#20 気持ち
太陽は、すでに沈みかけている。
祐菜と湊のいるリビングは、しんと静まり返っていた。
『・・・』
「・・・・・・正直さ、」
しばらくして、湊がそっと口を開いた。
「好きとか、そういうの、全然わかんなくて」
『・・・・・・そ、そっか』
「でも。俺だって、ずっとあんたの側にいて、護ってあげたいって、思ってる」
『え・・・?』
「これは、信じていいの?」
湊の視線は祐菜にじっと注がれる。
『え・・・あの・・・』
「・・・俺も、あんたが好きなのかもね」
『す・・・』
戸惑った表情でそういった祐菜は、がくんと膝から崩れ落ちた。
「・・・?」
『私っ・・・ずっと不安でっ・・・。本当は、湊君に嫌われてるんじゃないのかって・・・』
「・・・」
湊も祐菜の前にしゃがみこみ、祐菜の手をとった。
そして、その手をぐいっと引っ張り、湊の心臓の辺りに、そっと当てた。
『あ・・・』
とくん、とくんと脈を打っている心臓の音は、少し速い。
「・・・これって、あんたが好きだってことなんでしょ」
祐菜の目からは、また涙がぼろぼろと零れ落ちる。
「・・・なんで泣くの」
『嬉しい時も涙って出るんだよぉ・・・』
「嬉しい時なんか、全然ないからわかんない」
祐菜はそっと、湊の顔を見上げる。
『それは、これからいっぱい作っていくの!』
そう言うと、湊はふっと笑って、そっと祐菜を抱きしめた。
「・・・ありがとう、祐菜」
初めて呼ばれた名前に、祐菜の心臓はまた、とくんと跳ねた。