表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カラフル  作者:
18/26

#18 誤解

走って寮までたどり着いた祐菜は勢いよくリビングの扉を開けた。

『湊君っ!!』

だが、そこに湊の姿はない。

部屋にいるのかと思い、歩き出そうとしたその時。

「・・・なんで帰って来てんの」

『?!』

いつの間にか、真後ろに湊が立っていた。

手には買い物袋。買い物をしに行っていたのだろう、とすぐにわかったがそれどころではない。

『・・・湊君・・・』

相変わらず、目も合わせてくれない。

湊は返事もせずにキッチンへと向かう。

『・・・側にいるから』

「・・・?」

やっと、湊が振り向いて目を合わせてくれた。

それだけでも嬉しくて、堪えていた涙が一気にこぼれた。

『私が湊君の側にいるからっ・・・』

服の袖で涙を拭う。

「・・・意味わかんない」

湊から帰ってきたのは、そんな言葉だった。

『え?』

顔を上げて湊をみると、いつもの優しい湊の顔ではないことはわかった。

怒っているような、でもどこか寂しげな表情。

「・・・俺のこと怖いなら構わなきゃいいじゃん。放っとけば」

『怖いなんて思ってないっ!!』

「別にそんな嘘つかなくてもいいじゃん。あんたの友達と喋ってたじゃん」

何のことだかわからず、少し考える。

頭に浮かんだのは、以前の華蓮との会話だった。

『もしかして華蓮ちゃんとの・・・』

「・・・あんた、"うん"って答えてた」

『ちっ・・・違うっ!!』

祐菜は湊の前へ少し早歩きで向かう。

湊の表情は相変わらずだ。

『確かにうんって言ったけど、それは初めて会った時は怖かったよって話をっ・・・』

祐菜は必死に訴えるが、途中で湊は背中を向けてしまった。

『湊君!信じてよ!!』

「・・・そんなこと、出来るわけないじゃん」

『湊君っ!』

祐菜は、湊の背中に抱きついた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