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月の光  作者: 麗音
1章
35/45

35話

シャナリーゼが泣き止むのを待ってから夕食を食べ始める。

夕食中はレフィーリアが今日の街での出来事を面白おかしく話してくれて、明るく楽しい時間を過ごせた。

夕食後、いよいよ本題だ。

「カインですが、全員一致で仲間にできないと判断しました。明日、シラーが記憶操作魔法をかけ、レフィーリアが街外れに置きに行くことにしました。お2人の意見も聞かず勝手に決めてしまい、申し訳ございません」

と言ってタマキが頭を下げる。

「わたしはみなのいけんにさんせいです。あやまるひつようはありません。シャナリーゼはどうおもいますか?」

タマキに頭をあげてもらい、シャナリーゼに意見を聞く。

「私も異議はありません。ただ、カインが話したことは全員が知っているのですか?もしそうなら顔を出しにくいですわ」

と言う。

「シラーとソウマは知りません。ただライゼンは扉の前で見張っていてくれたので、聞いていました。申し訳ありません」

再度謝るタマキ。

「謝らないでくださいな。私を思っての行動でしょう?むしろ嬉しいですわ。こんな私でも想ってくれる仲間がいるのだと実感出来ましたもの。レイラ様とももっと親密になれましたし。いろいろと感謝致しますわ」

とスッキリした顔をして言うシャナリーゼにタマキもレフィーリアも安心したように息をつく。

「あいつがここを出るまで、ルミ様とシャナリーゼはこの部屋から極力出ないでほしい。2人に会ったあいつが何するかわからないからな。風呂は今から行こう。私たちが護衛する。あいつは他のみんながリビングで監視中だ」

とカインへの怒りが抑えられないレフィーリアが久々に敬語なしで言う。

「ひさしぶりにレフィーリアのけいごなしのことばをききました。わたしはそちらのほうがすきなので、こんごはけいごをつけないでくださいね」

というとレフィーリアは一瞬シャナリーゼを見て、了承してくれた。

それを見て

「レフィーリアにけいごをつかうようにいっていたのですか?」

とシャナリーゼに聞くと、はいと答えたので

「こんごはしないでくださいね?わたしはありのままでそばにいてもらいたいのです。そのほうがきょりをかんじないでしょう?」

と言うと了承してくれた。


その後はレフィーリアとタマキに護衛されて、シャナリーゼとお風呂に入る。

レフィーリアとタマキは脱衣場と廊下で見張りをしていたが。

お風呂から上がり4人で私の部屋に戻ってきた。

シャナリーゼは1度自室に戻り、私の部屋に引きこもる準備にレフィーリアと向かった。

しかし帰ってきたのはレフィーリアのみで、シャナリーゼはどうしたのか聞くと

「ウォルドがシャナリーゼの部屋に話があるって来たんだ」

と言う言葉に

「シャナリーゼはウォルドをどうおもっているのでしょうか?わたしはすきなのではないかとおもっているのですが」

「やはりそう思われますか?私もシャナリーゼはウォルドが好きなのだと思います。ウォルドも先程の態度からシャナリーゼが好きなのではと思います」

「そうだな。ウォルドはあいつを殴って、胸ぐら掴んでシャナリーゼを幸せにすると言っていたのにどういうことだって怒鳴ってたしな。好きな奴の為じゃないとあんなに起こらないと思う」

と3人で内緒話をするように、思っていたことを言う。

「シャナリーゼがほんとうにすきなひととしあわせになれたらいいですね」

と言うと、2人も頷いてくれた。

それからも3人でいろいろな話をしていたが、私が起きている間にシャナリーゼは戻って来ず、私は久々にレフィーリアと寝た。


翌朝、いつも通り私を起こしに来てくれたのはシャナリーゼだった。

いつも以上にキラキラした笑顔で挨拶されたため、ウォルドとうまくいったのだなと私まで嬉しくなる。

「おはようございます。ウォルドとうまくいったのですね!おめでとうございます!わたしもうれしいです!」

と言うと驚いた後、顔を真っ赤にして、でも嬉しそうに笑って

「ありがとうございます」

と言ったシャナリーゼ。

私は嬉しくて、まだ隣で寝ていたレフィーリアを起こした。

そしてシャナリーゼとウォルドが付き合うことになったと言うと、飛び起きてベッドから落ちたレフィーリアにシャナリーゼと2人で笑った。


身仕度の後、私、シャナリーゼ、レフィーリア、ティナの4人で朝食を食べながらシャナリーゼの話で盛り上がった。

シャナリーゼは婚約する前からウォルドが好きだったが、ウォルドには恋人がいたと、関係を壊したくなかったから告白しなかったそうだ。

ウォルドも昔からシャナリーゼが好きだったが、カインに遠慮し他に恋人を作ったが、シャナリーゼを忘れられず別れた。

しかしその時にはシャナリーゼは婚約していたので、告白出来なかったらしい。

ここまで聞いて、こんなドラマみたいなすれ違いが実際にあるんだなぁというのが感想だ。

それと、シャナリーゼとウォルドに心から幸せになってほしいとも心から思った。

その後はレフィーリアとティナの初恋の話や、理想の相手の話、私の相手の条件などいろいろな話で盛り上がった。

レフィーリアいわく私の相手の条件は強くて、美形で、財力があって、頭がよくて、柔軟性があって、親に甘やかされてなくて、実力主義で…と私が覚えきれないほどの条件を出された。

