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過日の亡霊――転生冒険者と死亡した転生元王女。ただし転生冒険者は現在副業中  作者: 剣崎月
第五章・過日の亡霊――亡き元王女に捧げる正義の亡霊

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【07】過日に録音された音声

【以上の理由とウティルエニィの涙の告発を持って、わたしリーノス・レメートはアルティ・ユセリラルダと婚約を破棄する!】


【婚約破棄……ですか】


【そうだ!】


【そうですか。婚約に関して、わたしはなんの権限もありませんので、父にお話ください】


【そうやって言い逃れするつもりか!】


【言い逃れではなく事実です。何度も言いますが、わたしに婚約を破棄する権限はございません】


【これほどの罪を暴露されてもなお、何故婚約を破棄されるのか分からないというのか!】


【罪は犯しておりませんので】


【なんだその態度は】


【それを言うのならば、あなたでしょうリーノス・レメート。貴族の分際で、王族であるわたしに対して、その口のきき方はなんですか?】


【お前はそうやって、すぐに身分を振りかざす!】


【いままであなたに、身分を振りかざしたことがありましたか? とにかく、婚約に関しては父である国王と……】


【お前はウティルエニィをいじめていたそうだな!】


【わたしとウティルエニィは、話をしたこともなければ、同じ建物で暮らしたこともございません】


【そうやって、ウティルエニィを無視したのだな!】


【無視もなにも、わたしが父である国王から離宮に住めと命じられ、従っていたまでのこと】


【言い訳はいい!】


【言い訳ですか。何を言っても通じないようですが、婚約破棄はわたしには決定権はございません】


【そんなにも、わたしとの婚約を続けたいのか! あさましい女だ!】


【続けたいから拒否しているのではなく、わたしには決定権がないと何度も申し上げているのです】


【お前がどんなにわたしの婚約者の座にしがみつこうとしても無駄だ! わたしには最愛がいる】


【それは、あなたの隣にいるウティルエニィですか?】


【ああそうだ! わたしたちは心が通じ合っている】


【そうですか】


【もー認めなよー。醜い嫉妬から、ウティルエニィをいじめたことを】


【内容はともかく、王家と公爵家の会話にいきなり会話に入り込んできて、失礼ですよ、ヨトラコル伯爵子息】


【魔力もなにもない君にそんなコト言われたくないなあ】


【お前なぞ王女と名乗るのも烏滸がましい魔力ではないか!】


【アルタリス伯爵令息、あなたにそのようなことを言われる筋合いはありません】


【ふん! 王族というのは、ウティルエニィのように、魔力に溢れ優しく清らかな人物であってこそ! お前のような嫉妬に狂いウティルエニィに危害を加えようとする女が、王女と名乗るなど烏滸がましい! いや、悍ましい!】


【バルタールザの言う通りです。リーノスの婚約破棄を早く受け入れなさい。リーノスがあなたの元に戻ることはないのですから】


【はあ。あなた方がわたしを陥れたいことは、よくわかりました。ここで婚約破棄を受けいれたら、越権行為でわたしは罰せられるのですよ。その程度のことも分からないのですか。そしてバリオロッシュ侯爵子息。先ほどのあなたが提示した証拠は、すべてあなたが用意したものですか?】


【わたしだけではない。わたしたちが、皆で集めた】


【ウティルエニィも一緒に?】


【ウティルエニィにそんなことをさせるはずがないだろう。彼女はお前の虐めで傷ついるのだ。そのうえ、お前の悪行を知ったら、心優しく繊細なウティルエニィの心が壊れてしまう】


【心優しく繊細ねえ。姉の婚約者を奪うような女が、優しくて清らかで心優しく繊細ねえ】


【アルティ! 貴様! ウティルエニィになんてことを! 謝れ!】


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