閑話 動き始めた運命ールーヴェンス視点ー
収穫祭になり、俺は運命のイタズラを今日ほど恨む事はない
何故に他国の王族が今回に限って、町中の宿に宿泊する事になっているんだ?
宰相のローズに聞いたが、今回は武闘大会に参加するためだという、ふざけた理由だった。
他国の王族のクライスは王位継承権第1位の王太子で俺の友人だ。
去年の時から参加すると行きこんでたからって、こんな忙しくかつ、何処の馬鹿の反抗声明で物騒な町中に宿をとりやがって、お前に怪我などされたら国際問題になるのを、わかってないのか?
いや違うか。わかっててやるやつだ! 頭いてえな
その時、コンコンと扉のノックを叩く音がしたあと
「殿下、急用の知らせを持ってきた。少しいいだろうか?」
扉の奥からシリウスの声がした。
「入れ」
シリウスは扉を開けて中に入ると、仕事モードの真面目な感じが、本当に急用だとわかり、俺も真面目に待っていたら
つかつかと俺の前に書類をおくなり
片眉をピクピクとし声を高めないように言う
「┄王族が武闘大会に参加する参加申込み書類だ」
「行動力があるな、あいつは」
「行動力があるなじゃないだろうが! あの王太子は、自分の身分をわかってやってんだろう!」
「やってるな。だから俺も、いま頭が痛いんだ」
「┄┄なら、殿下の頭の傷みをとるために、いい方法があるんだが、乗るか?」
シリウスが凄く悪い顔をしながら俺を見る
こういうときのシリウスに乗る事は、けして悪い方向に行く事がないため
俺は頷く、そしてもう一枚の武闘大会の参加書類にクロードの名前を書いた物を見せてくる
「┄これを受理してくれないか?」
「クロードも参加させるってことは、なるほど、あいつを護衛にしながらの監視ってわけか?」
「┄そういうこと、いい考えだろ」
「ああ。クロードには悪いが、幸せを犠牲してもらおう」
俺達は二人して、ほくそ笑みながら悪巧みを決行することにしたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
シリウスからの伝令によりクロードが
あいつの警護についた事を知らされ
俺の頭の痛みはなくなると安心していた。
しかし、次に知らされた内容に俺は驚いた
なんと、町中で爆破テロが勃発したと
詳しい内容や被害状況の確認などを聞き
すぐに対策をねり、騎士や部下をそれぞれに指示をだした。
そして俺も状況を見るために動いた。
最初に行くべきは、町にある宿のセイル店だ。
王太子のクライスが己の護衛と宿泊しているからだ。クロードもいるだろうから様子を見とこうと移動した。
宿につくと、王太子のクライスがすぐに町の住人に治癒魔法を施し助けている
近くでクロードも動いているが、少し様子が変な事に気づいた。
顔には出していないが、何処かそわそわと落ち着きがないと思えた。
幼馴染みでしか気づかない、僅かな表情に、俺はクロードに声かけた。
「クロードこれは、どうなっている?」
「ヴェスか? 町中を案内して欲しいと頼まれて向かった矢先に、黒装束の集団がクライス殿下を襲ってきたんだ」
「一応は俺が追い払ったんだが、その集団の一味が町の住人の行き交う場所に爆弾を仕掛け」
「爆弾テロが起きたか?」
「はい。怪我人はクライス殿下か、部下達が治癒を、他にも住人達が助け合っています」
「なるほど。状況報告は一応、わかった。ところで何だか落ち着きがない様に見えるが、何かあったのか?」
俺がクロードに落ち着きがないと指摘したら
少しばかりイラッとしたのか
「メリアとこの近くでデートしようと、待ち合わせしてたから、気になってんだよ!」
と語尾を強めに睨むように見て応えてくる
なるほど。メリア嬢が町中にまだいた場合は、危険な可能性があるな
「ならば、俺が行って確認してきてやるよ?」
「は? 何で?」
「仕事に集中できないならと、俺の気遣いだが、それにあいつはお前ぐらいしか、勤められんからな、押し付けた詫びだ」
「やっぱり押し付けてたのか!」
「だから俺が安否確認してやるよ、お前の大事メリア嬢をな」
「┄┄┄わかった。でもお前だって危険だろうが!」
「┄あ~、大丈夫だ。お前の部下のロイを借りてるから、ほら、あすこにいるだろ」
町中に馴染む服装をして、怪我人などを手伝っている場所を指で示すとクロードは呆れながらため息をもらしている
「┄大丈夫と言えるか? あいつで?」
「そうか? ロイは結構、真面目に護衛してくれてるぞ」
ここに来るまでに、しっかりと警護してくれていたと、クロードに言ってみたのだが。
頭が痛そうな態度をとられた。
そのあとは渋々ながら、メリアを頼むと言い残すとクライスの手伝だいに戻って行った。
俺はロイに行き先をメリア嬢の安否確認をすることを伝え移動する
◆◇◆◇◆◇◆◇
ロイが探索をメリア嬢の魔力探知に集中させている間、不意に感じていた事を思い出しながら歩き状況を確認していた。
最近は結界の崩壊の歪みがなく、安心はしているが警戒は緩めるつもりはないものの
ときおり俺の結界に魔力を込められる瞬間があった、気持ち悪いわけではなく心地良い、そんな感覚だった。
確認のために、結界の場所に飛んで確認すると僅かに我が国に咲くblossomの花の匂いがした。
優しく暖かい心を持つと、伝承になっていた。
それを俺は感じているのかと驚いた。
1度しか触れられていないせいで、魔力を探知することができず断念したな
「殿下、見つけやした。メリア嬢は、雑貨屋にて外傷なく安全な場所にいます」
「┄┄あ、ああ。そうか、では向かうぞロイ」
「はい」
急にロイに話しかけられて、先程の事を考えながらもメリア嬢がいるであろう雑貨屋に急いだ。
ここからは雑貨屋までそんなに時間はかかることはない、町の住人とが行き交う中を進み先へと急ぐ中で、僅かに花の匂いがした。
先程、思い出していた、ブロッサムの匂い
俺はすぐに足を止めて辺りを確認するが、その匂いはすぐになくなる。
こんなに大勢の中で、誰か、から匂うなど確認することは出来ず、ロイに呼び掛けられて俺は再び目的の場所に移動した
だが、心の中ではどことなく残念な気持ちが沸いている
俺の結界に触れられ、気づくものは充分に価値がある、あってどんな顔をした奴なのか見てみたい。会えないのは俺の競争心に火を着けた。
いつか必ず見つけてやると
俺は無意識に口元に笑みを浮かべて、メリア嬢の場所に向かった。これが俺が結界を触れたものとのすれ違いの出来事の序章になるとは、俺は、このときは考えていなかった。
ルーヴェンスが動いていた出来事を書いてます。
ルーヴェンスの結界は魔物や力が強い者しか、触れる事が出来ません。
結界に触れた者は誰か、それはルーヴェンスにどのような運命を、もたらすかは
別の話しで書く予定です。