私は結婚できないかもしれない。

まあこんな環境では出来そうにないけども。

そんな話をしていると、伝話でタマキから全員で玄関に来るよう言われる。

カインに記憶操作の魔法をかける前に全員で言いたいことを言おうと計画した。

カインの護送準備ができたら連絡が来るようになっていたのだ。

4人で玄関に行くと、簀巻きにされて口も塞がれているカインとそれを囲むように全員がいた。

まずは私から順番に言いたいことを言っていく。

最後のとどめにシャナリーゼのほうが良いと思ったのだ。

「きょうまでおつかれさまでした。もう2どとおあいしたくありません。どうかがんばってひとりでいきてください。わたしはあなたにつかえてもらいたくはありません」

と言った。

私が怒りをぶつけるとシャナリーゼが言いたいことを言えなくなるのではないかと思ったので、私はそれだけを言って、ライゼンに抱き上げてもらう。

それから順番に言いたいことを言っていく。

まあウォルドだけは言葉ではなく拳を送っていたが。

そしてシャナリーゼの番になった。

放心状態だったカインがシャナリーゼを見ると生気を取り戻した。

まだシャナリーゼなら許してくれると思っているようだ。

本当に頭の中がお花畑だなとつい強く思ってしまったようで、伝話で契約している全員に伝わってしまい、笑われた。

ジオルド、ルイ、ウォルドが近くにいた人にどうしたのか聞いて、笑っている。

外野がそういう状況でも、ずっとシャナリーゼはカインを睨んでいた。

「無様な格好ですこと。貴方にはお似合いですわね。幼い頃はまだ情がありましたが、今ではさっぱりありません。金輪際私は貴方を忘れます。今後は貴方に怯えなくてすむと思うととても幸せですわ」

と女王様みたいに言うと、目を閉じて深呼吸しする。

カッと目を開き

「二度と面を見せるな、穢らわしい!消え失せろ変態!」

と怒鳴った。

私達は全員が驚いた。

あのシャナリーゼが誰かを口悪く罵るなんて。

私は驚きすぎてついライゼンにしがみついてしまった。

どうしたのかと思っているとウォルドが噴き出して大笑いし始めた。

どうやらウォルドの入れ知恵らしい。

「驚きましたか?」

と私にイタズラが成功したときのような顔で言うシャナリーゼに

「おどろきました」

といいながらライゼンからシャナリーゼの腕に移る。

「俺も驚いたぞ」

と言ってライゼンがシャナリーゼの頭を撫でる。

タマキも

「よく頑張りました」

と声をかけながらシャナリーゼの頬を撫でる。

シャナリーゼはやっぱり怯えていたようで、私を強く抱き締めながら涙を堪えていた。

するとウォルドが私ごとシャナリーゼを抱き締める。

シャナリーゼは安心したように体から力を抜き、ウォルドに身を任せた。

私はシャナリーゼとウォルドに挟まれてシャナリーゼが落ち着くのを待った。


私、シャナリーゼ、ライゼン、タマキ、ウォルドでそんなやり取りをしている間にシラーが記憶操作魔法をかけてくれたようで、気づいたときにはカインは寝ていた。

シャナリーゼはカインを見ずに私を抱き上げたままリビングに入る。

その後にタマキ、ライゼン、ティナが続き、扉にはウォルドがいた。

シャナリーゼに確認し、レフィーリアとジオルドがカインを連れていく。

その後は昼食まで屋敷にいる全員で笑いながら話をしていた。

シャナリーゼとウォルドのこと、シラー、ソウマ、ルイ、の理想の相手のこと、私の相手の条件のことなどだ。

先程の部屋での話の続きとして話題に出したのだが、全員が、特にライゼンがまだ早いとか、絶対に許さないとか本当の父上様みたいに怒っていた。

それを見て皆止めるのかと思ったら、ライゼンを当然だと肯定していたので、どうしようかと思った。

私が悩んでいるとレフィーリアとジオルドが帰ってきた。

2人を労い、ちょっと早いが昼食にする。

カインは目が覚めた後、街に向かったということだ。

これから彼はどうなるのだろうか。

まあ私には関係ないが。

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