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月の光  作者: 麗音
1章
23/45

23話

私は最初、契約と奴隷の服従魔法は似ていると思っていた。

主の命令に逆らえない、主に悪意があっても危害を加えることが出来ないという点が。

思ったことやイメージを話さなくても伝わる、契約の証などもちろん全然違うところもあるが。

だが、人の言動を操作出来ることに変わりはない。

私はレフィーリア、ライゼン、タマキに無理矢理何かをさせて、嫌われることが怖い。

どうしてカガリはソウマを無視した言動を繰り返すのだろう。

そう思っていると、伝わっていたのか一緒にいたタマキにぎゅっとされ、ライゼンに頭を撫でられる。

レフィーリアからは感謝の気持ちが伝わって来る。

思わずタマキに抱きついた。


落ち着いてから日除けテントで話しているレフィーリア、ソウマ、シラー、ティナのもとにライゼンと向かう。

タマキはルイと昼食の片付けをした後、裁縫をするらしい。

「こんにちはシラーとソウマ。ゆっくりやすめましたか?」

「こんにちは。久しぶりにゆっくり出来たよ。ありがとう」

「こんにちは。あんな風に出ていったのに、助けてくれてありがとうございました。ゆっくり出来てます。久しぶりにお腹いっぱい食べさせてもらえたし、感謝が尽きません」

シラーとソウマが言う。

「よかったです。ゆっくりしてくださいね」

とティナにも言う。

今後のことについて話をしたいため、ジオルドとシャナリーゼとライゼンとタマキと5人でテントに入る。


「シラーとティナはかれらのしたいようにしてもらいましょう。もんだいはカガリとソウマです」

「私としてはソウマにかけられている魔法をどうにかしてあげたいですね」

「「同感」です」

ジオルドの意見にライゼンとタマキが同意する。

「私も同意見ですが、当事者2人抜きで話し合って良いのか、今後を決めて良いのかとも思っています」

シャナリーゼがそう言う。

「たしかにそうですね。でもいまのだんかいではまほうをどうやってとかせるかもわかりません。ほうほうがみつかってから、ソウマにえらんでいただくのはどうでしょうか?」

「…それなら良いと思います」

シャナリーゼ以外の3人も頷く。

「3つのほうほうはルイにききました。わたしはどちらにもしんでほしくはありません。なのでカガリにといてもらう、というほうほうがいいです」

「カガリを殺すのが1番楽なんですけどね」

ジオルドが恐ろしいことを言う。

「だが今後のソウマのことを考えると解いてもらうのが1番良い。殺したらソウマはずっとカガリに縛られたまま生きるだろう。死んでからもソウマの心を縛る可能性があるなら、後腐れないようにカガリにソウマを捨てさせる必要がある」

「ですがあのカガリが簡単にソウマを捨てるでしょうか?」

タマキの言葉に全員が黙ってしまう。

「そもそもカガリはまほうをとくほうほうをしっているのでしょうか?」

1番大事なことを忘れていた。

それを知らなかったらこの話し合いの意味がない。

「それは大丈夫ですよ。奴隷商人から奴隷を買うときにいくつかの禁止事項も教わります。その中に〈言ってはいけない言葉〉というのがあります。奴隷に向かって〈お前なんかいらない〉と主が言うと魔法が解けるという言葉です。これをカガリに言わせればソウマは解放されます」

「主にいらないと言われた奴隷をいつまでも置いておきたくないと、過去に奴隷商人に言った奴がいたらしい」

「それから服従魔法に〈言ってはいけない言葉〉が設定されたと聞きましたわ」

「もんだいはどうやっていわせるかですね」

結局ここに戻ってしまう。

あのカガリにどうやってソウマを捨てさせるか。

難題過ぎて全員が黙ってしまう。

すると黙っていたシャナリーゼが口を開く。

私達はシャナリーゼの案を採用することにした。


全員でテントの外に出る。

レフィーリアに先程のことを伝え、意見を聞く。

レフィーリアもシャナリーゼの案に賛成してくれる。

ソウマと話すのはライゼンとタマキに任せることにした。

カガリとソウマと1番長くいたのは2人だし、私達よりもまだ2人がどういう風に一緒に過ごしているか知っているからだ。

私はレフィーリアとシラー、ティナの2人を誘って海に行き、夕食で使う魚を釣りに行く。

ジオルドとシャナリーゼはルイに話し合いの結果とこれからどうするかを話し、3人で準備をする。


私達は4人で楽しく釣りをした。

2人は初めて釣りをしたらしく、終始はしゃいでいた。

2人の国は基本森に囲まれている。

海を見るのも初めて、釣りも初めて、潮風も初めてと何もかも初めてでちょっと話を聞いたことがある程度の知識だった。

2人のはしゃぎっぷりを見て、レフィーリアとここの夕日を見せたらどうなるのかとイタズラ心が刺激され、夕日を見てから帰ることをライゼンとタマキに伝える。

2人から了承とソウマがシャナリーゼの案を飲み、明日実行出来るようソウマも一緒に準備していることが伝わる。

ソウマが許可をくれてよかったと、レフィーリアと2人で微笑みあった。


シラーとティナへの夕日サプライズは大成功だった。

最初、2人は身じろぎせず黙って夕日を見ていた。

サプライズ失敗かなと思っていたら、静かに泣き始めた。

こんな光景を見るのは初めてだ。

感動した。

そう、言葉ではなく体で言っているようで、サプライズ成功にレフィーリアと喜んだ。

釣った10匹の魚を持って結界に戻る。

テントの外ではテーブルが小さいため2回に分けて食事をしている。

その為既に結界にいたみんなは夕食を食べたようで、ルイに魚を渡し、私達4人も夕食を食べるためテーブルに向かう。

席に着き食べ始めると、ソウマが近寄ってきた。

「何から何まで本当にありがとうございます」

と言う。

それ以上は今は言えないのだろう。

私はまだ終わっていないので、油断せず準備を頑張ろうと声をかける。

そのまま私達が食べている間、ソウマはルイと一緒に給仕をしながら会話に参加する。

シラーとティナの海初体験、夕日の感想を2人が興奮ぎみに2人に報告しており、ソウマはうらやましそうに、ルイは微笑ましそうに聞いていた。

夕食後はシャナリーゼに連れられてお風呂に入る。

その時に準備の方はどうなったか、報告を聞く。

お風呂から上がった後、リビングでシャナリーゼ、ジオルド、ライゼンと修正点、変更点、改善点などを相談し、私は寝ることになった。

会議中に眠くなり、お風呂から上がったタマキにストップをかけられたのだ。

本当に4歳児の体は大変だと思いながら、明日に向けて休んだ。

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