37話
とりあえずティナ、ソウマ、ルイは4匹の狼の汚れを落としに浴室へ向かう。
それ以外の全員と客人でリビングに入る。
私はもちろんライゼンの膝の上だ。
それぞれが座ったり、立っていたりと話をする体勢が整った後、まずは自己紹介をした。
「私はシルフィード。見ての通り龍族でレフィーリアの知り合いよ。話し方がこんなだけど性別は男。1人で旅をしてたんだけど、冒険好きの変な男に無理矢理契約させられてここまで連れてこられたの。まあその男がこの森で死んだから今は自由なんだけどね」
と言った。
ビックリした。
女の人だと思っていたからだ。
龍族はアラビアン風の薄着だが、服装はマントのせいで隠れていたし、化粧してたし、なによりレフィーリアに似ていたからだ。
オカマさんだが、カッコいいお姉さまって感じだ。
「シルフィードはレフィーリアとどういうかんけいですか?」
と疑問を聞いてみた。
「従兄なの」
とため息をつきながらレフィーリアが言う。
「こんなのでもここにいる誰よりも年長者で、すっごい物知り。他種族の魔法とかなんか色々の研究者でもあるの。龍族の中でも5本の指に入るほどすっごく強くて、私1回も手合わせで勝ったことないんだ」
とシルフィードについて話す。
「すごいのですね」
感心してそう言うと
「あら、ありがとうルーベンス国の末姫様?」
と答えるシルフィード。
答えた瞬間、部屋の中に緊張が走る。
皆武器をすぐに取り出せるようにしている。
私はシルフィードの答えに目を見開くとウィンクをされる。
1度深呼吸して、今レフィーリアから得た情報を元に推測を立てる。
「たしゅぞくのまほうなどをけんきゅうしているということはかずすくないまぞくのひかりまほうがつかえるものをしっていてもおかしくはありません。それにわがくにがほろんでまもないときにすえひめとおなじとしごろのおんなのこがひかりまほうをつかっているのをみたら、かんたんにすいそくがたてられる。かくしんをもつためにわざとそういってしゅういのものたちのはんのうをみてかくしんした、とすいそくしますが、あっていますか?」
と目を開いてシルフィードを真っ直ぐに見て言う。
シルフィードは驚いていたけど、最後は面白そうに私の話を聞いていた。
「ほとんど正解よ。けどあなたの目の色を見て、90%推測があってると思ってたわ。残りの10%を埋めるために周りの反応を見たの」
と言うと周りを見渡しながら
「こんな釜かけられたぐらいで反応しちゃ駄目よ!そんなんじゃこの子を守れないわよ!」
と注意する。
それぞれ思うことがあったようでばつが悪そうにしている。
「まったく。そういえば、レフィーリア。あんた契約したのね?主はやっぱりルミちゃん?」
とレフィーリアの契約の証を見ながら確認する。
レフィーリアは頷いて肯定する。
「やっぱりね。青色はルミちゃんの紋章色だし、ルミちゃんのママはバラによく例えられてたし、ルミちゃんは月に例えられてたし、知ってる人が見たら感動する証だもの」
と言ってレフィーリアに刻まれている証をなぞる。
「おうぞくいがいにもわたしがつきにたとえられていると、しられているのですか?」
証の意味をわかってもらえて嬉しいが、知っているものが見たら直ぐにわかるぐらいわかりやすいものなのだろうか?という不安から、シルフィードに確認する。
「ああ、大丈夫よ!私は貴女の上のお兄さんから色々聞いてたの。だから一目で貴女の正体がわかったし、証に込められた思いも理解できたのよ」
と答えてくれる。
が、別の事が気になった。
「おおあにうえさまとおしりあいだったのですか!?どういうかんけいだったのですか?」
「というよりも、私1年間だけルーベンス国にいたのよ。確か貴女がまだ2歳になる前で、上の王子の魔法の指南役として城で生活してたの。でも彼と王以外の王族の方とはお会いする機会がなかったから知らなくて当然よ。彼の教育を終えて、私はまた旅に出たしね」
と微笑みながら教えてくれた。
