38話
次の日は午前中は特訓をして、午後はシルフィードが街に買い物に行く前に魔力石に魔力を込めてもらったり、採寸したので、ガーディの作成と、銃の改良を行い、その後はゆっくり本を読んだり、4匹と戯れたりしていた。
シルフィードの買い物にジオルドとティナが付いていった。
ティナは裁縫に目覚めたようで、私や皆の服だけではなく、レースなども作れるようになっていた。
そのうち機織り機でも作ってみようかなと計画中だ。
畑仕事が終わったメンバーと別荘の計画を立てることにし、皆を呼ぶ。
シルフィードにも確認したが、やっぱり客人は屋敷には入れない方が良いと言うことなので、客人用に建てることにしたのだ。
屋敷とは少し離れた、結界の入り口近くに建てることにする。
また私達にはあまり必要のない医務室も別荘に移動させることにし、元医務室を裁縫室にすることにした。
地下室有りの2階建てで1階に医務室、リビング、ダイニング、キッチン、お風呂、トイレ、外から入る部屋があって、2階は4室の客室と2つのトイレがある。
外から入る部屋には階段がありそこからじゃないと地下室に入れない。
地下室には浄水・貯水タンク、発電機、空調管理システムなど、客人にあまり見られたくないシステムなどを置く。
客室1つ1つは大きく、1部屋に4人ほどが入れるようにする。
掃除は魔法で出来るし、大きくて困ることはない。
そして屋敷から客人が変な動きをしないか確認できるようにセンサーもつけることにした。
色々話し合い、いつの間にか夕食の時間だった。
シルフィード、ジオルド、ティナも帰って来ており気付かなかったことに謝罪とお帰りと言った。
夕食後はシルフィードにガーディと銃を渡し、使い方の説明をする。
シルフィードはすぐに近くにいたジオルドとレフィーリアを連れて実験室に向かった。
私は残りのメンバーや4匹とお風呂の時間までゆっくりしていた。
時々シルフィードやレフィーリアから伝話があって、銃の調子はどうかなどの話をしていた。
それからの禁止令が終わるまでは毎日ゆっくり、まったり過ごしていた。
禁止令が解禁になる日。
とても待ちわびていた!
屋敷のリフォームの前に客人用の別荘を先に建てることにした。
この人数ではテントに入らないからだ。
別荘が建った後に荷物を収納ネックレスや別荘、テントに運び、その後時間をかけて屋敷を建てる。
今の屋敷は強度が弱いらしく、時間をかけて建てながら魔法で強化していく方法をシルフィードが知っていたので、全員で話し合って1番良い方法で建設することにしたのだ。
別荘はそんなに強度があったら何かあったときに困るので、今の屋敷と同じ方法で建てることに決まった。
またそれと同時進行で結界の範囲をもっと広く開拓しようということになった。
今は屋敷と結界の隙間が小さく、正方形の形の結界だが屋敷を中心に長方形の結界にして、屋敷の裏手に果樹を植えたり、ビニールハウスを4つ作ることにした。
そんな感じで次々と意見が出てきたので、着手に時間がかかった。
効率的に作業をするために3つの班を作ることにした。
1つは通常業務班。
畑仕事をしたり、馬の世話、屋敷の掃除、食事の準備などを行う。
この班はルイ、レフィーリア、タマキ、ティナの女性メンバーになった。
2つ目が開拓班。
結界の敷地を拡げてビニールハウスを作ったり、果樹を植え直したりする。
この班はジオルド、ライゼン、ウォルド、ソウマの男性メンバー。
そして最後が建設班。
最初は別荘、次に屋敷を建てる。
この班は私、シャナリーゼ、シルフィード、シラーの魔法が得意なメンバーだ。
他の班はどうか知らないが、私たちの班は役割分担も決めた。
シラーが屋敷の強化、防御、防音魔法などを行う。
シルフィードがさらに私の部屋に強化、防御魔法と私の部屋の窓ガラスに覗き防止のための魔法をかけてくれる。
覗き防止の魔法は室内からだと普通に景色が見えるが、外から見ると壁に見えるという効果がある。
だから今、私の部屋にあるベランダが半円の鳥かご風ガラス張りの温室に生まれ変わるのだ。
そこで花を育てて、ピアノを温室に設置して弾いたり、お茶したり、とても楽しみだ。
魔法様様である。
また露天風呂にも覗き防止魔法をかけてもらう。
そして私とシャナリーゼが建築魔法で建てていく。
1階毎にシルフィードとシラーに魔法をかけてもらうので2人の許可がないと次の階の建築が出来ない。
それに皆の部屋にトイレと洗面所、お風呂を造るため水道管も増やす必要がある。
浄水・貯水タンクを大きくすることも決まっている。
地下室はちょっと部屋の大きさを変えて少し魔法をかけるだけなので、すぐに出来そうだ。
他の階は…まあ頑張ろうと思う。
色々計画をしていたので8月になって漸く作業に着手出来るようになった。
私とシルフィードは結界外の水道管を太くする作業をして、結界内の水道管を屋敷と別荘とに枝分かれさせる。
別荘の地下室はシャナリーゼとシラーが造ってくれた為、私とシルフィードが浄水・貯水タンクをシャナリーゼが発電機、シラーが空調管理システムを造っていく。
