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月の光  作者: 麗音
1章
21/45

21話

レフィーリアとライゼンに悲鳴が聞こえた方へ向かってもらう。

シャナリーゼはテントに入り、救急箱などの用意をする。

私はタマキに緊急事態を伝え、念のため2人分多く夕食を作って貰うようお願いする。

ジオルドと共に2人の帰りを待っていると、魔物と戦闘中というのがレフィーリアから伝わった。

ライゼンからは怪我人が4人いて、その中にソウマとカガリがいるとのこと。

それをジオルドと戻ってきたシャナリーゼに言うと、あからさまに嫌そうな顔をした。

その顔を思わず3人に伝えてしまったようで、3人とも笑っている。

しばらくすると戦闘は無事に終わり、今から4人を連れてくるとのこと。

ジオルドとシャナリーゼにタマキがいるから私は光魔法を使わないようにと言われた。

今日はたくさん魔法を使い、疲れていたのを見抜かれていたらしい。

2人に了承したときに、テントからルイとタマキが料理をもって出てくる。

テントのことがばれないようにという配慮だろう。

料理を野外のテーブルに並べ終わったとき、レフィーリアとライゼンが怪我人を連れて帰ってきた。

私とタマキが2人に近寄り、無事を確かめる。

その時カガリの悲鳴が聞こえた。

ジオルドが設定したせいで1人だけ結界に入れず、結界に弾かれてしまったようだ。

ジオルドを見ると、知らんぷりしている。

苦笑すると、シャナリーゼとルイも苦笑しており、レフィーリアとライゼンは笑っている。

ソウマは大怪我を負って意識を失っており、タマキに治療されているためカガリのもとに行けない。

カガリは結界の外からタマキにソウマに触るな、変なことするな、気があるのか、など言った後に暴言を吐いているようだ。

というのも途中からシャナリーゼに耳を塞がれてしまい、何も聞こえないのだ。

が、ジオルドがカガリの前に立つと静かになったようで、耳栓がなくなる。

ジオルドはカガリに話しかける。

「あんなに私達魔族を罵倒し啖呵を切って行ったのに、結局私達に助けられて、のこのことここに来るなんてどういう神経をしているんです?よほど面の皮が厚いようですね」

と毒舌全開である。

「可哀想に、ソウマはあなたのせいでこんな大怪我を負って瀕死なのに、治療できるタマキにソウマに触るなと言うなんて、ソウマを助けるなと言っているように聞こえましたよ。愛しているといいながら、最低ですね」

といった。

とても怖い。

まあ私もカガリにジオルドと同じ理由でいらっとしたので、助けるつもりはないが。


2人がそのまま舌戦を繰り広げている間に、興味深く初めて会う2人を見る。

古代ローマ風の衣装を着ている男女だ。

2人はジオルドとカガリの攻防を見て唖然としている。

すでに辺りが暗くなり始めているため、遠目からだと色はわからない。

シャナリーゼと共に2人に近寄る。

「はじめまして。わたしはルミエールです。こちらはシャナリーゼ。おふたりはおけがはないですか?」

と話しかける。

2人は深淵の森に子供がいることにとても驚いているようだ。

「初めまして。私はシラー。エルフ族だ。私は怪我は大したことはない」

「大したことはないなくても、何かあったら大変です。消毒はしましょう」

とシャナリーゼがシラーの治療を始める。

シラーは反論できないようでされるがままだ。

「私はティナです。天族です。シラーが庇ってくれたので、怪我はありません」

「ルミエール様、その方と先に夕食をお取りください。ジオルドがカガリの気を引いている間に」

とルイが私とティナの分の食事を持ってきてくれる。

私はティナの隣に座り、食べ始める。

ティナは戸惑っていたが、食べ始めた。

久しぶりのまともな食事と安全な場所に安心できたのだろう、泣きながら食べている。

私はティナの頭を撫でてあげることしか出来なかった。

そこにソウマの治療を終えたタマキが来た。

「良かったら使ってください」

とタオルを差し出し、後ろに回り、背中をさする。

ティナは大泣きし、食事が止まる。


泣きつかれたティナが寝てしまい、とりあえずライゼンが日除けテントに運び、ルイが寝床の準備をする。

タマキはシラーの酷い怪我は治したが、かすり傷等の小さい傷は断られたためシャナリーゼが消毒した。

今は私、シャナリーゼ、レフィーリア、ライゼン、タマキ、シラーで夕食を食べている。

ジオルドは相変わらずカガリと舌戦中で、ルイはソウマとティナが日除けテントで寝やすいように整えている。

「ありがとう」

シラーがいきなりそう言う。

「俺とティナはそれぞれの国から追い出され、他の仲間の5人で各地を人を探しながら旅してた。全員が同じ人を探していて、ビックリしたよ。一緒に探す方が効率がいいし、目的地も一緒だしね。この森にそいつが潜伏しているかもと噂を聞いて、ここに来た。だが俺達の考えは甘かった。この森に入って3日目に仲間の1人が死んだ。森の奥に進むにつれて魔物もどんどん強くなる。なんとか奴のアジトを見つけたが、俺達はたどり着くまでに体力を使い果たした。1度戻って、強くなってから出直そうとした時に、奴に仲間の1人が殺された。何日も動き続けて、この辺まで戻ってきたときにあの2人に会ったんだ」

「それから2人と行動していたんですか?」

「いや、女の方が俺たちは瀕死だから俺たちが持ってた食料は水は貰っていく。死ぬんだから必要ないだろうと、言って物資を奪おうとしたんだ」

話を聞いて心底呆れた。

「男の方は女の所業を止めようとしていたが、女は聞く耳持たず、口論になった。女がかなり大声でわめいていたからか、魔物の集団が寄ってきた。それで仲間の1人を失い、男が怪我を負ったときにお前達が助けてくれたんだ。本当にありがとう」

とシラーは言った。

「とうぜんのことをしたまでです。ここにはまものははいれませんし、わたしたちはあのかたとはちがいます。シラーもいまはあんしんしてからだをやすめてください」

私がそういうとみんなが頷き、休むよう促す。

シラーは再度お礼を言って、日除けテントのティナの隣に横になる。


私達は全員憤っていた。

シャナリーゼとレフィーリアがジオルドのもとに行く。

カガリに一言言わないと気がすまないのだろう。

2人がカガリの相手をしているときにジオルドとルイが夕食を食べる。その時に先程シラーから聞いた話を伝える。

話の後、もちろん2人も怒っていた。

が、時間はもう20時近く、4歳児の私はもうすぐ寝る時間だ。

その為、タマキとテントに戻り、一緒にお風呂に入る。

今日はテントの秘密がバレないように交代で見張りをするらしい。

タマキとライゼン、ルイが先に休むらしく、リビングにいる3人に挨拶をして、私は先に休ませてもらった。

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