【理想】と【現実】
今週も更新できて幸せです。
今回はいつもより1000字くらい多いですが自分でも少し面白いなと思える書き方をしましたw
ドキドキしながら見てくださいw
ゴールデンウィークも終わりSNSなどでは「しんどい」「だるい」「死にたい」という言葉が
挨拶レベルで出回るような全世界的に萎えるような一日が始まった。
ぼくは仕事と社会を【悪】だと思うほどに社会に適合していないと自負している
一般人には社会はキラキラとした多数の色で塗りたくられたように見えるのだろうがぼくはすべて灰色に見える。
人というのは自分を明るい色だと認識して生きる生物だ。
明るい色は社会というパレットの中でキラキラと輝く。
パレットの中で明るい色は明るい色と混ざりさらに明るい色になる。
だが一つでもここに【汚れた色】を入れると一瞬でぐちゃぐちゃになる。
人はそれを怖がって汚れた色を歓迎しようとしない。
そうなると行き場を失った【汚れた色】はほかのパレットに集められてそこで合わせられて汚い色にされるか
パレット自体から捨てれられるかのどちらかだ。
そうなるとそもそも【汚れた色】の絵具を使おうとしない。
僕は小説書きなので絵のことには詳しくないが
一枚の絵を書くときに明るい色だけで仕上げることなんてないと思う。
【明るい色】も【汚い色】も上手に使わないであたかも完成したみたいな顔しているのが腹立たしくも感じた。
ただ、理想の世界は違った。なにせ僕が神でさくらが僕に仕える天使みたいな場所だからだ。
それはもはや【色】でも【パレット】でもなくて、自分の理想を描ける【筆】みたいなものだった。
こんなに気持ちのいいことはない。嫌いなパレットを嫌いな色でぐっちゃぐちゃに汚して高笑いが
できる。
ぼくは【悪】を【善】に変えないと!!!なんて思うほどヒーロー感もないし
【悪】はそのまま【悪】を貫け。じゃないと【善】が【善】じゃなくなる
と思うほどひねくれた【色】なのである。
ぼくの仕事はパソコンの前で何時間も間違い探しをするような仕事だ。
事務という一人でする作業に惹かれやり始めたのだが結局作業的に誰かと一緒にしないといけない作業が出てきた。
自称社会不適合者のぼくは極力他人と仲良くもしないし深い関係になるきもなかった。
適当に仕事を終わらせ夕方になり僕は急いで家に帰り聖地に向かうためにシャワーを浴び服を着ていつものセットを鞄にぶち込み
理想の世界に向かっていった。
いつもの公園、いつもの世界、いつもの理想
それを見つけぼくは安堵した。久しぶりに来たからかいつも以上にそこへ向かうまでの胸の高鳴りもいつも以上で
感情が血管を突き破り心臓を破壊し今にも胸から大量の出血をしてその場に倒れるんじゃないかと思うほど
その美しい色にぼくの汚れた目玉をつぶし失明させる。まるで何かのサプライズでアイマスクをつけられてるのように思えた。
一歩その世界に足を入れると入った右足からまるで消毒液を全身に噴射するゲートのように自分の汚い色を明るい色に染め上げる。
まるで子供がテーマパークに入っていくような感情になり彫刻のように動いていなかった僕の顔はいつの間にか笑顔になっていた。
公園に入るとさくらが砂場でお城を作っていた。それも子供が適当に作ったようなかわいらしいお城じゃない。
昔子供向け映画で見たようないかにもかわいいお姫様が舞踏会で行くようなお城ができていた。
城を造り上げたお姫様はわかりやすくほほをふくらませ不満そうな声で
「遅い」
とまるで離婚寸前の夫婦の夫が飲み会から帰ってきたときの妻のようなセリフを言った。
「悪い悪い。雨降ってたしそれに仕事だったから」
ぼくもぼくで飲み会なのにバレバレな嘘をつく夫みたいなことを言った。
「あのさ、ここはあんたの理想な世界なわけ。雨降ってても全然問題ないでしょ!!」
だいぶご機嫌斜めな彼女であったが僕はちゃんと秘策を持ってきていた。
「その、悪いと思ってる。だからこれ買ってきました」
「ほう、私をもので釣るっていうのかい」
目をつぶって僕はさくらに近所のケーキ屋で買った真っ赤なベリーのタルトを上げた
「こ・・・こんなものでわ・・・私が釣れるわけが・・・いただきまーす!!!!」
天使だろうがなんだろうがやはり子供は子供。
汚い大人というのはこういうことなんだぞとどや顔をしてやった。
「今日は小説を書きに来たってわけじゃないんだけどちょっと久々の仕事で疲れたからきた」
聞かれたわけじゃないけど理由をつけた。
「うんうん!!私もうれしい。それに無理に理由つけてこなくていいんだよ。だってここはあなたの理想の世界であって、第二の我が家
みたいなものなんだから」
そんなことは知っているが不思議とさくらの口からその真実を聞きたくて僕は汚い理由を口走ったのではないかと思った。
ここは何をしてもいい世界。ランダムで選ばれたぼくが描くキャンパスがここなのである。
「あのさ、さくらはさぼくが生きている世界をどう思ってる?」
「えーそれをこんな小さな子に聞く?」
それもそうだ、笑顔でほおばったせいか口の周りをぐちゃぐちゃにベリーソースでぐちゃぐちゃにした小さい子に現実の話を
したって言い返しが帰ってくるとは思えないが今日はうっぷん晴らしに付き合ってもらいたくて
