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白騎士は黒い狼に恋をする  作者: ユミエリ
第1章 白騎士は黒い狼に恋をする
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第3話 黒い髪の少女と白騎士 ③

俺は抱き寄せた後に、声を掛けると、上を向いてお礼を口にする女性と視線が絡む、真っ直ぐに見つめる、碧色のグリーンパールの瞳が綺麗で、一瞬! 胸がドキッとし


「┄綺麗だな。あんたの瞳」


ポツリと妙な事を口ばしっていた

すると女性は驚いた表情をして顔を逸らされて、俺は自分で言ってる事を恥じた。


初対面の相手に、何を言ってるんだ!


俺は女性を離して、少し距離をあけた後

に謝ってしまう


「初対面の女性に失礼な事を言ってしまい、すまない」

「あ! いえ! いいんです。ちょっと驚いただけなので、大丈夫ですから」

「そう、なのか?」

「はい」


俺は安堵した。あんな軟派など、女性に失礼だと親父に言われていた。

特に初対面に言う事ではない

出会いを大切にし、歩み会える者に言えと

だからこそ、軽々と口にしたことを恥じたのだが。

目の前の女性が寛容な人物で安心した。


そのあと、女性は急ぐ用があると言い

お辞儀をして走って行った。


◆◇◆◇◆◇◆


女性と別れた後、俺は市政の巡回を再開する

10分ぐらいだろうか? 市内の広場辺りが騒がしくなっていた。

何だ? えらい人垣が出来てるが、何やら悲鳴が聞こえ

近づくと、広場にまた獣がいた。

それも二匹だ、一匹はゴブリン、もう一匹はワーウルフだ

なんで、こうも魔獣が町中にいるんだ!

やはり何処かに結界の歪みが出来てるとしか思えないな


探すか真面目に、こんな魔獣を相手にせねばならんのは

面倒だからな。極力動きたくないんだよ


俺はそう心の中で愚痴り、広場の人垣を避けて

魔獣と対峙すると後ろからは町の住人達が騒ぐ


「あ! 騎士の方が来て下さった。これで大丈夫じゃ」

「クロード様だ! 素敵!」

「こっち向いてーー!」

「やれ! そんか魔獣なんか、ぶっ殺せ!」


とまあ色々と言っていた。

なに緊張感を緩ませてんだかな。

騒ぐならさっさと、避難しろよな。俺はため息をこぼして魔獣を見ると、よく見ると様子がおかしかった。


カタカタと震えるゴブリンに、片方に傷をおっているワーウルフ

どうして、傷を┄┄┄

まさか、他にもいるのか!!


俺は探索スキルを発動すると住人の一人がおかしい事に

気づくと、住人達を見渡すなか一人の男と目があった。

するとニヤッと口角がつり上がりパチンッと指を鳴らし


「来い、ヒドラ!」


急に声がしたことに町の住人達は、男の回りを避け始めた

そして現れたのは、翡翠の瞳と真紅の髪をしたヴェルスが立っていた。


「なにしてやがる。ヴェルス!」

「うん、見学だが。なに?」

「見学じゃねえ! いま、ヒドラ出してただろうが! 町を燃やす気か!」

「うんん、違う、いまさっきからいた魔獣を、捕まえてた

そしたら、いま捕まえたと伝達してきたから、もう1つだした。クロード来たし。」

「もう1つだして、どうする気だ?」

「あのゴブリンとワーウルフを食わせる、エサとして」


そう言って、淡々と報告するヴェルスに頭が痛くなる

なるほど、だから魔獣は怪我させられていたと

? じゃあ、ついさっきの悲鳴はなんだったんだ?

ジロリとヴェルスを見ると


「食わせる姿がグロいと、女が悲鳴あげた。それだけ、大丈夫!」


サムズアップをして笑うヴェルスに、イラッとして拳骨をくらわせた! 痛くて頭を押さえているが。しらん


俺達の様子とヒドラがゴブリンを食べている姿を交互に見ていた住人達は、ああ、いつものか? と思う者とクロードの活躍が見れない者とで、見守られて解散していった。


残された俺達は、互いに報告した。


「町の中を騒がしたのは始末書を書かせるとして、何でお前まで、駆り出されてんだ? 赤騎士の隊長のくせに?」

「うん? ああ! シーちゃんが、クロードの手伝いに行ってと。だから、エサになる魔獣が来るなら、外にいくよりいいと思って来た」

「なるほどな、それであのゴブリンどもは、何処から出てきてた?」

「さあ? 知らない。町の中を歩いてたら、いたから」

「なんじゃ、それ? 結果的に情報なしかよ」


手を当て、ファイト! と言われ、余計に力がぬけたのだった。



◆◇◆◇◆◇◆◇



夕方の日が沈みかかる頃まで、俺とヴェルスは結界の歪み探索を続けていたが。なかなか収穫はなく、途方に暮れていた。 

王都の南西あたりの空き地辺りを探索していたときに

隣にいたヴェルスが、ある一角に足を止めて


「┄ここ、なにか、ある」


という。俺はヴェルスが言った場所を探る

すると丸いメダルがあって、そこの一角辺りに歪みが出来ていた。

俺はメダルを拾い挙げるなり、箱の中へしまう


「それが、原因で結界の歪みが出来た。きっと魔道具、シーちゃんに報告と魔道具渡すといい」

「ああ、そうだな。」


そうお互いにいいながら、俺達はその場を去る

しかし、俺はこのとき余計に疑問点が沸々と沸いていた

誰が? なんのために? なんのいとで魔道具を置いたのか?

そして、結界の歪みを発生させた疑問を抱えたまま

俺は帰路につくことにした。


◇◆◇◆◇◆◇◆


クロード達がいなくなった空き地に一人の男が立っていた

白銀の髪に金色の瞳をした人物は、結界の歪みを発生させていた場所に行き


「ほう、我らのメダルは取られたか。まあ、いい。

あれは、まだ実験段階だからな」

「完全段階まで、まだ、かかる。ああ楽しみだ、君が喜ぶ姿を早く見たい、愛しいメリア」


男は、そう言って姿を消したのだった。

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