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白騎士は黒い狼に恋をする  作者: ユミエリ
第1章 白騎士は黒い狼に恋をする
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第8話 幼い頃の男の子ーメリア視点ー 後編  

ブックマークありがとうございます。読んでくれる人がいると、はげみになります。

3人は客間に入って来た姿は、昨日とは違い少しお洒落だった。

クロードさんは、白を基調としたジャケットにズボン、Yシャツに薄い赤色の筋があった。

シリウスさんは、緑色のジャケットに青のズボン、Yシャツにネクタイをつけていた。

ヴェスさんは、うん? なんか王子様が着そうな服に見える。気品があるのに9才なのに、妙に色気がある!

ちょっとクラクラと眩しいです。


3人を観察していると、3人は私に腰を折り、挨拶をしてきました。


「このたびは、俺達を招いてくれてありがとう、メリア嬢」

「まさか、手紙をくれるとはクロードもルーヴェンスも思っていなかったから嬉しく思っている」

「私もまさか自宅にて君が招待してくれるとは、俺達も嬉しいよ」


挨拶と一緒に私に優しく笑みを浮かべてくれる3人に私は嬉しかった。

私の都合で遊べないからと、呼びつけるようで気にしていたから心から安堵して3人に笑顔を向けた。


「こちらこそ、呼びつけるようで不安だったもの、ありがとう来てくれて」


ちゃんと淑女らしく左右の服をつかみ、挨拶をしたよ。

あまり人前でやらないから、きちんと出来てるか不安だけどね?


挨拶を終えて3人を見たら、何故か少し赤くなっていたのを見てしまい、どうしたのか? と首を傾げたら


ミラが咳払いをして


「ほらほら、お嬢様! お客様をいつまでも立たせずに、席へと座らせてはどうですか?」

「ええ、そうね。3人とも座って、ミラが美味しい紅茶を入れてくれるから」


私が声をかけると、つい先ほどの照れ顔から、苦笑気味になり3人は互いに髪を掻いてから一呼吸おき椅子に着席していた。


◆◇◆◇◆◇◆◇


そのあとは、ミラの紅茶に焼き菓子を摘まみながら談笑し合ったり、屋敷の中で鬼ごっこもしたけど、怒られる事はなく自由に遊ぶ事が出来た。

他にも私がお気に入りの中央にある庭園に案内した。


すると3人は辺りを見回し、感嘆の声をもらした。


「綺麗だな、ここ?」

「だな、屋敷の中で庭園の場所を設置するなんて、珍しいな」

「私も素晴らしいと思う、空気が綺麗で落ち着くな」


3人はそれぞれの感想を述べてくれて、私のお気に入りの場所を気に入ってくれて嬉しく思いつつ、次には

3人でゆったりと座り、将来の夢や彼らにもお気に入りの場所があるから教えてくれる約束をしていた。


そして時間が過ぎていき、3人が帰る時間になって、寂しい気持ちになっていた。

でも、3人はまた遊びに来てくれると約束してくれて、私は嬉かった。


玄関まで行ってお見送りをして別れたとき、不意にクロードさんが私の近くに来て一つの箱を渡された。


なに、これ?


と疑問に思いながら、首を傾げて箱を見つめて固まっていたら


「えーっと、これさあ┄君に似合うと思って、俺達が選んだプレゼントなんだ、渡しそこねるとこだった、受け取ってくれるか?」


「え? でも、どうして?」

「うん、まだ日が経ってないけど、友達記念って奴だ! なんとなく、通りすぎた市場に俺達が見かけて、君に似合うと思ってさ買ったんだ」


クロードさんの言葉に、後方にいるシリウスさんとヴェスさんを見ると、照れながら頷いていた。

だから私は、心から嬉しくて箱を抱きしめたあとに、笑顔でお礼の言葉を口にした。


すると3人はそれぞれに照れからか、顔を赤く頬を染めつつ

慌てて、玄関から出ていった。


◇◆◇◆◇◆◇


3人と別れたあと、大事に箱を抱きしめて自分の部屋に戻ると、ベッドに腰をかけてから箱を開ける、するとそこには┄┄


「┄┄うわ~! 綺麗な赤いリボンだわ、それにブローチが入ってる」


ブローチはわたしの瞳の色なのかな?

でも少し、金色が入ってるような┄┄気がする綺麗で不思議! 

