか、クロードがなんか面白いし、後で教えてやろうか」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