第3話 黒い髪の少女と白騎士 ②
メリアとクロードとの接触の回です。
獣ではなく、人のときで、クロードは何を思うのか┄┄?
リュウセイからの言葉により、シリウスへの殺意が充分湧いた。
それは何故か、教えてやろう
『実は、今日の会議で議題があがったんだよ、昨日の討伐した獣はどこから、きたのか? と、それで┄もしかしたら王都の結界が綻んでいるのでは? そうシリウスが言ってな、それなら自分達の部隊がやると宣言した。』
『は? はあああああっ!!』
『その反応は、本当に知らなかったようだな』
『あたりまえだ! クッソ─! なに面倒なもん引き受けてんだ、あのアホは!俺の休日返せや!!』
『┄┄どうどう。落ち着けって、そういえば休みもらってたの、今日だったんだな』
冷静に口にするリュウセイの同情な眼差しは俺の怒りの火種に着火させるには充分なものだ。なにが悲しくて、同期に慰められねばならない! なにもかも、シリウスのせいではないか!
後に知ったのだが、シリウスの奴は、俺がこの事を知って、先に市政に逃げたらしい
おかげで殴りそこねた。
と回想はここまでにしようと思う┄┄
俺は仕事モードに切り換えて、市政をパトロールする事にした。
結界の亀裂など、早々に見つかるわけもないが、昨日の獣は明らかに外から侵入したと思えてならない。
まあ、もともとは気になっていたから、調べるつもりでいた。
報告書をシリウスに見せたときも、楽しそうな物を見つけた顔してたが、まあ、一応、気にしていたのだろう┄┄たぶんな
市政をブラブラとパトロールしながら思案に暮れていたら、一つの店舗に目が止まる
アクセサリー店の中に、あの犬に似た瞳のリボンを見つけた。
じーとそのリボンを見て、買うか悩んでいたら
「┄┄彼女への、プレゼントですか? 旦那」
と店の店主が楽しそうに、声をかけてきた。
「┄┄彼女へのプレゼントですか? 旦那」
「┄彼女じゃない」
「それじゃ、片思いのだったりしますか?」
片思いか。確かに今は俺の一方的な思いをしてるのは、片思いをしてるのと一緒かも知れないが、いつかは、俺の物にするつもりだがな!
「そう┄だな。だが、受け取ってくれるかわからんものを贈っていいものか? 悩んでいる」
「旦那、堅いですな。女性はプレゼントに弱いものですから、受け取ってくれるかより、受け取って貰うように努力しませんと」
「そういう、ものなのか?」
「はい、女性へアプローチするなら特に┄┄」
「┄┄┄そうか。このリボン、いくらだ?」
「500ルピアです」
「ほらよ、500ルピアだ」
「まいど、有難うございます。┄┄旨くいくよう、祈ってますぜ」
「┄┄?┄ああ┄┄」
買い物が終わり、パトロールを再会していた俺は先ほどの事が気にかかった。
店主の言っていた、彼女という言葉にはどうにも納得がいかなかった。だいたい俺はあの犬がメスの場合を前提に言っていたつもりだったが、なにを勘違いしてるんだ。
と問いつめたい気持ちを我慢していたとき
少しの間思案に気が散ってしまい、俺はこの時に前を見ていなかった。
ドンッ!
「きゃ!」
急に人に当たり女性の声がした。
俺は咄嗟に女性を引っぱると抱き寄せた。
「┄大丈夫か?」
「┄┄はい、有難うございます。」