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カラフル  作者:
9/26

#9 気持ち

(好きだからね、か・・・)

だんだんと暑くなってきた日の午後。

祐菜は教科書を読む先生をじっとみつめる。

だが、先生の言葉など頭には入って来ていない。

湊の過去の話を聞いた時につい口から出た言葉。

――好きだからね!

どうしてついあんな言葉を言ってしまったのか。

そして、その言葉は友達として、なのかそれとも・・・

(わかんないよぉ・・・)

祐菜は髪の毛をくしゃくしゃと掻き乱した。


『柚ちゃん助けてくださいっ!』

学校が終わって寮に戻った祐菜はすぐに柚希の部屋に行った。

柚希は困った時の相談相手となってしまっている。

「あらユナちゃん♪最近良く来るねぇー」

ベッドに座ってコーヒーを飲んでいた柚希は楽しそうに祐菜に手招きした。

祐菜は柚希の隣に座るなり、柚希の方を向く。

『わかんないんですっ!』

「・・・?何が?」

笑顔のまま、柚希は首を傾げた。

『聞いたんです。湊君の過去のこと。・・・でも、何て言ったらいいかわかんなかった』

柚希は黙って何度も頷いている。

『しかも、私・・・自分の気持ちもわかんなくって』

「自分の気持ち・・・?」

柚希の問いに、祐菜はあの日の夜の事を思い出す。

『私・・・つい湊君に好きとか言っちゃったけど、友達としてなのか・・・それとも・・・』

そのまま黙りこんでしまった祐菜を見て、柚希は少しだけ笑った。

「そんなの私に相談してどうすんの!」

『ほえ?』

「ユナちゃんの気持ちを一番わかってるのは、ユナちゃんでしかないんだから!」

『うっ・・・・・・そっか』

今夜はまた、眠れない夜になりそうだ。


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