3人が選んでくれたプレゼントは、私にとって凄く嬉しい物となった。


あとで高かったのではと思ってしまうけど

こんなこと言うと、気にするなって言われるような気がして聞くのは辞めておくことにした。


ボフっと私は倒れて、3人と過ごした事やプレゼントを見つめて一人で悶えながら、疲れて眠りにおちた。


そして私は次の日に、知ることになった。

クロードさんとシリウスさんが怪我をしたと言う知らせを聞くことになった。


「え? なんで┄┄クロードさんとシリウスさんが怪我を?」

「それが、どうにもルーヴェンス様を庇っての事らしく? あと、犯人はまだ見つかって、いないようだと」

「なに┄それ┄? 怪我、大丈夫なの?」

「はい。怪我は命に別状はなく、ただ腕に傷を受けたと、寝込む事はないらしいですよ」

「そう、良かった。ねえ、クロードさんとシリウスさんに、会いにお見舞いしに行ったら┄いけないわよね?」

「はい、旦那様と奥様に言われています。ですので、無理です!」

「どうしても、駄目?」

「ダメです」

「ケチ」


フッとミラが笑いを深めて


「いま、何かいいましたか?」


と優しい笑みを浮かべられて、ビクッと素直にあやまりました。

だって、ミラが怒ると怖いんだもの


◇◆◇◆◇◆◇◆


ベッドに横になり、コロンと寝ころがる

上を向く、チラッとミラを見ると見張られてます。抜け出すと思われているような、疑惑の瞳で見られていた。


クソー、心を読まれている。

なぜ?


本当は私は、ジーっとしているなんて、していたくない。ミラの言葉に信頼性はあるけれど、どうも胸騒ぎがした。

私の獣の本能にある、危機的な部分が反応しているせいかもしれない。


そんなときだった、急に部屋の扉を勢いよく開けた音が響いた。


なにごと? とミラと私は扉を見る

そこには、ヴェスさんがいた。

いつのまに、屋敷に入ってきたの?

と思うがミラは私とは違い冷静に物事を判断してヴェスさんを見据えた。


「何事ですか、ルーヴェンス様?」

「急に女性の寝室に失礼する。だが、いまはそれどころでは、ないのだ。メリア嬢、おちついて聞いてほしい、クロードの記憶が君の事だけを抜かし失われた。」

「え!? どういうこと?」

「昨日、襲撃があったと聞いてると思うが、俺達を襲ってきたのが、黒狼の一族の長なのだ。そして、俺の隙をついて長が攻撃を仕掛けてきた。しかしクロードとシリウスが庇ってくれ助かったのだが、長がクロードを見て笑い幻覚を見せた、その瞬間、クロードに異変が起きた」

「異変┄┄ですか? どんな」

「いや、これは君には教えるのは、まだ無理だ。話しを戻すが、クロードの異変を君の母君が助けてもらったのだが。今日、目を覚ましたときに、君の記憶だけを失われたことを知ったわけだ。だから、すまないが遊びに行く事が出来なくなりそうなんだ。すまない」 


ヴェスさんの言葉に私は、ショックだった。

なんで、なんで!?

こんなことが起こるの、昨日はあんなに楽しんで笑い会えたのに!!


私はショックで、涙が出そうになる

泣いても現実は、変わらない。

でも3人が無事なら、遊べなくても、心に記憶して大事にしたらいいもの


「うんん、いいの。ただ、貴方達が無事でいてくれた、それだけで嬉しいから」


ニコッと笑みを浮かべて言いながら、旨く笑えていたらいいと思いヴェスさんを見たら

苦しそうにつらそうな顔をしたあとに、笑みを浮かべて私の頭を優しく撫でてくれた。


「┄┄ありがとう」

「でも、これだけは忘れないでくれ! 俺達は君の事は大好きだから、何かあったら助ける友達だからな」

「┄┄┄はい」


そして話しを終えた後にヴェスさんは、帰って行くのを見送った後に、部屋のベッドに倒れ泣いた。


辛く悲しい私の記憶、これがあなたとの永遠とも言えた、出会いと別れのお話


◆◇◆◇◆◇◆◇


うっすらと私は目を覚ます。

夢を見た、とても大事で辛く悲しい記憶を

目からは涙が出ていて、手で目を拭おうとして気がついた。


私、獣化したままだった

もとに戻らないと、と意識を集中しようとした

そのときだった、近くから声をかけられた。


「おお、目が覚めたか?」


私はえ? え! えぇぇ!! と心の中で叫んでいた。だって、そこにはクロードさんが優しい笑顔で私を見ていたんだよ、驚くと思う


なんで、なんで!

私はそう思いながら頭がパニック状態で立ち上がりかけ、体を崩れしゃがみこんだ。

そうだ私は、魔獣に襲われて┄┄┄┄もしかして、助けてくれたの?


ジーっとクロードさんを見ると

近づいてしゃがみこむと、頭を撫でて


「良かった、意識が戻らなくて心配したんだからな」


クロードさんは安堵していた。

優しいな、夢を見て貴方の事を思いだすなんて

変な感じ、でも小さい頃より今の私を見てくれる、それだけでいいと思えた。


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