返しなんて待ってるわけでもない質問をしただけなのだから。
「そうだなぁ、【理想】がある【現実】だと思うかな」
ほう、おもしろい返しをするもんだ。
【表】があって【裏】がある。それと同様にさっきも言ったように【悪】に【善】や【正】があって【誤】がある。
これは反対があって迷惑だと思うこともあるが、実はこれはおんなじようにあるおかげで成り立っている。
さすがぼくの理想の世界の管理人さんだ、ぼくの求めていた答えをきれいに出してくれた。
「いい返しをするね、まるで【今日は月がきれいですね】といったら【死んでもいい】と答えるように」
「ふふふ、さすが小説家さんの理想の世界の管理人でしょ?さぁほめなさい」
「確かに偉いね、だけど小説家の理想の世界の管理人としての答えとしては間違ってるかな」
僕は少しいじわるをいってやった
「なんで?」
「答えを言うからだよ。小説家は奇想天外な答えを求めるからね、例えるなら【今日は月がきれいですね】といったら
【何言ってるんですか?今は昼じゃないですか】とか言っちゃうような答えがほしくなるもんだよ。だってそこから妄想して
ストーリーを書くのが楽しいからね」
これはとてもいじわるなことを言っているのである。
理想の世界で僕の理想通りに動くロボットに向かってバグって見せろと挑戦してるようなもんだからな。
「それがあなたの理想なら私はそう動く。わたしの心も体もこの世界が生まれたときにすでにあなたのものになっているからね。
いいわよ、服を脱いでって言われたら私は何喰わない顔で脱げる。だけど、あなたが恥ずかしがりながら脱げって言ったら
そうすることもできる。それに、こんな幼児体系じゃいやだって言ったらすぐにでもあなたと同世代の体になることができる。
だけど、小説家さんならわかってほしい。それがあなたにとって気持ちがいいことかもしれないけどその理想は小説の一文にもならない
数秒だけの理想だってこと。終わったらすぐに脳みそから消えるような物だってことを」
これはぼくのいじわるな質問に対してさくらが理想のキャラクターになってかえて言い返したいじわるな答えである。
小説家である僕に対しての挑戦状でありさくらという理想ロボットが僕に与えた答えなのである。
ここで僕はさくらを人間にできるしこのままロボットにもできるのである
ぼくの理想で色をつけた人間にするのかそれともロボットのまま理想の世界の管理をただしてもらうのかという二択しかない
ただ、僕は決めていた。この質問をしたときからすでに答えをね。
「君は今から理想の世界を管理するロボットではない。僕とは違う色で染まっている女の子だ。まぁ理想の世界の住人だってことは
たぶん変わらないと思うけどね」
「わかったわ、あとさあなたの理想のロボットじゃなくなった私は【感情】というものが生まれるんだけど。今までは
あなたが求めているセリフを求めた感情や声質で変えてたんだけどどうしたい?あと、幼女体系のままでいいのかしら?
それはあなたに任せるわ。女の子をあなたの好きな通り、汚く言ったらあなたの性癖通りにしていいわよ」
やっぱりそうだったんだ、一人称が変わったりしゃべり方を変えていたのはあやふやな僕の理想だからなのである。
小説のキャラクターだったら編集者から訂正を求められるような性格だよ全く。
「そうだな、体系はそのままでいいと思う。僕のイメージはその桜しかいないからね。性格はそうだな・・・さっきケーキを食べていた
時のような子であってほしいな」
まるでデリヘルの女の子を呼ぶときみたいな気がして少し嫌な気がしたが彼女の人生を背負うことになるんだから
恥ずかしがらないでちゃんと言ってやらないとと思ったのだ。
「わかったは、ここはあなたの理想の世界だからね、そのくらいのアップデートはしてあげるは。もしこの修正が間違いだとおもったら
いつでも変えなさい。あなたは私を着せ替え人形のようにきれいに着飾ることがいくらでもできる。それがこの【理想の世界】の
おきてだからね」
そういうと彼女を明るい光が包み込んだ。
その光が消えるとさくらは地面に倒れこんでいた
「さくら、さくら!!!」
「ん?あれ、お兄ちゃんどうしたの?」
「えっと、大丈夫か?」
出てくる言葉がなかった。それは、僕のちょっとした理想でこの子が今から現実に出るということに対する罪悪感や
それでもちょっとうれしいと思っている自分がごちゃごちゃになって脳がパンクしそうになっていたから。
「さくらー帰るわよー」
その声に僕は驚いたが一瞬で察した。
そうか、現実世界でこのくらいの歳の子だったら母親がいてもおかしくない。
しかも面白いことにさくらの母親は今公園にいないで公園の外にいるのだがそのさくらの母親の声以外の雑音はやっぱり聞こえないのだ
なるほど、これが【理想の世界バージョン2】というわけか。
今回は言葉遊び回解いてもいい感じの回でしたね。
最近とある小説家の方の本を買って読んでいるのですが、皆さんは小説をどのように読みますか?
僕は一気に見るよりじっくり見るほうが好きな人間です。恋愛ゲームとかと一緒でそのほうが読み終わった後の優越感が半端ないからですw