第12話 白騎士は黒い狼の伝承を聞く 前編
クロードとメリアが婚約するまでの話しになってますが、前編と中編、後編にします。
読んでくれて、嬉しいです。
宰相が治療院に入院して1週間が過ぎた頃には、元気に仕事場に復帰していた。
いつまでも、寝てられるか!
と叫び、僅かな怪我は自宅で療養すると院長と交渉までしている所はさすがにだと俺達は話していた。
「┄クロードは、この後はメリア嬢とデートか?」
「┄いや、違う。本当は会いたいが、少し親父と話す事があってな実家に行くよ」
「┄あっ、もしかして、あの事か?」
「┄┄ああ。僅かでも、切り札があれば、命が助かる術は探すさ」
「┄┄┄クロードにしては、いい傾向だ、やれる事はやれ! 悔いの残らないためにな!」
「┄サンキュー、じゃあ! また明日なヴェス!」
クロードはそう言って、執務室を後にし退出した。
少しは前を向くようになった友に、俺は自然と笑みが溢れた。
コンコンとノックの音が、聞こえ
「┄誰だ?」
「俺だ、シリウスだ、少しいいか?」
「┄入っていいぞ」
入室の許可を得た後に、シリウスがドアを開けて入ってくるなり、酷く怒ってる表情を浮かべ、俺の机に近づいた後にバンッと叩いた。
「┄お前、俺に何か言うこと、あるよな?」
「‥‥はて? 何の事だ?」
おやおや、今になって、クロードに異変があった事を知ったようだ。
めちゃくちゃ怒ってるな
「···俺は、もう知ってんだよ! 正直に話せ! 今すぐ!!」
「わかった、話そう。長くなるだろうから、今日は飲むか?」
「俺は酒は、苦手だが。聞かせるなら着いていく」
「わかった。ならば、今は帰れ。私は、まだ仕事が残してるからな」
酒を飲むと寝るからな、めちゃくちゃ酒弱いし、だからこそ話すには丁度いいだろう。
宿舎の親父には、話を通しておこう
うん? シリウスの奴、動こうとしないな、なんでだ?
「どうした?」
「┄いや、ルーヴェンスにしては、笑顔でいるのが、珍しくてな」
「┄┄あ~、それはな」
俺はクロードとメリア嬢が交際を始めた事だけは、話してクロードが私らに殺されないように、命と向き合い抗う気持ちが芽生えた事を話すとシリウスは、先程の怒り顔から優しい表情に変わり喜んでいた。
本当に私達はクロードが幸せになって欲しいと幼い頃から、願い叶った事が心から嬉しかった。
とくにメリア嬢も、夢が叶ったしな
そのあと、クロードの恋人祝いだと、執務室を退出するシリウスに宿舎の親父の許可はシリウスがしそうだなと思い、笑っていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
メリアは自分の部屋で、ベッドに横になり、口からはため息しか出なかった。
「┄なんで普通に、していられるんだろう?」
ポツリと寝転がりながら呟いたとき
コンコンとノックの音が聞こえて
「┄お嬢様、お食事のお時間です」
扉を開けてミラが入ってくる
だけど起き上がるきがせず、寝転がったままでいると
「どうしたんですか? ご気分でも悪いんですか?」
ミラが心配そうに、声をかけられて
私は苦笑を浮かべていた。
そしてミラを何となく誤魔化しつつも、起き上がり私はミラと一緒に食事をするため場所を移した。
食堂に行くと、先にお父様がいて驚いた。
入室していたせいで、お父様が自分の席で食事をしているのは、久し振りだった。
「メリア来たなら、早く食事をしなさい」
「┄あ、はい」
私は返事を返すと、お父様に一礼してから席に着くとミラが席を引いてくれ、椅子に座り食事を始めた
少しの間だけは、食事のする音だけが部屋の中に聞こえていたが、唐突にお父様が食事の手を止めて、声をかけられてしまう
「┄メリア」
「┄あ、はい。なんですかお父様?」
私は手を止めたままで、お父様を見ると
少し寂しそうな表情をしていた。
「┄┄お前は、クロード・キル・ファルナと付き合っているのか?」
「┄え? 何で、知ってらっしゃるのですか?」
「┄ミラから、報告を受けた」
え! 嘘?
とミラを見たら、小声で
「┄すみませんお嬢様。ですが、旦那様は、お嬢様が大好きですので、心配で調べさせようとしてましたので、クロード様の事を話し大人しくさせたのです」
「なるほど、ありがとうミラ」
状況的にいい判断をしてくれるミラにお礼を述べると、少し笑み後ろに控えた
「ロード様とは、付き合っています」
はっきりと、お父様に言うと一瞬うっと唸りながらも、そうか。と言い
「···愛称で呼び会える中か、ならばクロードを少しばかり俺に貸せ、男同士で話す事がある」
「貸すなど、ロード様は物では、ありません」
「いいから、わかったな。これはお前達二人の将来に関わるのだ!」
お父様の語尾が強く言われてしまい、私はビクッとした。
あまりにも、私に対する甘いものではなく、真剣な表情の中に厳しさがある。仕事中のお父様になっていたから
私が頷くと、お父様は自分の暗部を呼び耳打ちをしたあと、暗部は消えた
「クロードを呼んだ」
「え?」
「あとで来るだろうが、メリアは自分の部屋にいなさい、いいな」
「はい」
こうして、私とお父様の食事は終わりまで、妙にピリピリしたままだった。




