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カラフル  作者:
14/26

#14 最悪のタイミング

『へへへっ♪』

湊と一緒に学校をサボってしまった日から数週間。

祐菜はずっとご機嫌だった。

「・・・祐菜最近楽しそうじゃん。どしたの?」

放課後、玄関で華蓮に呆れながらそう聞かれる。

祐菜は笑顔のまま、玄関を出た。

『あのね、だってね、最近湊君が、遅刻もサボりもしないんだよっ!』

「・・・でも、喧嘩はしてるんでしょ」

『え?』

急に、華蓮の声のトーンが下がった。

祐菜は、華蓮の顔を見上げる。

「・・・祐菜は、アイツが怖くないの?」

『きゅ、急にどうしたの?』

「祐菜も本当は杉浦湊が怖いんでしょ?!」



「・・・」

なんでだろうか。

湊は、放課後の廊下を歩きながら一人で首を傾げる。

最近、サボる気が全くしなくなった。

授業は聞く気がしないが、学校をサボる気はしない。

「・・・・・・」

あいつの、篠原祐菜のせいだろうか?

「祐菜は、アイツが怖くないの?」

突然、そんな声が玄関から聞こえる。

「・・・?」

不思議に思いながらも、玄関で靴を履き替えた。

「祐菜も本当は杉浦湊が怖いんでしょ?!」

湊は、立ち止まった。

その答えが、何故だか気になった。

本当は、無理しているのだはないのだろうか?

そう思ってしまった。

『・・・うん』

それは、確かに祐菜の声。

「・・・」

湊は、祐菜たちに見つからないように離れた場所から玄関を出た。


「祐菜も本当は杉浦湊が怖いんでしょ?!」

華蓮の言葉に、祐菜は驚いた。

怖い?本当は、湊君のことが怖いのか?

『・・・うん・・・確かに初対面の頃は私もそう思ってた。でも・・・優しいよ。湊君は、優しい』

「・・・」

華蓮は、いまいち納得できない様子だったが、祐菜が歩き始めると、隣に並んで歩き始め、話題を変えた。



近づき始めた2人の距離は、また、離れていった――・・・

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