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カラフル  作者:
19/26

#19 伝えたいこと

祐菜は、湊の背中に抱きついた。

『怖いなんか、思うわけない』

腕の力を少し強くする。

湊の返事を待った。

「・・・離して」

そっと、湊の手が祐菜の腕に置かれる。

祐菜を背中から引き離した。

「・・・もういいから、優しいぱぱとままの居る家に帰れば」

相変わらずの、冷たい言葉。

祐菜は、湊の手が触れた腕を強く握り締めた。

『・・・どうして信じてくれないの・・・?』

「・・・そんなの、信じるだけ無駄。今まで、散々裏切られてきた」

そう言った湊は、棚からコーヒーカップを取り出し、コーヒーを淹れ始めた。

『・・・湊君は、寂しいだけなんだよ』

「・・・は?」

『寂しくて、一人になりたくなくて、構って欲しくて。だから、喧嘩して、周りを心配させて』

「っ・・・そんなんじゃない」

『・・・私が、ずっと側にいるから。楽しいなら一緒に笑ってたい。湊君が悲しいなら私も悲しい。湊君が寂しいなら、側にいたい』

「・・・なんで」

湊が祐菜の方を振り向き、そう尋ねた。

何かに期待するような瞳で、じっと祐菜を見つめる。

『湊君が、すきだから』

わかっていたのに、言い出せなかった言葉。

湊が祐菜を好き、ということは柚希も葵も言っていたのに。

ただ、不安だった。

信じることが出来なかった。

『ずっと、湊君の側にいたい』

今は、この気持ちを信じる。

たとえ嫌われていても、この気持ちだけは嘘じゃないから。


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