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白い塔、無の魔法

 ミアという少女に連れられて精霊協会の本部であるという白い塔に入る。

 入ってびっくり、円形の壁に沿うように一面が本、本、本で埋め尽くされている。

 うわっ! 本棚や机が浮いてる!?

 すごい...本当にここは異世界なんだ....


「す、すごい...」

「ありがとうございます!この塔は130階までありまして、頂上のフロアを除いてすべてのフロアが人間と精霊の間で交わされた契約や、確認されているすべての魔法、その他たくさんの研究資料が保管されています」

「すべての魔法....」

「はい、古今東西すべての属性の魔法が記録されています。新しく開発された魔法は必ず申請しないといけない規則になっております」

「ねぇここらどうやって最上階に行くの?」

「ん?どうってもちろん《浮遊》ですよ」

「《浮遊》って?」

「....《浮遊》をご存じない?」

「う、うん」

「あー、ええ、えーっと、失礼なのですがアキラ様はラバント様の使者ですよね」

「まぁ..そうだね」

「すみません...無の精霊様なら無条件に浮遊が使えるものだと思い込んでおりました」

「うぅ、ごめん......それに俺精霊じゃなくて人間だし....]

「えぇ—!?..へ?人間...なんですか?」

「うん、なんかごめん」

「いや、こちらこそすみません」

「あの、それでどうやって上にいけばいいの?」

「それは~」



「はぁ..はぁ..ねぇ、いま何階?」

「83階です」

「えぇ~、あと47階もあるの!? はぁ...はぁ...ミアちゃん..はぁ..俺を抱えて飛べないの?」

「無理ですね。《浮遊》は地面からの《地の魔力》と自分の《無の魔力》を反発させて飛ぶんですよ。ですから基本的に相当な使い手ではないと他人には掛けられないです」

「それじゃあ俺にその《浮遊》を教えてよ」

「それも無理ですね。《浮遊》は上級よりの中級魔法ですからそんな一朝一夕で取得できるものじゃないです。それにさっき初級魔法《障壁》を挑戦してみたけどダメだったじゃないですか」

「くそっ、でもあとちょっとだったんじゃない?」

「まず魔力の放出からできていないですね。魔力の放出はみんな5歳ぐらいで親や先生に教わるものです。...失礼ですがなぜラバント様の使者でありながら魔法に対する知識がないのでしょうか?」

「そうだな、俺にもわからない。魔法だけじゃないこの世界についてほとんど知らない」

「~!それは...どうしてでしょう...]

「それもわからないがなにか明確な意図があったんだろう」

「そう..ですよね。ごめんなさい!出過ぎたことを申し上げました」

「ううん、大丈夫。俺も疑問におもってるから」


 俺が異世界からきたことは言わないほうがいいだろう。

 おそらくこの世界の住民も異なる世界が存在していることは知らないだろうし説明が大変だ。それなら俺はこの世界について何も知らなくて、そこに『ラバントの明確な意思があるため』ということにしたほうがわかりやすいだろう。

 俺の魔力属性はミアちゃんと同じ《無》だった。ラバントによるものか偶然なのかわからないがなんの魔法も使えないなんてことがなくてよかった!ほんとよかった!


「はぁ...はぁ...あと何階?」

「あと42階です」

「嘘だろ....」

「ずっと浮かんでると魔力消費が大きいので上でまってますね」

「えっ!まって、ちょっとまって!ミアちゃん!おいてかないで!!」


 上を見上げるとまだまだ螺旋階段が続いている。

 もうここまできたら上るしかない!

 はぁ..あと39階.....

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