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カラフル  作者:
17/26

#17 一人。

祐菜の家はごく普通のマンション。

7階なので、エレベーターに乗り込む。

(・・・ほんとうに帰ってきちゃった・・・)

湊一人を寮に残してきてしまった。

(やっぱり私だけでも残ってた方が良かったんじゃ・・・)

一瞬、そう考えたがすぐにそんな考えは消えた。

毎年一人だったわけだし、今の湊との微妙な関係で戻っても気まずいだけだろう。

それに、湊ならきっと大丈夫だ。

鞄を担ぎ直し、エレベーターが7階に着くのを待つ。

『・・・?!』

刹那、ガコン、という大きな音を立ててエレベーターが止まった。

しかし7階に着いたわけではない。

『えぇ?!嘘っ・・・こ、故障かな?!え、えっとっ・・・』

突然の出来事に、頭の中はパニックだが、とりあえず非常ボタンを押す。

すぐに男の人が対応してくれた。

(よかった・・・)

ほっと胸をなでおろす。

一人で閉じ込められるようなことになっていたらどうしよう、と考えてただけで恐ろしくなった。

(ほ・・・ほんとによかった)

『・・・!!』

ふと、湊のことが頭をよぎる。

湊は、一人なんだ。

帰るべき場所もなくて、泊まりにくるほど親しい友達がいるわけでもなくて。

どうして、大丈夫だなんて思ったのだろうか。

そんな保障なんてどこにもない。

湊は、ずっと寂しかったのに――

祐菜はすぐにケータイを取り出した。

『・・・もしもしっお母さん?ごめん、やっぱり帰れない。私、寮に戻る!』



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