短編集①日本連邦
日本連邦…その国は大きな4つの国「東日本国」「西日本帝国」「北海道国」「琉球王国」からなる首都を天皇陛下が居る京都に定めた連邦国家である
帝国歴110年愛知県が西日本帝国からの脱退を表明した事で日本連邦は西と東に別れての内戦へと突入して行く…
愛知は、「岐阜」「長野」「奈良」「滋賀」「三重」「静岡」らを仲間に入れせ三つ巴の形を作り東にも西にも与しない「中央連合」を形成する
北海道と琉球は中央連合を支持し東日本と西日本各地の県境では激しい戦闘が行なわれた
中央連合が誕生してから半年が経過した頃、東日本国に激震が走る
「山梨」が東日本国から離脱し中央連合への参加を表明したのだ。
東日本国は山梨が静岡と“富士山問題”でいがみ合って居るので、決して中央連合には加担しないと甘く見ていた
事の発端は議会での千葉県知事の“失言”に始まる
千葉県知事は
「海の無い山梨や埼玉よりも強力な海軍が有る千葉にこそ予算が多く割り当てられるべき」
と言う発言をしてしまう
この発言に対し、山梨、埼玉、群馬、栃木が一斉に批判し遺憾の意を表明した
ここで東日本政府は重大な判断ミスをする
『山梨は静岡と仲が悪いから中央に行かない』
…と
最も千葉と仲が悪い埼玉を真っ先にフォローし次いで群馬、栃木と交渉をする東日本政府の対応に山梨側は離脱を決断する
長野と言う強力な陸軍を日々相手にして居る埼玉ならまだわかるが、比較的安全な栃木よりも下と見られた事に憤りを感じたのだ。
これにより、東京も中央連合との境界が生じ山梨と争い始める
中央連合に山梨が加わる事を全世界が一斉に報道し、各地に記者を派遣し詳細を報道して行く
アメリカの大手メディアABCニュースは特番を組み、大阪、名古屋、東京にレポーターを派遣し生中継を試みた…
「それでは、大阪のジェニファーを呼んでみましょう、
…ジェニファー聞こえる?大阪の様子はどうだい?」
スタジオの画面にブロンドの髪を後でまとめ眼鏡をかけた女性が映し出され
「…ハーイ、私は今大阪のウメダに居ます。
早速街の声を聞きたいと思います。」
そう言うと彼女は近くにいた若者達に声をかけ尋ねる
『山梨が中央連合に参加した事で西日本へも影響が出ると思いますか?』
彼女は流暢な日本語で若者達へと質問したのだが…
彼等からの返事は
「東京のは冷たいねんな!やから山梨が離脱すんねん」
「東京なんかアホしかおらんて」
「せやせや、山梨が逃げるんもしゃあないて」
と、ただの東京批判をするだけで会話に成りそうに無かっので、
「えー、ちょっとエキサイトしてますね、お酒でも飲んでいるのでしょうか
…一度スタジオに戻します。」
と、慌てて中継を終えてしまう
「オー、なかなか激しいですね。
では東京のスミスにも繋いでみましょう。
…スミス、聞こえる?東京の様子はどうだい?」
すると今度は画面に知的なアフリカ系男性が映し出され
「ハーイスミスです。私は東京のシブヤに居ます。
今日はシブヤの人達に今回の件を聞きたいと思います。
…ちょっと良いですか?」
スミスは近くにいた女子高生に声をかけ尋ねる
『山梨が東日本から離脱した事をどう思いますか?』
こちらも聞き取りやすい日本語で女子高生へと聞いた
「え〜、良くわかんないです。えっ?山梨って中央じや無かったんですか?」
聞く相手を間違えたと感じたスミスは、女子高生との会話を早々に切り上げて会社員に同じ質問をした
「…あ、そうみたいです。影響ですか?
…うーん、祖父の家が山梨なので山梨に行くのが大変に成るかなぁ」
と、余り重大な感じがしない返答だった…
スタジオは最後に名古屋に中継を繋ぐ
「エディ、名古屋のエディ聞こえる?名古屋の様子はどうだい?」
スタジオの画面に愛嬌のあるアフリカ系男性が映し出され彼は早速街の声を届ける
彼の選んだ相手は主婦か会社員かと思われる女性だった
「はい、山梨が中央に参加した件ですか?
まあ、当然じゃ無いかな?だって日本の中央ですから(笑)
東京も中央に来てもいいと思いますよ」
と、余裕を見せつける
エディが次に声をかけた会社員風の男性はと言うと
「ごめん今、山梨との境界で起きてる戦いを観たいからごめんな」
と、足早に去って行ってしまう…
スタジオは急遽山梨へと派遣していたリポーターを戦闘が起きてる場所へと向かわせ中継をさせる
様々な議論をするスタジオに現地に到着したシンディから中継が届く
「シンディです。
私は今山梨と東京の境界のタバヤマに居ます。今、ここで中央と東日本が激しい戦いを繰り広げています。
現地の報道を交えてご覧ください。」
スタジオに日本語で現地の報道が届く
「ああっとここで一気に東日本が中央を突き放す!
北海道から援軍が来てるとはいえ、さすがに新潟、宮城、茨城、千葉と言った米どころが圧倒的な力を見せつけています!」
アメリカの人々は絶句していた…
彼らが予想していたのは、銃で武装した兵士達の戦闘であった。
しかし、スタジオの画面に映し出されたのは
『田植え競争』
だったのだ…
どちらが“早く”“正確に”“美しく”稲を植えるかを競って居たのだ。
結果は東日本が圧倒的な勝利を収め、今後1年間は山梨で収穫された米は東日本が“格安”で買い取る事に成ったのだ。
この光景を観たアメリカの視聴者がSNSに大量に書き込みをする
「日本は狂っている」
と。
そして、世界の平和な国ランキングで日本は3位と言う成績を収めるのであった。