ジオルドとシャナリーゼも知らなかったようで、ビックリしていた。
その時、ルイが夕食に呼びに来たので1度話を中断し、夕食を食べに行く。
ルイ、ソウマ、ティナに洗われた4匹はダイニング横の廊下で先にご飯を食べていた。
先程までは汚れていたのでわからなかったが、母狼は白、子狼は黒、灰色、白の3色だったようだ。
痩せているが、母狼は超大型犬ぐらいの大きさで、私が乗っても大丈夫そうな感じだ。
子狼たちは小型犬くらいの大きさで、とても可愛らしい。
4匹はキッチンとダイニングには入らないように言われたようで、食べ終わってからもダイニングルームの入り口で座って私達を待っていた。
4匹に和みながらご飯を食べて、4匹も共に全員でリビングに向かう。
皆はシルフィードの警戒を解いたようだ。
シルフィードは知識が豊富で、夕食中も色々な話をしてくれた。
皆、興味津々で話を聞いていたり、質問したりとすっかり仲良くなっている。
今も色々な話をしてくれている。
私は床で4匹の狼と戯れながら話を聞いていた。
すると突然
「ねえルミちゃん。私とも契約しない?」
と言われてビックリした。
固まっていると
「レフィーリアが契約するぐらいだし、あの王子の妹だし、こんなにいろんな種族が共同生活してるし、楽しそうなんだもの。それにまた不本意な契約をされる前に私が選んだ人と契約したいのよ。ね?いいでしょ?私、強いし、物知りだし、結構役に立つわよ!」
と私の前に膝をついて言うシルフィード。
「いいんじゃない?あのシルフィードが誰かに何かを頼むなんて、1500年ぶりじゃないかってぐらい珍しくて、本気なんだよ。こんな態度だけどね」
とレフィーリアが言う。
他の皆にもアイコンタクトで賛成の意思を確認し、シルフィードと契約することに決める。
「みじゅくなあるじですが、よろしくおねがいいたします」
と笑顔で言うと抱き締められた。
そのまますぐに契約し、シルフィードに収納ネックレスと1億φ渡す。
シルフィードのガーディとカイン用に用意した銃を改良して、明日渡すことも約束した。
研究禁止令中だがシャナリーゼが特別に許可してくれた。
シルフィードは収納ネックレスとレフィーリアのガーディと銃に興味津々だった。
その後はいつも通りシャナリーゼとお風呂に入りにいく。
部屋を出る前にシルフィードにも屋敷のリフォームについて話し、いい案があれば教えてほしいと言って部屋を出た。
4匹の狼は私達に付いてきていたが、お風呂中は廊下で待ってくれている。
お風呂から上がると飛び付かれ、皆で私の部屋に行く。
今日は色々あって疲れた。
色々なことが急展開で、ビックリして固まることが多い気がする。
まあそういうところは城で生活していたら経験できないことなので、楽しかったりもするのだが。
それより、4匹の名前をどうしようか。
皆、月に関係する名前にしようかなぁ?と考えている。
シャナリーゼに相談するといい案だと褒めてくれる。
「それに4匹もルミ様と何でもいいから繋がっている絆がほしいに決まっていますわ」
と言って4匹を撫でる。
4匹もシャナリーゼの言葉に同意するようにウォンと鳴く。
その鳴き声に後押しされて、名前を決めた。
母狼はルーナ。白の綺麗な毛並みに銀色の目をしている。
黒の子狼はブラン。兄弟で1番大きく、銀色の目をしている。
灰色の子狼はホルド。兄弟で1番やんちゃで、銀色の目をしている。
白の子狼はリュナ。唯一のメスで1番体が小さくおとなしい。私と同じで青と銀色の2色の目をしている。
名前が決まり、それぞれに確認するととても喜んでくれた。
大満足し、シャナリーゼに勧められるまま寝室へ向かう。
シャナリーゼにより、リュナだけは寝室で一緒に寝れることになった。
他の3匹はもしもの事がないように、寝室の部屋の前で警護をしてくれるようだ。
リュナは傍で守ってくれるらしい。
その行動がとてもかわいく、4匹を撫でる。
リュナを抱き上げて共にベッドに入って寝た。
リフォームしたら4匹の部屋も造らないと!




