閑話 偶然か必然か変態か?ーメリア視点ー後編
ライナの助言や注意を話した後に、帰って行くのを見送り
部屋にはミラと私だけが残り、紅茶を飲む
なり一息ついた。
「ねぇ、ミラ?」
「はい、何ですか?」
「私以外に黒い獣ってなんだと思う?」
「そうですね、ダークビートかブラックバルス系でしょうか?」
「ビーストかバルスね? 本当になんで街中に現れるのかしら、私だって結界のせいで全力出せないほどの威力があるのに、不思議ね」
私は頭に浮かべる思考は、考えても見つけられない。
こういうときは、考えるのは放棄しよう!
答えがでないときは、答えが見つからないのだ
◇◆◇◆◇◆◇
夕方になり、私は部屋にて獣化するとミラが毛並みを整えてくれた後
「じゃあ、散歩に行ってきます。」
「はい。ですが、本当に尾行だけですからね、私めも心配なんですから!」
もう、私に過保護なんだから、でも嬉しいからすり寄ってくれるわ!
スリスリスリ!
「お嬢様、可愛いです。」
ガシッと抱きしめられ、私は笑っていた。
そのあと、窓から外にかける
私の能力スキルである『空中散歩』を使い外を駆けていくが、へたに人に見られる夕方なため『隠密』のスキルも同時に発動しておいた。
街中の空中を駆けながら、街並みを見ていると、ある一角で騎士がコソコソと前にいる男たちを尾行している姿があった。
なにしてるのかな? 犯罪人を尾行してるのかな?
騎士がそういうことをしてるのは、お父様から聞いてたけど、見てると興味深いし、楽しそうかも
私は騎士のいる場所に降り立つと後方から観察する
うわー! でかいな。まあ、それもそうか獣になってるから目線も変わるわよね
騎士は小さい男の人と、背が高い男の人がいた
ヘエ~、背が高い男の人の髪って銀なんだ。
お母様と同じなのね。ちょっと親近感がわくかもと観察していたら
「┄┄┄┄絶対に、捕まえてやる!」
「クロード副隊長、目がマジで、引きやす!」
「は?何か、言ったか!」
「いえ、別に! それより追いやしょう、彼らを見失いますし。」
「なんか釈然としないが、いくぞロイ!」
ふーん、背が高い人はクロードで、小さい人はロイって言うんだ! 名前と顔が似合ってて面白いわね。
あ! いけない、二人が行ってしまう!
尾行を再開しなくては、いけませんね
あれ? 私、目的が彼らの尾行になっていますが、気にしないことにした。
だってまだ、黒い獣は見当たらないし、匂いも知らないからどうすることも出来ないもの。
私は二人の後方を、ゆったりと後をつけます。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
夕方からはあまりにも、変わらないことばかりなため、語る必要はないと判断し、只今は夜となります。
ああ、私は騎士達からは離れてますよ。
だって! クロードって人からピリピリと殺気が凄いの!
顔つきも険しくなっていくし、ちょっと怖い。
だがら距離を空けて、近くの建物である屋根に避難して騎士の人達を観察しています。
騎士の人達は、ただいま大樹の近くに身を隠し、前方の多数にいる人達を見張っているようです。
何か、動きはあるのでしょうか?
心の中で実況を説明していた時に、一瞬空が陰り近くに何者かの気配を感じ、上空を見ると
赤茶色の獣が空を駆けていく姿を見かけた。
大きく逞しい筋肉をつけていて、背中には刀傷がある
肉がみえるほどに抉られていた。
凄腕の人間がしたのだろう?
とても痛々しい。もしかしたら、この獣が噂の子ではないのか? と思っていたら、大樹の方へと向かっていることに気づいた。
私は慌てて獣の方へとちかづくと声をかけた。
『ねえ!! そこの人、待って?』
魔物だろうけど、お母様からは魔物の言葉は習ってたから
呼び掛ける。すると、目の前の獣は止まって私へ振り返った。そして訝しげに警戒のこもる声で応えた。
『┄┄なんだ? 小さきものよ!』
『その先は、人間が多くいて、危険だから近寄らないほうがいいよ。』
忠告すると、ビリッと電気が走る
あれ?怒ってる。
『わかっている、だから行くのだ。ワシの子を殺した者どもがいるのでな!』
『┄┄子供。殺されたの?』
『┄┄┄┄ああ。ワシの一族の毛並みを人間どもは、嬉々として狩り殺していたのだ。最近、産まれたばかりの子も平気でな!┄┄┄だから!』
『だから┄┄ワシは、人間を殺した。手掛かりを見つけるために┄┄な!』
獣はそれだけ言うと、ブワ~!と魔力で身体がビリビリする、怒りだと感じる┄┄┄本気の。
ならば私は止めてはならない、そう思えた。
復讐心が、良いこと、とはいえないけど
しかし、この時に私は気づく
なに?┄┄あれ?
黒くて禍々しい物が傷口から出たり、入ったりしている
ヘビが蠢いているようで、気持ち悪い
そう思うと条件反射で距離をとったときだった
獣に異変が起き始めた。
黒い物が増幅し、獣の様子が変異する
『行かねば、そして子の仇を┄┄!』
『え? ちょっと、まだ! 話が!!』
獣は急にぽつりと呟いた後、私の言葉を無視して大樹の方向へ駆けていった。
私も追いかけようかと思ってた。でも┄┄
次の瞬間! 身体がビリビリとして毛が逆立った!
