表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼくと都会の静かな場所  作者: 空色
2/5

理想と現実

というわけで2話目ができました。

昔から短編で書く癖があるのでなんか週刊誌みたいな出し方になっていますが、

いっぺんに見るよりこまごま見たほうがいいのかななんて思いながら投稿しております。

また今回も何かしらのアドバイス等がございましたらぜひぜひ教えていただければ幸いです!!!

動揺を隠せないまま家に帰っていた。

しかし、本当に不思議な体験をしたものだ。

無理やり話を進めるあの子に挨拶したあと今日は時間だからと言って帰ることにした。

話では聞いていたが公園から出ていくと車や電車という雑音はいつものように鳴り響いていた。

公園の方を振り返ってみるとあの子の姿もなく滑り台とブランコとベンチだけがその空間にあった。

戻ってみたらこれもまた不思議なことにあの子も出てこなかったし雑音もそのままだった。

っというか、不思議な体験をしすぎたせいでシナリオを書くのを忘れていた。

あぁ、今日一日無駄にしたかな。今から書く気も起きないし・・・なんだろうこの虚無感。


パソコンをつけて適当に動画サイトを開けて動画を見ていた。

動画の中で芸能人気取りの一般人がキラキラした顔で動画にでている。

どうでもいい時間をどうでもいい人間がどうでもよく消費する

この動画を上げている奴からするとこの時間をどう思うのだろうか。

ちゃんと生きろとか、しっかりしろとかキラキラした薄っぺらいセリフが飛び出てくるのかな?

どうでもいいと思っているくせに。

こんなことをにやにやした顔で考えているぼくは一般人からしたら変な奴、やばい奴なのだろう。

まともな生活をしているわけでもないのでこういう一般人への皮肉に関しては人一倍うまいと思っている。

一般の生活ができているくせに幸せがないとかほざく馬鹿どもに妬みや恨みすらも感じていた。

あーあ、なんだろう本気でやる気が起きない。

ぼくがどうしようもない人間なのはわかっている。

小説を書くのが好きだがやる気が出ないと一文字も書かないし

仕事も行く気が起きなくてさぼったりなんてのは序の口。

昔からやる気が一気になくなることだって少なからずあった。

そんなことを考えているとふと考えてしまう


【自分なんかに理想の世界があっていいのか?】


そんなあまり信用していない世界のことを少し真剣に考えてみながら眠りについた。

明日はちゃんとパソコンを持っていこうかな。

あ、そういえばあの子に名前も聞いていなかった。明日はちゃんとお話してみよう。



その日の夜は意外とあっさり眠れた。

今日の天気は曇り。そのうち雨でも降ってくるのではないのかというくらいの曇り。

まぁ、あきれるほどの晴れじゃなくてよかったななんて思いながら今日も適当な服を探す。

ブランチなんておしゃれな趣味は持ち合わせてないのでそのまま僕はパソコンとなけなしの財布を持ち公園に向かった。


イヤホンから流れる自分の世界は今日も少し汚い色をしながら耳を通して脳を刺激している。

ミステリー小説の殺人鬼、スプラッタ系の怪物なんかが俺の脳内を駆け巡り憑依する。

こうやって憑依してきたキャラクターの日記を書くイメージで僕は小説を書いている。

つまりちょっとした二重人格みたいなものだ。

ある種病気のような性格をぼくは好んでもいたし嫌ってもいた。

そんなことを考えているといつの間にか早く「理想の世界」に行きたくてうずうずしていた。

今日あるかないかもわからないその場所に数年ぶりのわくわく感とドキドキ感を持って行った。

昨日までは何も変わらなかった交差点の信号が今日はすごく長いと感じていた。

信号が変わるとさっきの感情が再びこみ上げる。

なんだろうこの気持ち

楽しいとか気持ちいとかって感情ではなく不思議な気持ち。

そうか、長い間全く感じていなかったけどもしかしてこれって。


【どうやら僕は理想の世界というものに恋をしてしまったようだ】


やっとついた。歩いて10分程度だろうか

高校時代では想像できないほどに疲れた、運動もしないとやばいんだな。

「あ!!今日も来てくれたんだ・・・ってめっちゃ汗かいてるじゃんどうしたの?」

「いやね、全く運動してないからさ。歩くのもきつくてさ」

「そうだねーめっちゃ肌白いしね」

「気にしていることを・・・」

よし、昨日よりはだいぶトークができている気がする。

「今日はーちゃんとパソコン持ってきたんだー」

「あ、あぁそうだよ」

「そうか・・・今日は一人で遊ぼうかな」

ぼくの理想の世界の管理人のくせにこの小娘は

「えっと・・・散歩でも行くか?」

「いいの?」

「ま、まぁいいよ。でもここからでれるの?」

「大丈夫だよ!!君が私との散歩を楽しいと思ってくれるなら私は普通にこの世界じゃないところでも行けるから~」

「すごい便利なシステムだな」

「えへっへーいいでしょ~」

久々に人を喜ばせた気になれて僕までうれしくなってしまった。

「それじゃ行こうか」

「いこ!!」

その子は普通のことのように手を握ってきた。


思った以上にすんなりと公園からでれた。

というか、今思ったが一応成人を迎えた青年と子供が手をつないで歩いている光景を人はどうおもうのだろうか。

親戚同士だよねとか思うよね、大丈夫だよね。さすがに警察沙汰にはなりたくないしね。

「何考えてるの?」

「え、いや何でもないよ」

「あー安心して、ほかの人には私見えてないから。今はね」

「今はってどういうこと?」

「あの場所と一緒で私もあなたの理想みたいなもの。あなたがほかの人に見えてほしいって思えばほかの人に見えるようになるよ」

自分の望んだとおりか・・・なんだろう、かわいそうだな。

人の理想のために生きてるんだもんなこの子は。

ぼくが死ねと思うと死んでしまうし消えろと思ったら消えてしまう。

ぼくみたいなやつのために生まれてしまったこの子をできるだけ幸せにしてあげよう。そんなことを思った。

「ねぇ、今何考えてたの?」

「え・・・えっと、名前とか聞いてなかったなって」

その質問をした瞬間にきょろきょろしだした。

「秋葉・・・秋葉さくらっていいます!!」

「なんで突然敬語?」

「え・・・その、ななななんか恥ずかしくなっちゃって」

「名前聞いただけで恥ずかしくなるものなのか・・・」

「お、女心を知らなさすぎ!!!」

女心関係ないだろなんて思いながらいつもと変わらないうるさい道路を歩いて行った。

今回は前回と比べて少しダークな感じの内容になっていましたがいかがでしたでしょうか。

普段はどろどろした人間関係などを書いているので書いていてちょっと気持ちがよかった気もします。

さてさて、今度の話ではさくらちゃんとぼくの散歩からだと思いますが一体これからどんな話になっていくのでしょうかね!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