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月の光  作者: 麗音
1章
11/45

11話

もう少しでルイが叫び声を聞いた付近になる。

再びルイが術を使うが、叫び声は聞こえないと言う。

ルイも馬から降り、私をシャナリーゼが背負って、警戒しながら進む。

馬上にいると、狙われやすいらしい。

しばらく進むと怪我をした1人の銀髪の人がうつ伏せに倒れていた。

私はシャナリーゼに降ろしてもらい、その人に近づく。

シャナリーゼに許可をもらい、その人の様子を見る。

背中に矢が刺さっており、脚からも血が出ている。

気を失っているようで、固く目を閉じている。

矢を抜き、足と共に治療魔法をかける。

「矢で攻撃されたのであれば、魔物に攻撃されたのではないですね。誰と戦っていたのでしょうか?」

と、一緒に様子を見ていたシャナリーゼが言う。

他の2人は辺りを警戒しながら、こちらの様子を伺っている。

仰向けにして、驚いた。

女性だったのだ。

さっきまでマントに隠れていたので気づかなかったが、服装がアラビアン風の民族衣装だった。

魔族ではなく人魚族や龍族の可能性がある。

この2種族はそれぞれの国から出ることもなく、他種族との交流もない。

特に魔族と人族は嫌われている。

もしどちらかの種族だった場合、起きたら攻撃されるかもしれない。

そう思った時、

「…んっ」

と聞こえたかと思ったら、女性が目を開けた。

とてもキレイな濃い蒼色に思わず魅入っていると、

「誰?なぜ治療したの?私をどうするつもり?」

と女性から矢継ぎ早に質問される。

「わたしはルミエールです。ここをとおろうとしたら、あなたがたおれていたので、ちりょうしました。ほかにいたむところはないですか?」

私が質問に答える。3人からはなぜ答えるのかという批難の目で見られたが無視して、女性とコミュニケーションをとる。

女性が体を動かして確認し、

「大丈夫。ありがとう。なぜ貴女みたいに幼い子供がこんな危険な森にいるの?」

どうしようかと思ったが、バーレンシア国の王族が龍族や人魚族と繋がっているとは思えないので、正直に簡単に答える。

「あるくにのおうぞくだったのですが、ほろぼされてにげてきました。あなたは?」

「私はレフィーリア。龍族で、自国の周辺を旅してたんだけど、魔族に遭遇して無理やり契約させられそうになったから逃げてきたの。その時に足に傷をおって、森に入った後に人化して小さくなって逃げようとしたら背に矢を射られたの。反撃して逃げてきた後にここで気を失ってしまったみたい」

「ではあなたもおわれているのですか?」

「反撃したから、もう森には追っ手はいないわ」

「そうですか。では、けいやくとはなんですか?」

追っ手はいないと言うことに安心し、気になったことを聞く。

「契約っていうのは魔族や人族が他種族を隷属させるものです。契約した場合、主の命令は絶対。どんなことデモさせられます。契約を破棄することは主にしか出来ません。またどんなに願っても主に攻撃出来ません」

「だから魔族と人族は他種族との交流が少ないのです」

「契約をした両名はどこにいても相手が分かります。精神を繋ぐと心で会話も出来ます。だから本当に信頼しあった主従もいるのですよ」

と3人が教えてくれる。

「そういうこと。まぁさっきの奴は隷属目的だったから逃げたんだ。それと、基本的に契約は二重にすることは出来ない」

と、言った後にレフィーリアが私を見て考え事をする。

そして考えがまとまったのか、一度頷いた。

「ルミエール、だったよね?私と契約しない?」

いきなりの爆弾発言に驚き、固まっていると

「なぜルミエール様と契約したいのですか?」

シャナリーゼが問いかける。

「この子と契約したら、他からは狙われないし、この子には助けて貰った恩もあるし、変なことも命令されないだろうし、いいことづくめな気がしてきた。どう?」

と微笑みながら言い、催促する。

私はどうしようかと思い、3人を見る。

「良いのではないでしょうか。敵意は無さそうですし、契約したら、攻撃されることもないですし」

「同じく賛成です。それに契約した種族の国に入国できるので、隠れる場所が増えるのは良いことです」

「私も賛成です。人数が多い方がルミエール様を守りやすくなりますし」

と許可を貰った。

私はレフィーリアに向き直り

「こちらこそよろしくおねがいします」

と了承の返事をする。


契約は契約の魔法を唱えお互いの血を舐めた後に刺青みたいな契約の証を体に刻む。

証は主がイメージしたものを魔法で体に刻むので痛みはないらしい。

契約の魔法を覚えて、契約の証をどのようなものにするかを考える。

三日月は絶対に入れたい。

ほぼ一生体にある証なので、じっくり考えてから契約したいと言うと、

「取り敢えず、今日はここでテントを建てましょうか。ずっと移動し続けましたし、急ぐ理由もないですしね」

とジオルドが言った。

私は頷き、収納ネックレスからテントと結界石を出す。

レフィーリアが驚いたようにネックレスを見ている。

後で説明しよう。

ジオルドとルイがテントを建て、私とシャナリーゼとレフィーリアがテントの周りに結界石を置く。

「こんなとこでテント?」

レフィーリアが不思議そうに言う。

「このテントはルミエール様が開発されたテントで、空間魔法がかかっています。4LDKでバス・トイレ付きの特別なテントなのですよ」

とシャナリーゼが説明するが、頭に?が見える。

そんなこんなで結界石を12ヶ所に置き、術を発動させた頃、テントも建て終わる。

シャナリーゼ、私、ルイ、レフィーリア、ジオルドの順にテントに入る。

レフィーリアは入って固まっていた。

私達は何度も入っているので驚かないが、初めて入ると驚きだろう。

私はレフィーリアの手を引いて一緒にソファーに座る。


さて、どこから説明しようか。

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