え! なに?
そう思い辺りを見たが、何もなかった。
気のせい? でも、今たしかに殺気を感じたんだけど
「ウオオオオオオ━━━━!!!」
急に叫び声がした。
私は再び獣の方向へ視線を戻すと
獣が雄叫びを上げて、次々と男たちを食い殺していた。
ヤバイ、あの獣の回りに黒い物が辺りを巻き上げて
負のエネルギーを濃くしてる!
私は無意識に獣を助けたいと
思ったら、空中を駆けていき、途中で止まる
そして私は男どもを遠距離から吠えて魔弾を放つ
10~20ぐらい出していた。
男どもを気絶程度には魔力を押さえているおかげで
バタバタと倒れていった。
ふうー。これで大丈夫、後は獣の人を助けないと
そう思い動こうとしたら、またビリッと背中に電気が走って動けなくなった。
まるで私に行かせないように、邪魔をされている。
そんな気がした。
なんで? こんな事をするのか? 理解できない。
視線を獣の方にやる
すると、男の首筋を獣が噛み殺そうとしている光景があった。
人間を殺したぶんだけ! 黒は増す。だから何でか、止めたいと心が叫びます。
「邪魔をしないで!!」
強く、強く願うとパリンと音が鳴り、動けるようになった
なに? いまの音?
少し気になりましたが! 今は、獣を助けることが大事です
動いて大樹の近く月明かりが届く場所に行くと魔力波を獣に放つ、すると月夜の加護の光が獣に降り注ぐと
黒い物が消滅した。これで、あの獣は普通に戻せたと思っていた。
しかし、獣は止まろうとしないで男に噛みつこうとしている、何で? と疑問が過ったが、すぐに気づいた。
獣は言ってたっけ、自分の子があの男たちにいると
もしかしたら、今! 獣の復讐相手を殺そうとしているのかもと推測できた。
だが、しかし! この時にあの騎士達が草むらから飛び出し
獣を殺そうと近づく、騎士達と戦って死んだ。
普通ならばランク的に強いはずだけど、あの黒にだいぶ体力と魔力を霧散させられていたせいだと考えられた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その後、私がぼんやりと考えの思考にふけっていたら
急に辺りが静かになっていた。
男の人以外は全滅し、騎士の姿も消えている
「なんか、嵐が去ったみたいね。」
まあ、あの獣を助けることは無理でも、黒い物に取り込まれなくて良かったと安心した。
さて、本来の目的である! 月光を浴びておこう
さっきの月夜の加護の魔力消費量は多いからね
そう思い大樹へおりたった瞬間!
私は油断していた、急にカバッと抱きつかれたんだもの!
何事? と首を後方に向けたら、クロードと言う騎士が私の毛並みをいとおしそうに撫でて来た。
ときどき、興奮してるのか、息が当たる
どうしたの? この人、変態さんなの?
っていうか、撫でられるたびにぞくぞくするんだけど
ヤメテ! 私の気持ちいいポイント攻めないで!
私は体を振りクロードを、離そうと抵抗した。
すると、クロードは撫でるのをやめてくれ
私は咄嗟に距離をとる、なんなのだ! 普通の人間ならば恐れるか? 戦おうと挑んで来るものじゃないの!
やっぱり、変態だ!!
そう思うと、クロードに唸る!
すると何故か? 焦っていたのか頭をかいていた。
そして思案してる。なにか、する気! なら受けてたつわよ
真っ直ぐに相手を見て、警戒心を高めていたら
私のお腹から間の抜けた音が鳴りました。
恥ずかしい! そういえば、お昼しか、ご飯食べていません。何でしょう空腹を自覚したらお腹の虫が、止まりませんよ! 男性の前ではしたないのに
その時です、幻でしょうか! 目の前にとても美味しそうな食べ物が、あるのです。
私は嗅覚で現実なのか確かめます、匂いはありました。
ゴクリと生唾を飲み込み、まず一口
アム、モギュ!
ああ! これは肉なのに柔らかく、舌に絡まる肉汁が口内に広がって、飲み込むと幸せになります。
先ほどの警戒心など忘れ、私は夢中になり食事に集中したのでした。
5分ぐらいかけて、最後の一欠片を食べ終えたとき
は? と我に返る、食事に集中してクロードの存在を忘れていた。
なにしてんの! 私は油断しすぎじゃない?
改めて警戒心を持とうとしたけど、クロードが近くにいないことに気づいた。
探して見ると、大樹の近くでお酒を飲んでいるのが確認できた。そういえば、この食事をあの人が私にくれたんだよね。もしかして、いい人なのかも。
それに、よく見ると月明りに照されるクロードは、とてもキレイに見えて、ちょっとドキッとした。
変態でいい人、格好良くて強い
そんな印象が私の中に居着いた。
警戒しなくても、いいかな? ご飯くれたし
きっといい人だもん。
よし、考えを放棄して寝ながら、私は月光よくをすることに決めて眠りに落ちました。