地下室の機能が全て完成し、1階を役割毎に建てていく。
1度やっているし、屋敷よりも小さく間取りも簡単なため、すぐに出来た。
今はシルフィードとシラーが簡単に防御、強化魔法をかけている。
そして2階も同じように行い、別荘が完成する。
1日の午後だけで完成したことに驚いたが、1度やっているとどうやれば良いのかわかっている分とてもスムーズだった。
次の日は屋敷から荷物を運び出したり、別荘の玄関ホールにテントを建てたり、屋敷のリフォームに向けて準備を行った。
まあ私の3日間の謹慎期間でもあったので、ゆっくり作業を行った。
謹慎明けには屋敷の中は空っぽになっていた。
狼達はルーナとリュナは私に、ブランはティナに、ホルドはライゼンに付いている。
ルーナとリュナは私にベッタリだ。
特にリュナは私以外の人に触られるのも嫌がっているぐらいだ。
他の2匹はそれぞれになついている人がいる。
ブランは食いしん坊の為、ルイ、ティナ、ソウマによく付いている。
3人はよく料理をしているしね。
ホルドは遊んだり訓練が好きなため、よく相手をしているライゼン、ウォルド、ジオルドの順になついている。
屋敷には色々な魔法がかかっているため、1~3階の解体作業に1日かかった。
屋敷の建設中は謹慎期間がなく、完成後に一気に謹慎することに決まっているため、とりあえず地下室の間取り変更だけを行った。
翌日、浄水・貯水タンクを拡張し、洗濯室に陽の光が入るように天井を高くする。
床上を高くしたので、玄関前に階段を造る。
それからは1階に2日、2階に3日、3階に2日かけて屋敷を完成させた。
2階の3日間の内1日は私の部屋に魔法をかけて安全性を確認する為だけにシャナリーゼとシルフィードが討論し、試行錯誤していて終わった。
私とシラーはそれを横で見ながらお茶してた。
屋敷の完成後、直ぐに荷物を運び入れる。
狼4匹は基本、私の部屋で寝るため部屋は作らなかった。
1階はキッチン、ダイニング、リビング、図書室、お風呂、トイレが2つ、研究室、実験室、裁縫室、物置、空き部屋がある。
2階は私の部屋にシャナリーゼとウォルドの部屋、ライゼンとタマキの部屋がある。
3階はルイとソウマが同室で、他は皆の個室がある。
皆で話し合って造った理想の家だ。
今日はとにかく露天風呂が楽しみで仕方がない。
開拓班も作業はほぼ終わったようで、後は最終チェックをするだけらしい。
夕食後のリビングに全員で話をしていた。
「りそうどおりのやしきですね」
と言うと全員が満足そうに頷いてくれた。
「ルミエール様、ご相談があるのですが」
とルイが言う。
「どうしましたか?」
「鶏を15羽ほど飼育したいのです。新鮮な卵で料理できますし、今後卵を購入する必要はなくなりますから。以下がですか?」
卵は日持ちしない。
街には頻繁に買い物に行けないので、卵も直ぐになくなってしまう。
確かに必要かもしれない。
「いいあんだとおもいます。それとぎゅうにゅうもひつようではありませんか?」
「それなら大丈夫です。深淵の森に生息する動物の1種類が美味しいミルクを出すことで有名なのです。しかし生息域がここだけなので捕獲は難しく、捕獲できても森の環境がないと育てるのは難しいようで、そのミルクは幻のミルクとなっています」
「そんなのがいるのか。初めて知った。何て名前の動物なんだ?」
「ガジウスって言うんだ。シルフィードに聞いたらこの結界内だったら飼育できるんじゃないかって。ガジウスは基本2~3匹で行動してるから、2匹捕まえられたらって思うんだ」
「だがこの森で2~3匹で行動できるくらい強いのです。土属性の魔法も使えるようですし。怒らせなければ大人しいのですが、どうやって飼育ようかと考えているところです」
「捕まえるのは餌を使っておびき寄せるだけだから結構簡単なのよ。けど魔法を使えないようにしたらストレスでミルクは出なくなるし、出ても美味しくないの。いるときに探しに行くってなっても森は広いし1日がかりになっちゃうわ。飼育は必要なのよ」
「なるほど。ではほうほうはかんがえるとして、にわとりはあすにでもかいにいってきてください。レフィーリアかシルフィード、どちらかお願いできますか?」
「なら私が行く。シルフィードはガジウスの飼育方法を探しといて。誰が一緒に行く?」
「僕とルイが行く。どんな鶏が美味しい卵を産むのか勉強したんだ」
とソウマが言うとルイが頷く。
「ではレフィーリア、ルイ、ソウマ。よろしくおねがいします。わたしとシャナリーゼ、シルフィードはガジウスのしいくほうほうをさがしましょう。かいたくはんはひきつづきさぎょうをおこなってください」
というと皆頷いてくれた。
明日からの方針も決まり、今日は解散する。
皆疲れているようだ。
今日はシャナリーゼ、タマキ、レフィーリア、ルイ、ティナの女性メンバー全員でお風呂に入った。
露天風呂がとても気持ちよく、全員大満足だった。




